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古典で読み解く現代の認知心理学
原書: COGNITIVE PSYCHOLOGY: Revisiting The Classic Studies
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2017年9月
- 書店発売日
- 2017年9月12日
- 登録日
- 2017年6月7日
- 最終更新日
- 2017年9月8日
紹介
注意・知覚・記憶といった認知心理学の基礎から,思考や言語などの高次の認知機能まで,バランスよく14の古典的研究を精選。その意義と限界を,第一線の研究者たちがスリリングに解説する。まさに初学者にとっては,あたかも偉大な巨人の肩に乗って,「現代の認知心理学」をいきいきと学ぶことできる,絶好のテキスト。
◆主なもくじ
まえがき
1章 認知心理学における古典的研究の紹介
2章 注意 Ⅰ―Cherry(1953)によるカクテルパーティ問題を超えて
3章 知覚―Gibson(1950)による直接知覚を超えて
4章 知覚の計算論的アプローチ―Marr(1982)による視覚の計算論的アプローチを超えて
5章 知覚と行為―Goodale & Milner(1992)による2つの視覚経路を超えて
6章 注意 Ⅱ―Stroop(1935)による色名単語干渉現象を超えて
7章 健忘症―Scoville & Milner(1957)によるH. M.に関する研究を超えて
8章 ワーキングメモリ―Baddeley & Hitch(1974)によるワーキングメモリを超えて
9章 記憶システム―Tulving(1972)によるエピソード記憶と意味記憶の区分を超えて
10章 符号化と検索―Tulving & Thomson(1973)による符号化特殊性原理を超えて
11章 人間の問題解決―Newell, Shaw, & Simon(1958)による人間の問題解決の理論を超えて
12章 ヒューリスティックとバイアス―Tversky & Kahneman(1974)による不確実状況下の判断を超えて
13章 リスク下の意思決定―Kahneman & Tversky(1979)によるプロスペクト理論を超えて
14章 言語―Chomsky(1957)による統語構造論を超えて
15章 言語の神経心理学―Marshall & Newcombe(1973)による錯読パターンを超えて
◆訳者一覧(執筆順)
箱田裕司(京都女子大学):まえがき,1章
二瀬由理(東北工業大学):2章
行場次朗(東北大学大学院):3章
乾 敏郎(追手門学院大学):4章
柴田 寛(東北文化学園大学):5章
嶋田博行(神戸大学大学院):6章
岩原昭彦(京都女子大学):7章
齊藤 智(京都大学大学院):8章
太田信夫(東京福祉大学大学院):9章
豊田弘司(奈良教育大学): 10章
山 祐嗣(大阪市立大学大学院):11章
佐伯大輔(大阪市立大学大学院):12 章
中村國則(成城大学):13章
小泉政利(東北大学大学院):14章
広瀬雄彦(京都女子大学):15章
目次
まえがき
1章 認知心理学における古典的研究の紹介
1.認知心理学の古典的論文
2.14の古典的研究
3.古典的研究:一般的レッスン
(1)若々しい創造性
(2)独創性:一番手と二番手
4.主要なアプローチ
(1)反証性,一般性,緻密さ
5.結論
2章 注意 Ⅰ―Cherry(1953)によるカクテルパーティ問題を超えて
1.古典的研究の背景
2.古典的研究の詳細な記述
3.古典的研究の影響
4.古典的研究への批判
5.結論
◎さらに学ぶために
3章 知覚―Gibson(1950)による直接知覚を超えて
1.古典的研究の背景
2.古典的研究の詳細な記述
(1)Gibsonの「古典的」貢献:テクスチャの勾配と光学的流動
3.それでは何から始めるのがよいのか
(1)テクスチャの勾配
(2)光学的流動
4.古典的研究の影響
5.古典的研究への批判
6.結論
◎さらに学ぶために
4章 知覚の計算論的アプローチ―Marr(1982)による視覚の計算論的アプローチを超えて
1.古典的研究の背景
2.古典的研究の詳細な記述
(1)Marrの主張
(2)Marrの枠組み
(3)Marrの処理理論
3.古典的研究の影響と批評
(1)枠組み
(2)処理の理論
4.結論
◎さらに学ぶために
5章 知覚と行為―Goodale & Milner(1992)による2つの視覚経路を超えて
1.古典的研究の背景とその内容
(1)知覚と行為:神経心理学の事例
(2)背側ストリームと腹側ストリームのさらなる特徴
(3)健常な実験参加者から得られる複数方向からの証拠
2.古典的研究の影響
3.古典的研究への批判
(1)要注意点1:D. F.について
(2)要注意点2:視覚性運動失調について
(3)要注意点3:錯覚と行為
(4)要注意点4:背側ストリームにおける知覚と腹側ストリームにおける行為
4.結論
◎さらに学ぶために
6章 注意 Ⅱ―Stroop(1935)による色名単語干渉現象を超えて
1.古典的研究の背景
2.古典的研究の詳細な記述
3.古典的研究の影響と批評
4.新しい説明
5.古典的研究がどのように思考を進展させるか
6.結論
◎さらに学ぶために
7章 健忘症―Scoville & Milner(1957)によるH. M.に関する研究を超えて
1.古典的研究の背景
2.古典的研究の詳細な記述
3.古典的研究の影響
4.古典的研究への批判
(1)発見に対する別の解釈
(2)海馬領域を損傷しても知覚能力や認知能力は低下しない
(3)健忘症になっても短期記憶とワーキングメモリは低下しない
(4)海馬の損傷によって引き起こされる健忘症は記憶の領域を超えて「全般的」である
(5)海馬は記憶を支える中心的な脳の構造である
(6)海馬領野を損傷しても遠隔記憶は低下しない
5.海馬領域はどのように記憶を支えているのか?
6.結論
◎さらに学ぶために
8章 ワーキングメモリ―Baddeley & Hitch(1974)によるワーキングメモリを超えて
1.古典的研究の背景
2.古典的研究の詳細な記述
3.古典的研究の影響
4.古典的研究への批判
5.結論
6.補稿:Alan Baddeleyからのコメント
◎さらに学ぶために
9章 記憶システム―Tulving(1972)によるエピソード記憶と意味記憶の区分を超えて
1.古典的研究の背景
2.古典的研究の詳細な記述
3.古典的研究の影響
4.古典的研究への批判
5.結論
◎さらに学ぶために
10章 符号化と検索―Tulving & Thomson(1973)による符号化特殊性原理を超えて
1.古典的研究の背景
2.古典的研究の詳細な記述
(1)リスト外手がかりの有効性
(2)再生可能語の再認失敗
(3)符号化特殊性原理
3.古典的研究の影響
4.古典的研究への批判
5.結論
6.捕稿:Endel Tulvingからのコメント
◎さらに学ぶために
11章 人間の問題解決―Newell, Shaw, & Simon(1958)による人間の問題解決の理論を超えて
1.古典的研究の背景
2.古典的研究の詳細な記述
(1)理論
(2)ロジック・セオリスト
(3)実験
(4)問題解決過程の特徴
(5)他の理論との比較
3.古典的研究の影響
4.古典的研究への批判
5.代替的解釈
6.結論
◎さらに学ぶために
12章 ヒューリスティックとバイアス―Tversky & Kahneman(1974)による不確実状況下の判断を超えて
1.古典的研究の背景
(1)歴史的視座からみたヒューリスティックとバイアス
2.古典的研究の詳細な記述
(1)最も有名なヒューリスティックの概要
3.古典的研究の影響
(1)認知的心理学,社会心理学,応用心理学におけるヒューリスティックとバイアス
4.古典的研究への批判
(1)ポストKahneman-Tversky期のヒューリスティック
(2)二重過程接近法
5.結論
(1) ヒューリスティックとバイアスに関する40年の研究の評価
6.最終結論
◎さらに学ぶために
13章 リスク下の意思決定―Kahneman & Tversky(1979)によるプロスペクト理論を超えて
1.古典的研究の背景
(1)リスク下の意思決定を定義する
2.古典的研究の詳細な記述
(1)プロスペクト理論とは何か?
3.古典的研究の影響
4.古典的研究への批判
5.結論
(1)プロスペクト理論はどのように思考を発展させ,思考はその結果どう進んだか
◎さらに学ぶために
14章 言語―Chomsky(1957)による統語構造論を超えて
1.古典的研究の背景
(1)誰が心理言語学をダメにしたのか?―Chomskyに責任を負わせよう
2.古典的研究の詳細な記述
3.古典的研究の影響
(1)言語能力と言語運用の区別
4.古典的研究への批判
(1)経験主義から合理主義への変遷
5.結論
◎さらに学ぶために
15章 言語の神経心理学―Marshall & Newcombe(1973)による錯読パターンを超えて
1.古典研究への背景
2.古典的研究の詳細
(1)獲得性失読の3つのサブタイプ
(2)健常者の読みのモデルを用いた獲得性失読のサブタイプの解釈
3.古典的研究の影響と批評
(1)他の獲得性失読のサブタイプの発見―そして獲得性書字障害のサブタイプの発見
(2)これらの方法の発達性失読や書字障害の研究への応用
(3)視覚的単語処理を超えて他の認知の基礎的領域へ:認知神経心理学
(4)認知の高次領域への拡張:認知神経精神医学
(5)将来:統合失調症と自閉症?
◎さらに学ぶために
文 献
人名索引
事項索引
監訳者あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。