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ふだん使いのナラティヴ・セラピー D.デンボロウ(著) - 北大路書房
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ふだん使いのナラティヴ・セラピー 人生のストーリーを語り直し、希望を呼び戻す
RETELLING THE STORIES OF OUR LIVES: Everyday Narrative Therapy to Draw Inspiration and Transform Experience

発行:北大路書房
四六判
344ページ
並製
価格 3,200円+税
ISBN
978-4-7628-2939-0
Cコード
C1011
教養 単行本 心理(学)
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月
2015年5月
書店発売日
登録日
2016年4月15日
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書評掲載情報

2017-01-01 こころの科学    2017年1月号/通巻191号
評者: 安達映子氏(立正大学社会福祉学部教授)

紹介

私たちが敬意を持ち共に生きることのできる人生のストーリーラインを作るためにはどうすればよいのか。トラウマ,虐待,個人的な失敗,悲嘆,老いといった困難に対峙するためのユニークな質問や道具,アイデアを提供。「問題の外在化」や「リ・メンバリング」など,人生のストーリーを書き換える方法を実践的に解説する。

◆マイケル・ホワイトが遺した本書原案
本書は,人々の人生に新しいストーリーを押し付けたり,アドバイスを与えるものではない。読者が自分自身の人生を新しい目で眺めたり,それまではしばしばないがしろにされていた出来事の新しい重要性を発見したり,しばしばその価値を見出されなかった輝ける行為を見つけたり,そしてそれまではたいていほったらかしにされてきた風景における問題や窮状に対して解決を見つけるよう誘うものであってほしいのだ。…いかにして前進するかを知るためのオプションが,読者に提供されればと思う。
(マイケル・ホワイトの草稿:「はじめに」より)

◆主な目次
はじめに
PART 1
第1章 人生はストーリーでできている 
第2章 私たちは問題ではない
第3章 私たちのストーリーにとって正しい聴衆を見つける
第4章 チームワーク――私たちにとって大切な人を思い出す
第5章 旅としての人生――アイデンティティの移動
PART 2
第6章 正常さを疑うことと,失敗から逃げること
第7章 トラウマから人生を取り戻し,貴重なことを讃える
第8章 大切な人を亡くしたときに再会すること
第9章 遺産と記憶――人生の最終章を迎えたとき
第10章 私たちのストーリーはもっと大きな構図のどこにフィットするのか?
エピローグ 振り返り,先を見る

目次

 はじめに
 謝辞
 
PART1

第1章 人生はストーリーでできている
 物語る権利
 自分のストーリーを語れる安心な場所
 アイデンティティのストーリーラインを書き換える
 振り返り,先を見る
 
第2章 私たちは問題ではない
 問題を外在化する
 責任についての覚書
 あなたもやってみよう
 ジョアンナの悲しみと恐れ
 問題と私たちの関係を変える
 問題は根深いかもしれない
 私たち自身の文書を作成する
 共同の会話
 問題に私たちが及ぼす影響
 研究
 困難なときを乗り切る特別なスキル
 あなたの特別なスキル
 振り返り,先を見る
 
第3章 私たちのストーリーにとって正しい聴衆を見つける
 想像上の聴衆
 他者にとっての「認証的聴衆」になる
 聴衆としての書かれた言葉
 再格付けの儀式
 独自の儀式を創造する
 振り返り,先を見る
 
第4章 チームワーク――私たちにとって大切な人を思い出す
 協会ないしクラブとしての人生
 スポーツのメタファー
 チーム・シートを作ろう
 その他のメタファー
 良き判断に触れる
 振り返り,先を見る
 
第5章 旅としての人生――アイデンティティの移動
 あなたのアイデンティティ移動地図
 反動を予測する
 反動に備えて計画する
 人生の旅をマッピングする
 ルイーズの旅
 あなたの人生の旅を作成しよう
 航海者の言葉
 振り返り,先を見る


PART2

第6章 正常さを疑うことと,失敗から逃げること
 もっと大きな構図
 特別な人生
 正常さから退く
 正常さの期待と連帯行為を交換すること
 チェックリスト
 私たちの文化を研究する
 振り返り,先を見る
 
第7章 トラウマから人生を取り戻し,貴重なことを讃える
 子どもたちの対応に気づく
 大人が振り返る
 半分の記憶を完全な記憶にする――正義の問題
 あなた自身の人生
 大人の自己虐待から逃走する
 はぐくみチームを作る
 他の形式のトラウマ体験
 広い文化を変える
 
第8章 大切な人を亡くしたときに再会すること
 再会することについて
 私たちはひとりではない
 ストーリーと知識を交換する
 メッセージを送ることと思い出の形を共有すること
 悲嘆がひりひりする時
 現在とプロジェクト
 二つの重要な考察
 他者の期待
 移行
 振り返り,先を見る
 
第9章 遺産と記憶――人生の最終章を迎えたとき
 死と死にゆくこと――他人の人生において生き続けること
 第二遺言の作成
 共有される記憶
 大切な人への手紙
 振り返り,前を見る
 
第10章 私たちのストーリーはもっと大きな構図のどこにフィットするのか?
 建国の父を見つけようとすること
 米国における家族ストーリーライン
 祖先を連れてくる
 未来の世代


 エピローグ 振り返り,先を見る

 訳者あとがき

前書きなど

読者の皆さんへ

 私たちの人生航路は、石に刻まれたものではなく、ストーリーによって作られる。だから、人生はそのストーリーをいかに理解し、いかに共有するかにかかっている。もしも荒廃だけを強調するストーリーを語るなら、私たちは弱い者になるだろう。それとは違って、私たちは、自分たちをより強くするようにストーリーを語ることができるし、喪失をなぐさめるようにも悲しみを癒すようにもできる。
 以下に続く頁において、私はあなたと世界中のストーリーを共有する。個人もグループも、そしてコミュニティのものもあるが、そこでは人生のストーリーが書き換えられている。私はあなたの人生のストーリーについても問う。主人公、プロット、鍵となる光景、そしてサウンドトラックさえも。
 あなたが本書を手にした理由にも私は興味がある。あなたはつらい時期を過ごしているのかもしれないし,人生にこれまでとは違う何かを求めていたり、もしかするとあなたには心から助けたいという友人なり家族がいるのかもしれない。私はあなたの人生のストーリーを知らない。それでも、適切な質問としかるべき聴衆がいれば、私たちの人生のストーリーが変わるということは知っている。
 私たちの人生が勝利というよりは悲劇に近いとき、あまりに多いのは、他の誰かが私たちの人生に影響するストーリーを書いていたり、性差別とか暴力、人種差別ないし貧困という広範な権力作用が私たちのアイデンティティの著者になっていることだ。
 …あなたが手にしている本は、人生のストーリーを書き換えたり語り直したりしている個人、友人、家族、そしてコミュニティを援助するために書かれた。
 あなたはたぶんこれをひとりで読んでいる。あなたにこの本、それにペンさえあれば、本書の随所に散りばめられた質問や練習問題に取り組むことができる。一冊の本というものの美しさは、完璧なプライバシーと、読者とテキストの間の親密さにある。あなたは、この本を誰かに見せながら、一度もしたことのない話をしたくなるかもしれない。そうすれば,・・・それがこの本を書いた理由の一つだ。
 あるいは、あなたは友人と一緒にこの本を読みながら、一緒に練習問題に取り組み、全篇に散りばめられた質問をお互いにし合えたらと願うかもしれない。それは、手紙でもオンラインでもスカイプでもeメールでもフェイスブックでも、あるいは郵便でもできる。
 あなたがどれを選ぼうとも、この本があなたに、あなたの人生や友達や家族の人生についての新しい語り方を提供することを願っている。
(本書「はじめに」より抜粋)

著者プロフィール

D.デンボロウ  (デンボロウ ディー)  (

D.デンボロウ(David Denborough)
 コミュニティワーカー、教師、そしてアデレイドにあるダルウィッチセンターのライター/エディターとして働いている。彼は特に、心理学的植民地化の機会を制限し、人生チーム・ナラティヴ・アプローチや(Ncazelo Ncubeと共同した)人生の木のような異文化発明の可能性を創造する異文化的パートナーシップに関心を抱いている。このような集団的ナラティヴ・メソドロジーは、トラウマ体験について直接話すことなくその影響に人々が対処するのを援助することを求めている。
 デイヴィッドは、集団的ナラティヴ実践がいかにして社会運動を活性化そして、あるいは支持するかということにも大変興味を持っている。最近、教育/コミュニティ課題が実践されたのは、ブラジル、パレスチナ、シンガポール、オーストリア、香港、カルジスタン(イラク)、インド、カナダ、スリランカ、アルゼンチン、チリ、南アフリカ共和国、そしてオーストラリアのいくつかのアボリジニー・コミュニティなどである。デイヴィッドは、メルボルン大学と共同でナラティヴ・セラピーとコミュニティワークの修士課程をコーディネイトしてもいる。
 現在の時事問題に対応した彼の楽曲は、オーストラリアとカナダでオンエア中である。彼の著作は以下の通り。

• Retelling the stories of our lives: Everyday narrative therapy to draw inspiration and transform experience(本書)
• Collective narrative practice: Responding to individuals, groups, and communities who have experienced trauma
• Working with memory in the shadow of genocide: The narrative practices of Ibuka trauma counsellors
• Beyond the prison: Gathering dreams of freedom
• Queer counselling and narrative practice
• Family therapy: Exploring the field's past, present and possible futures
• Trauma: Narrative responses to traumatic experience
• Introducing Narrative Therapy(『ナラティヴ・セラピーの実践』金剛出版 2000年)

小森 康永  (コモリ ヤスナガ)  (

小森 康永(こもり・やすなが)
1960年 岐阜県生まれ
1985年 岐阜大学医学部卒業
現 在 愛知県がんセンター中央病院 緩和ケアセンター長
主著・訳書
  『ナラティヴ実践再訪』金剛出版 2008年
  『バイオサイコソーシャルアプローチ』(共著)金剛出版 2014年
  『ナラティブ・メディスン入門』遠見書房 2015年
  『はじめよう! がんの家族教室』(編)日本評論社 2015年
  M.ホワイトとD.エプストン『物語としての家族』金剛出版 1992年

奥野 光  (オクノ ヒカル)  (

奥野 光(おくの・ひかる)
1974年 愛媛県生まれ
1997年 国際基督教大学教養学部卒業
2002年 名古屋大学大学院教育発達科学研究科単位取得
現 在 二松学舎大学学生相談室カウンセラー(臨床心理士)
主著・訳書
  『セラピストの物語/物語のセラピスト』(共著)日本評論社 2003年
  『ナラティヴ・プラクティス』現代のエスプリNo.433 (共著)至文堂 2003年
  S.J.ウォーリンとS.ウォーリン『サバイバーと心の回復力』(共訳)金剛出版 2002年
  M.ホワイト『ナラティヴ実践地図』(共訳)金剛出版 2009年
  M.ホワイト『ナラティヴ・プラクティス』(共訳)金剛出版 2012年

上記内容は本書刊行時のものです。