書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
理科オンチ教師が輝く科学の授業
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2017年8月
- 書店発売日
- 2017年8月10日
- 登録日
- 2017年7月24日
- 最終更新日
- 2017年8月3日
紹介
今から40年前,教育総合雑誌『ひと』に,ひとつの授業の記録が掲載されました。──理科の授業に四苦八苦する〈理科オンチ教師〉,しかし,そんな理科オンチ教師が行う授業にもかかわらず,子どもたちは目を輝かせ,クラスにはイキイキと討論が生まれ,家庭の保護者を巻き込んだ理科好きが生まれてしまう,なんとも不思議な記録です。
「これまでの教育に落伍した理科オンチの先生方が楽しくてはじめてわかったような事柄は,子どもたちの認識にうまく合った教え方をすることができるのではないかと思うのです。そういう立場で,私どもは科学教育を作り直そうと考えているわけです」とは板倉聖宣さん。授業の成功のカギは,優等生ではない理科オンチならではの,〈楽しくてはじめてわかった感動〉にあるのかもしれません。
本書には,板倉聖宣さんが「理科オンチのすばらしさ」について語った講演記録「理科オンチ教師のための科学入門教育」と,堀江晴美さんの若き日の授業記録「理科オンチ教師のたのしい授業」,そして現在《電池と回路》の名称で知られている授業書の前身《まめ電きゅうと回ろ》(1972年版)を収録しました。
目次
編者まえがき……………………………………犬塚清和 2
理科オンチ教師のための科学教育入門………板倉聖宣 6
はじめに 6/「認識の論理」を優先する 7/「知る喜び」とは 9/理科オンチと〈楽しくわかる喜び〉 10/知的好奇心をよびおこすキワドイ問題 12/「知るに値すること」を知る楽しさ 14/「楽しさ」が学びはじめる動機 17/真理は多数決で決まらない 19/教育の目標自身が差別的 21/ビリビリしたり,しなかったり──程度の問題 23/見れども見えず 25/おわりに──「わかる授業」より「楽しい授業」を 28
理科オンチ教師のたのしい授業
小学2年生と《豆電球と回路》………………………堀江晴美 30
はじめに 30/理科オンチはすばらしい 31/仮説実験授業は母親も変える 32/チビッ子先生の誕生 33/ソケットがないと豆電球はつかない? 34/電気が1周しなければ,電球はつかない 37/心の目をはたらかせれば,見えないところも見えるのさ 42/アタマをちょっと使えば,わかってしまうのだ 45/豆電球のガラスはあってもなくても同じなのか? 47/「先生に聞いたってダメなのだ」 50/エナメル線も銅線も同じなのか 52/電気よ,お前はどこにいく? 56/電池がカイロになっちゃった 58/電気は消えちゃうのかな 59/エンピツが電気を通すなんて,そんな…… 62/銀紙は電気を通さないか① 65/銀紙は電気を通さないか② 67/スイッチ,全員作れたのだぁ 69/授業記録をとることのすすめ──あとがに代えて 75
授業書《まめ電きゅうと回ろ》1972年版全文…………78
初出一覧 ……… 110
前書きなど
「子どもたちに学習意欲がない」「だから授業がうまくいかない」という声が教育現場では聞こえてきます。でも,教師がそれを言ってしまってはおしまいです。教育は人間的な行為です。相手も自分も人間です。先生方が〈自分の感動をもとにした授業〉をしてくださることを願っています。
上記内容は本書刊行時のものです。