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深い学びをつくる
子どもと学校が変わるちょっとした工夫
原書: Learning in Depth: A Simple Innovation That Can Transform Schooling
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2016年9月
- 書店発売日
- 2016年10月6日
- 登録日
- 2016年8月25日
- 最終更新日
- 2017年2月28日
紹介
◆松岡正剛 氏(編集工学研究所所長)推薦!
広いだけじゃだめだ。
深くさせなさい。
この1冊で日本の教育が変わる。
生徒がポートフォリオの作成を通し,特定の学習テーマを「継続的」に追求する。「知識の源には人間の想像力や感情がある」という理念のもと,「広さ」に偏重してきた従来の学校教育を批判,知識の「深さ」を志向する学習プログラムによる「補完」を提案する。「習得・活用・探究」の学習プロセスをアクティブなものにするために。
目次
日本語版出版によせて
謝辞
はじめに
第1章 問題点
知識の広さと深さについて
広さはすべての人にとって重要,深さは限られた人の贅沢品
なぜ深さなのか
1.専門的知識の修得と,知識の働きについての学習
2.学ぶ喜び
3.想像力を刺激する
4.課題学習とその焦点
5.深く学ぶことと自己の感覚
6.深く学ぶことと謙虚さ
7.話し言葉文化と書き言葉文化における知識
すべての人に知識の深さを
第2章 提案
第3章 反対意見と応答
反対意見1:生徒はすぐにテーマに飽きてしまうだろう。
▼応答
反対意見2:テーマを無作為に与えるのは馬鹿げているし,
このような企画にとっては,生徒による選択が重要である。
▼応答
反対意見3:生徒は中途落伍するか反抗するでしょう。
▼応答
反対意見4:組織的に企画するには,運営が複雑過ぎる。
▼応答
反対意見5:この提案に関する十分な基礎研究がない。
▼応答
反対意見6:この提案は,低学年の学習者について
われわれが持っているほとんどの知識に抵触している。
▼応答
反対意見7:この提案は約束を果たせない。
▼応答
反対意見8:教師の賛同なしにはこのプログラムは進まないし,
それが得られることはない。
▼応答
反対意見9:インターネットがこのプログラムを損なう。
▼応答
反対意見10:「深さ」の理解が間違っているのではないか。
▼応答
反対意見11:学校の現実をふまえていない。
▼応答
まとめ
第4章 テーマの性質
「ホコリ」「リンゴ」「車輪」「軟体動物」
「鉄道」「葉っぱ」「船」「サーカス」「香料」
基準の追加
「土星の環」「動物」「履物」「歯」「楽器」
「古代ペルシアの陶器」
その他の可能なテーマ
「宗教的建築物」「水」「調理」
「道具」「時間の測定」「樹木」「地図」
「さまざまな民族やさまざまな場所」
9つの補足的基準
まとめ
第5章 実施にあたっての原則と例
低学年〔幼稚園から小学3,4年生頃〕用の学習道具
中学年〔小学3,4年生~中学3年生頃〕用の学習道具
高学年〔中学3年生頃~高校生〕用の学習道具
まとめ
第6章 ポートフォリオの作成
初めのセレモニー
ポートフォリオの形式
ポートフォリオの指導
発表とその目的
生徒の差
第7章 次に何をすればよいか?
親
教師
校長や副校長
学区の教育行政当局者
大学の教師
教育界の皇帝や皇后
おわりに
付録 A 「深く学ぶ」の理論的基盤
付録 B 「深く学ぶ」の概略
参考文献
人名索引
事項索引
訳者解説
前書きなど
……これまでの生徒は, ある特定のテーマについてこれほどに広範で集中的な詳細を探求するよう求められたこともないし, その機会を与えられたこともなかった。
本書は, カリキュラムにこの新しい要素をつけ加えることを日本の学校へ提案するものとして読んでいただくこともできる。何かについて深く学ぶことが, 一人一人の教育にとって重要な次元をつけ加えるものだという信念, また, 学校の他の目標をより良く達成するのを助けるものだという信念に, このプログラムは基づいている。またすべてのことは驚きに満ちてすばらしいもので, どんな学習テーマであろうとそれについて知れば知るほどさらに興味が増すという原則に基づいている。現行の学校教育の形式では深く学ぶということがあまりにも少ないので, この当然の原則はあまり自明なこととされていない。現行の学校教育で生徒はたいてい多くの事柄を学ぶが, すべて表面的にしか学ばない。表面的な学習の結果, 生徒の精神と想像力が啓発されない。
……生徒の教育に寄与する「深く学ぶ」を導入している世界の潮流の中に, 多くの日本の学校が加えられる日が近いことを, 私は心から望んでいる。
(キエラン・イーガン「日本語版出版によせて」より一部引用)
上記内容は本書刊行時のものです。