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グレアム・グリーン ある映画的人生 佐藤 元状(著) - 慶應義塾大学出版会
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【利用不可】

グレアム・グリーン ある映画的人生 (グレアム・グリーン アルエイガテキジンセイ)

芸術
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四六判
368ページ
上製
定価 2,800円+税
ISBN
978-4-7664-2510-9   COPY
ISBN 13
9784766425109   COPY
ISBN 10h
4-7664-2510-3   COPY
ISBN 10
4766425103   COPY
出版者記号
7664   COPY
Cコード
C0074  
0:一般 0:単行本 74:演劇・映画
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年3月1日
書店発売日
登録日
2018年2月23日
最終更新日
2018年3月19日
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書評掲載情報

2018-06-03 毎日新聞  朝刊
評者: 若島正(京都大学名誉教授・米文学)
2018-04-14 日本経済新聞  朝刊
評者: 野崎歓(仏文学者)
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紹介

小説家と映画の終わらない「情事」――

文学史と映画史を交差させながら、シネフィルで映画批評家だった小説家の創造の軌跡をよみがえらせる。

『スタンブール特急』『ブライトン・ロック』『第三の男』『情事の終わり』――映画批評家としても活躍した小説家グレアム・グリーン(1904-1991)の映画的側面に光をあて、ヒッチコック、チャップリン、ルネ・クレール、フリッツ・ラングなど、同時代の映画作家とのかかわりからグリーンを〈遅れてきたモダニスト〉として捉えなおす。
文学と映画の橋渡しをする、野心的試み。

目次

 プロローグ

  第一部 トーキーの夜明け

第一章 ミドルブラウのアダプテーション空間
――『スタンブール特急』と『オリエント急行殺人事件』
 1 一九三〇年代初頭のミドルブラウ文化
 2 嫌々ながらのミドルブラウ作家
 3 アダプテーションとアプロプリエーション
 4 グリーンの動くホテル
 5 鉄道、映画、モダニティ
 6 ロシアより愛をこめて
 7 列車の停止

第二章 風刺としての資本主義批判
――『ここは戦場だ』と『自由を我等に』
 1 モダニズムの余白に
 2 日常生活と出来事の弁証法
 3 モダニズムにおける映画的技法
 4 ヒッチコックの影、あるいは視覚的な無意識について
 5 二つの初期トーキー映画
 6 コメディの巨匠たち
 7 機械の時代の風刺劇

  第二部 ジャンルの法則

第三章 メロドラマ的想像力とは何か
――『拳銃売ります』と『三十九夜』
 1 「エンターテインメント」とは何か
 2 イギリス時代のヒッチコック
 3 サスペンス、あるいはメロドラマの表層的位相
 4 メロドラマ的想像力
 5 スクリューボール・コメディの影
 6 二つのスクリューボール・コメディ
 7 平等性のコメディ
 8 ジャンルの法則、あるいは初夜について
 9 メロドラマの深層

第四章 聖と俗の弁証法
――『ブライトン・ロック』と『望郷』
 1 カトリック小説とは何か
 2 宗教と道徳の弁証法
 3 世俗の逆襲
 4 生と死の哲学
 5 サスペンスとしての恩寵
 6 三つの映画
 7 フランスの詩的なリアリズム

  第三部 映画の彼方へ

第五章 プロパガンダへの抵抗
――『恐怖省』と『マン・ハント』
 1 グリーンの「神経戦」
 2 ラングとグリーン、あるいは二つの『恐怖省』
 3 反ナチス映画
 4 「敵」の表象
 5 だまし絵のヴィジョン

第六章 男たちの絆
――『第三の男』と『ヴァージニアン』
 1 偽装するモダニズム
 2 二つの『第三の男』
 3 ダブルの増殖
 4 ホモソーシャルとは何か
 5 フロイトのパラノイア理論
 6 西部劇への偏愛
 7 西部劇としての『第三の男』
 8 ジャンルの法則、あるいは救済の原理について
 9 暴力の原風景

エピローグ

あとがき
グレアム・グリーン年譜
初出一覧
参考文献
索引
 

著者プロフィール

佐藤 元状  (サトウ モトノリ)  (

1975年生まれ。慶應義塾大学法学部教授。東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程単位取得退学。2012年に東京大学より博士号(学術)を取得。専門は英文学(モダニズム文学および現代の英語圏文学、世界文学)と映画研究(イギリス映画、スロー・シネマを中心とした現代映画)。主要業績に『ブリティッシュ・ニュー・ウェイヴの映像学──イギリス映画と社会的リアリズムの系譜学』(ミネルヴァ書房、2012年)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。