版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
バルトーク 音楽のプリミティヴィズム 太田 峰夫(著) - 慶應義塾大学出版会
.
【利用不可】

バルトーク 音楽のプリミティヴィズム (バルトーク オンガクノプリミティヴィズム)

芸術
このエントリーをはてなブックマークに追加
A5判
280ページ
上製
定価 4,500円+税
ISBN
978-4-7664-2472-0   COPY
ISBN 13
9784766424720   COPY
ISBN 10h
4-7664-2472-7   COPY
ISBN 10
4766424727   COPY
出版者記号
7664   COPY
Cコード
C3073  
3:専門 0:単行本 73:音楽・舞踊
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年9月1日
書店発売日
登録日
2017年8月4日
最終更新日
2017年9月14日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

農民音楽からモダニズムへ

▼西洋音楽に多大な影響を与えた作曲家バルトーク・ベーラ(1881―1945)は、ハンガリーでは、自国の民謡を採集・研究した「文化英雄」とされている。
▼本書では、バルトークの創作における、モダニスト作曲家としての一面と、文化ナショナリズムの一面とが、どのような関わりをもっていたのかを分析し、バルトークの作品様式にも同じ二面性があらわれていることを論証する。
そして彼が、民俗音楽の「プリミティヴィズム」を取り込むことで、自らの芸術性を拡大していったさまを、豊富な譜例をもとに明らかにしていく。

目次

序 論 
 
  Ⅰ

第一章 民俗音楽の「精神」を求めて――バルトークの文化ナショナリズムとモダニズム
 一 バルトークと民俗音楽の「精神」
 二 ハンガリーの文化ナショナリズムと「民俗藝術」の流行
 三 チャートの音楽批評と「民謡の精神」 
 四 アディによるハンガリーの文化アイデンティティの捉え返し
 五 新しい「ハンガリーの音楽」のナショナリズム

第二章 音楽のナショナリズムからプリミティヴィズムへ――バルトークと一九一〇年前後のフランス音楽 
 一 バルトークにおける「プリミティヴ」なるものの位置づけ 
 二 ハンガリーの文化ナショナリズム運動と「原初的なもの」 
 三 プリミティヴな民俗音楽への関心の高まり 
 四 一九一〇年代初頭のパリにおけるバルトークの音楽の受容
 五 比較項としてのストラヴィンスキーの役割 

  II

第三章 イデオロギーとしての「農民音楽」――バルトークの民謡研究と近代的な藝術観 
 一 一九一〇年代のハンガリーの藝術批評における「農民(paraszt)」の位置づけ
 二 バルトークの民謡研究の方法論 
 三 民謡研究と近代的な藝術観とのかかわり 
 四 バルトークの民謡研究の問題点 
 五 「変形」説の同時代における受容 

第四章 音楽史の中の「農民音楽」――ストラテジーの複合性 
 一 バルトークの「国民楽派」批判 
 二 理想像としてのバッハとウィーン古典派 
 三 バルトークと一九世紀ドイツ音楽との間の距離 
 四 ナショナリズムとインターナショナリズムのはざまで 

第五章 クライマックスのストラテジー――バルトークの器楽曲をめぐって
 一 同時代の批評家たちからみたバルトークの音楽様式
 二 バルトークの音楽の様式的特徴と「ハンガリー的な頂点」のストラ
    テジー 
 三 「ハンガリー的な頂点」の音楽史的背景 
 四 クライマックスのストラテジーと音楽のプリミティヴィズム 

   III

第六章 民謡研究者バルトークの用語法――音楽構造の解釈の歴史性 
 一 バルトークにおける「ペリオーデ」の概念とその起源 
 二 「ペリオーデ」概念に対するバルトークの態度の変化 
 三 用語法の変化と比較音楽学の影響 
 四 用語法の変化と創作活動との関係 

第七章 プリミティヴィズムの新たな展開――ストラヴィンスキーの新古典主義と一九二六年のバルトーク 
 一 ストラヴィンスキーの新古典主義に対する当初の反応 
 二 トートとモルナールのストラヴィンスキー批判 
 三 ストラヴィンスキー批判としての《ピアノ協奏曲第一番》 
 四 ストラヴィンスキーの新古典主義に対する評価の変遷 
 五 「感傷性のなさ」にむかって 

結 語 

 あとがき 
 註 
 参考文献一覧 
 索引

著者プロフィール

太田 峰夫  (オオタ ミネオ)  (

1969年生まれ。1996年に東京大学大学院人文科学研究科修士課程を修了後、ハンガリー政府奨学生としてブダペストに留学。2009年に東京大学大学院人文社会研究科博士課程を修了。博士(文学)。2013年より宮城学院女子大学音楽科准教授。

上記内容は本書刊行時のものです。