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入門 科学哲学 西脇 与作(著) - 慶應義塾大学出版会
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【利用不可】

入門 科学哲学 (ニュウモン カガクテツガク) 論文とディスカッション (ロンブントディスカッション)

哲学・宗教
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A5判
336ページ
並製
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-7664-2102-6   COPY
ISBN 13
9784766421026   COPY
ISBN 10h
4-7664-2102-7   COPY
ISBN 10
4766421027   COPY
出版者記号
7664   COPY
Cコード
C3010  
3:専門 0:単行本 10:哲学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2013年11月1日
書店発売日
登録日
2013年10月16日
最終更新日
2013年11月25日
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紹介

「哲学再発見」
哲学の古典や日常の経験を超えて真理を探しに行こう

「哲学」を学ぶ学生が、「哲学」と「科学哲学」を別物と考え、「科学哲学」を敬遠するのは哲学にとって実に不幸なことである。
ギリシャ以来の哲学史をすなおに振り返ってみよう。幾何学が大好きだったプラトン、数学を言葉として使って運動を分析したガリレオ。デカルトは解析幾何学を生み出し、幾何学の代数化を目論んだ。ニュートンの『プリンキピア』の邦題は『自然哲学の数学的原理』である。
古来、哲学は、数学や物理学と結びつき、それらを研究し使用する学問だった。現代の哲学はこれを忘れてしまったのだろうか。
17世紀に科学革命が起こり、実証的な科学が哲学から独立した。
そして21世紀に入り科学の役割はますます増大するばかりである。哲学と訣別したかにみえた科学に対して、科学だけでは解けない原理的な問題(例えば量子力学、生命や遺伝など)が意識され、それを解決するという使命が、科学哲学に与えられた。
再生される哲学がとるべき選択の一つが科学哲学なのである。

本書の特徴―論文とディスカッション
論文:
①文系の学生でも理系の主題について「哲学する」ことを、論文の読解を通して学ぶことができる。
②本書に掲載されている論文は、いずれも、科学哲学において今日、議論されることの多いテーマを扱っている。読者は科学哲学の代表的な問題のいくつかに触れることができる。
ディスカッション:
③各論文のおわりには、論文についての質問、著者による解答、論文をめぐる議論を「ディスカッション」として掲載してある。科学哲学のディスカッションを通して、読者は論文への理解を深め、哲学する姿勢を実践的に知ることができる。

目次

序 章
科学哲学を学ぶために   西脇与作
 1. 哲学が問題にしてきた事柄を科学の観点から見返すと…… :
   あるいは、20世紀以前の哲学を科学哲学的に見直すと
 2. 20世紀初頭の科学的な哲学の動向はどうだったのか…… :
   現在から振り返ってみれば
 3. 現在の科学哲学にはどのような分野があり、その現状は…… :
   科学哲学の現在
 4. 各論文の内容について:それぞれの主張と特徴は何か
 5 .各論文を読みこなし、科学哲学の将来を見据えよう
 6. 参考文献について:科学哲学を学ぶために必要なのは


 第一部 経験と知識の哲学


第一章 色や音は世界のなかにあるのか   源河 亨
 1. はじめに
 2. 客観主義
 3. 主観主義
 4. 主観主義の問題
 5. 知覚の表象説
 6. 物理主義の検討
 7. おわりに

 ◇ ディスカッション1
 知覚対象の存在論   
 源河 亨×田中泉吏×西脇与作

第二章 経験的知識とはどのようなものか   
―合理的非合理性から見た科学的知識と知覚的知識―   古賀聖人
 1. はじめに
 2. 経験的知識の源:科学と知覚
 3. 認識論の経済学化
 4. 経験的知識のプラグマティズム
 5. 結び

 ◇ ディスカッション2   
 知識というもののあり方をめぐって
 古賀聖人×石田知子×西脇与作

 
 第二部 生物学の哲学


第三章 有機体とは何か
―生物学における存在論―   田中泉吏
 1. 有機体をめぐる問い
 2. さまざまな有機体概念
 3. 微生物と有機体概念
 4. 生物学と存在論
 5. 有機体の進化
 6. 生物学における存在論
 
 ◇ ディスカッション3   
 生物学の存在論を問い直す
 田中泉吏×源河 亨×西脇与作

第四章 遺伝情報を考える   石田知子
 1. 導入
 2. 分子遺伝学基礎知識
 3. 遺伝情報概念の分析
 4. 遺伝情報概念の役割
 5. 結論

 ◇ ディスカッション4   
 遺伝情報をめぐる諸問題
 石田知子×古賀聖人×西脇与作

第五章 進化論は生物の変化をどのように説明するのか   森元良太
 1. はじめに
 2. 進化論の因果的解釈
 3. 進化論の統計的解釈
 4. 進化論に因果概念は必要なのか
 5. おわりに

 ◇ ディスカッション5   
 力の理論と進化論
 森元良太×杉尾 一×西脇与作

 
 第三部 物理学の哲学


第六章 物理学の認識論的転回を目指して   杉尾 一
 1. はじめに
 2. 古典論
 3. 量子論
 4. 新たな量子測定
 5. まとめ
 
 ◇ ディスカッション6   
 存在論から認識論へ
 杉尾一×森元良太×西脇与作

 索引

著者プロフィール

西脇 与作  (ニシワキ ヨサク)  (

慶應義塾大学名誉教授。
専門:科学哲学
『現代哲学入門』(単著)慶應義塾大学出版会、2002年。『科学の哲学』(単著)慶應義塾大学出版会、2004年。「モデルが訴えるもの」、三田哲学会編『自省する知』、慶應義塾大学出版会、2011年。

源河 亨  (ゲンガ トオル)  (著/文

慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程在籍、慶應義塾大学大学院文学研究科非常勤助教(有期・研究奨励)。
専門:知覚の哲学、心の哲学
『進化の弟子-ヒトが人間になるまで』(共訳)勁草書房、2013年。「知覚はどれだけのものを捉えられるか」、『哲学』130集、慶應義塾大学三田哲学会、2013年。「音の不在の知覚」、『科学基礎論研究』、科学基礎論学会(印刷中)。

古賀 聖人  (コガ マサト)  (著/文

慶應義塾大学文学部非常勤講師。
専門:心の哲学、知識の哲学
「色の自然主義的理解」、『哲学』第113集、慶應義塾大学三田哲学会、2005年。「“少数の法則”を補足する説明の妥当性の検討-生成過程の違いによる説明と結果予測の成否による説明」、『人間と社会の探求-慶應義塾大学大学院社会学研究科紀要』66号、2008年(共著論文)。「合理的非合理性と経験的知識」科学基礎論学会、2013年(学会発表)。

田中 泉吏  (タナカ センジ)  (著/文

慶應義塾大学訪問研究員、慶應義塾大学文学部非常勤講師、立教大学兼任講師。
博士(哲学)。
専門:科学哲学
『ダーウィンと進化論の哲学』(共著)勁草書房、2011年。「微生物と本質主義-種カテゴリーに関する恒常的性質クラスター説の批判的検討-」、『科学基礎論研究』40巻1号、2012年。『進化の弟子-ヒトが人間になるまで』(共訳)勁草書房、2013年。

石田 知子  (イシダ トモコ)  (著/文

慶應義塾大学通信教育部非常勤講師。
専門:科学哲学
「研究公正局」、「純粋科学と応用科学」、『科学・技術・倫理百科事典』(共訳)丸善出版、2012年。「基礎的物理学は生物学を消去するか-分子生物学的説明についての考察から」、『哲学』131集、慶應義塾大学三田哲学会、2013年。“Genetic Information as a Conceptual Metaphor” International Society for the History, Philosophy, and Social Studies of Biology, 2013(学会発表)。

森元 良太  (モリモト リョウタ)  (著/文

慶應義塾大学文学部非常勤講師ほか。
専門:科学哲学、生物学の哲学、確率論の哲学
『進化論の射程』(共訳)春秋社、2009年。『進化論はなぜ哲学の問題になるのか』(共著)勁草書房、2010年。『ダーウィンと進化論の哲学』(共著)勁草書房、2011年。

杉尾 一  (スギオ ハジメ)  (著/文

慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程在籍、日本学術振興会特別研究員。
専門:科学哲学、物理学の哲学
「アメリカ科学者連盟」、『科学・技術・倫理百科事典』(共訳)丸善出版、2012年。「量子力学をどのように解釈してきたか-思想史的観点にもとづく研究」、『比較文化研究』2012年。「認識の体系としての物理学」、『物理学基礎論研究会会誌2013』2013年。

追記

【編著者】
西脇 与作(にしわき よさく)〔序章執筆〕
慶應義塾大学名誉教授。

【著者】
源河 亨(げんが とおる)〔第1章執筆〕
慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程在籍、慶應義塾大学大学院文学研究科非常勤助教(有期・研究奨励)。

古賀 聖人(こが まさと)〔第2章執筆〕
慶應義塾大学文学部非常勤講師。

田中 泉吏(たなか せんじ)〔第3章執筆〕
慶應義塾大学訪問研究員、慶應義塾大学文学部非常勤講師、立教大学兼任講師。
博士(哲学)。

石田 知子(いしだ ともこ)〔第4章執筆〕
慶應義塾大学通信教育部非常勤講師。

森元 良太(もりもと りょうた)〔第5章執筆〕
慶應義塾大学文学部非常勤講師ほか。

杉尾 一(すぎお はじめ)〔第6章執筆〕
慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程在籍、日本学術振興会特別研究員。

上記内容は本書刊行時のものです。