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出版者情報
猫の怪
発行:白澤社
四六判
224ページ
定価
2,000円+税
- 書店発売日
- 2017年7月14日
- 登録日
- 2017年6月30日
- 最終更新日
- 2017年7月12日
紹介
猫は不思議な生き物だ。猫好きにはそれがたまらない。
江戸時代にも、猫をこよなく愛する人たちがいた。いきおい、さまざまな猫の怪異の物語が生まれる。奇っ怪な行動をとる猫にまつわる物語のなかから、江戸怪談における猫の怪の世界を、文学・芸能史・民俗学などの視点から選りすぐって紹介する。
江戸時代の化け猫話といえば、講談で有名な鍋島の化け猫騒動があるが、いくつもの物語が伝わるなかでその原型と考えられる『肥前佐賀二尾実記』と、飼い主の美女を救う猫の話「三浦遊女薄雲が伝」の原文を現代語訳とともに掲載。そのほか江戸の随筆『甲子夜話』や『耳袋』などに記された猫の奇談、猫にまつわる日本や韓国での民間伝承、芝居や映画を紹介する。
祟る猫・化ける猫・助ける猫・招く猫etcと、江戸怪談猫づくしの巻。
目次
第一部 佐賀鍋島の化け猫
第一章 『肥前佐賀二尾実記』──鍋島化け猫伝説の原型
第二章 御家騒動の怪猫
〈コラム1〉肥前白石・秀林寺の猫大明神──もう一つの佐賀怪猫伝説
第二部 江戸時代の怪猫談
第三章 馬場文耕「三浦遊女薄雲が伝」──猫の報恩物語
第四章 猫の報恩譚
〈コラム2〉猫檀家──東北の猫怪談
第五章 江戸の噂と怪猫──猫はなぜ喋るのか
〈コラム3〉江戸怪談の猫──猫と狸と
第三部 怪猫をめぐる民間伝承・芸能
第六章 猫は化けるが役に立つ──猫をめぐる民俗
〈コラム4〉韓国の猫の話──「忠」の犬と「悪」の猫
第七章 芸能史における「化け猫物」の系譜
〈コラム5〉恋する猫──猫になりたい
〈おわりに〉福を招く猫
上記内容は本書刊行時のものです。