書店員向け情報 HELP
中国「強国復権」の条件
「一帯一路」の大望とリスク
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年4月1日
- 書店発売日
- 2018年4月14日
- 登録日
- 2018年4月2日
- 最終更新日
- 2018年10月16日
紹介
公益財団法人 樫山奨学財団 第13回樫山純三賞〈一般書〉を受賞しました。
「改革・開放」40年――“目覚めた獅子”はどこへ向かうのか
アヘン戦争以来“中華”の座を追われた中国は、150年余りを経ていま再び世界の中心へと返り咲こうとしている。新しいシルクロード・ネットワークの構築や国際金融機関の中核を担うなど、覇権回復への旺盛な意欲を世界に向けて発信している。
しかし、その足元は十分に安定的なのか? 国内に残る諸問題をいかに整理し、名実ともに王座奪還を果たすには、何が必要か?
気鋭の中国人エコノミストが自国の状況を余すところなく解き明かす!
▼勢いの衰えを見せるアメリカをよそに、着々と覇権奪還を準備する中国の進み行く方向と、その足元の不安定度をつぶさに捉える!
▼政策の背景に潜む「中国的思考」を読み解き、毛沢東思想への回帰と独裁的権力集中の危うさを考える。
一帯一路構想を掲げアジアインフラ投資銀行(AIIB)を設立するなど、国際的なプレゼンスを高める中国。しかし、その進め行く政策には多分に矛盾を孕んだものも見受けられる。ITネットワークによって経済の近代化を進めれば進めるほど、同時にインターネットによる拡散で「民主化」「自由思考」が浸透し、一党独裁の基盤が揺らぐ。外国の自由な空気に触れた「海亀組」は中国に帰国せず、自由主義国にとどまって働くことを選び、結果として優秀な人材を流出させることになるなど、今後中国が直面する難題をどう修正するか――本書には、日本人が気づきにくい多くの視点から中国をどう見て行くべきか、そのヒントが数多く鏤められている。
目次
第1章 中国的ヘゲモニーと一帯一路
第2章 中華民族の復興と富国強兵の夢
第3章 鄧小平の目指したもの――なぜ彼は毛沢東を否定しないのか
第4章 文革世代の統治と毛沢東思想への回帰
第5章 「改革」と「開放」の矛盾
第6章 国有企業――社会主義計画経済の亡霊
第7章 一帯一路構想と習近平政権の国際戦略
第8章 IT革命と中国社会の変革
第9章 制度論からみた「改革・開放」政策の行方
第10章 中国が「強国」になる条件
あとがき――強国になろうとする中国と日本の対中戦略
上記内容は本書刊行時のものです。