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ファーブルの電気と蒸気の話
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年12月15日
- 書店発売日
- 2020年12月24日
- 登録日
- 2020年11月19日
- 最終更新日
- 2020年12月22日
紹介
アンリ・ファーブルは日本では『昆虫記』の著者として有名です。
しかし実際には昆虫だけでなく幅広い分野で非常に多くの文章を残しており,その仕事の多様さはまさに「博物学の巨人」と言っていいほどのものです。
「やまねこブックレット」シリーズ第7集では,そんなファーブルの仕事のうち,「電気」と「蒸気」という人間の生活に関わりの深い分野について書かれたものを取り上げています。
子ども向けに優しい語り口で書かれていますが,その新鮮な視点には大人でも驚かされることでしょう。
目次
第1章 電気の話
静電気の実験
雷
雷の実験
避雷針とフランクリン
電信と電話
第2章 蒸気の話
蒸気の力
蒸気機関
蒸気機関の発明者 ドニ・パパン
蒸気機関車
スティーブンソン親子の発明
『昆虫記』だけではないファーブルの広大な世界 中 一夫
前書きなど
日本で『昆虫記』の作者として知られるファーブル(ジャン・アンリ・カシミール・ファーブル、1823~1915)は、博物学者として有名ですが、彼自身は18歳で小学校の教師になってから46歳まで、およそ30年近くも学校の教師をしていました。やがて、教師時代から始めた科学読み物や教科書の執筆で生計を立てるようになりましたが、いわゆる『昆虫記』(原題 Souvenirs entomologiques 全10巻)をまとめ始めたのはすでに50代後半になってからでした。
彼は教師であり、科学読み物作家でもありましたが、現代では、〈『昆虫記』の作者〉としてのみ有名で、彼の教師としての生活や、科学読み物作家としての経歴などは、一般にはほとんど知られていない、と言っても過言ではないでしょう。
けれども当時は、彼の書いた科学読み物や教科書はベストセラーになるなど、たいへん人気のある作家でした。と同時に、たいへん熱心な教師でした。彼は科学読み物を、自分が教える子どもたちに科学のすばらしさを伝えようと情熱をかけて書いていきました。そしてその内容は、実際に彼自身の子どもたちに語った内容をもとに、「いかに読者が正しく理解・イメージできるか?」と、さまざまな工夫をこらしたものでした。
彼の科学読み物は、100年以上前に書かれたものですが、いま読み返してもその独創的な説明の仕方には驚かされます。そして、彼の本の大きな特徴は、一つのお話だけで完結するのではなく、それが次のお話につながり、さらに別な話題へと発展していくという広がり方にあります。
この本に収録した〈電気〉と〈蒸気機関〉についてのお話も、遊びから始まり、原理の探求、そして身近な生活への応用と広がっていきます。彼は、単なる科学的知識を伝えるだけでなく、それが私たちの生活に密接につながり、技術や産業の発展などにもかかわっていく様子を、次々に話題をつなげながら生き生きと描きだすのです。他の本などでは見ることのないようなファーブル独特の例え方や話の展開の仕方が、はっとするような発見をもたらしてくれます。
版元から一言
『昆虫記』だけではないファーブルの仕事の幅広さ,発想の豊かさを感じてください!
上記内容は本書刊行時のものです。