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からだの病気のこころのケア 鈴木 伸一(編著) - 北大路書房
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からだの病気のこころのケア チーム医療に活かす心理職の専門性

発行:北大路書房
A5判
336ページ
並製
価格 3,000円+税
ISBN
978-4-7628-2931-4
Cコード
C3011
専門 単行本 心理(学)
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月
2016年3月
書店発売日
登録日
2016年2月23日
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紹介

患者の「こころ」の問題が,どのような病気やどのような治療によってもたらされるのか。また,チーム医療の一員として,身体医療との連携のなかで行われるメンタルケアとはどのようなものか。その実践について,がん,心臓疾患,糖尿病,腎疾患,脳損傷,慢性疼痛など,できるだけテーマを細分化し,網羅的に紹介する。

◆本書の概要(「はじめに」より)
 本書は今後の日本の医療における「こころのケア」の道しるべになることを期待して内容を吟味して編集を行った。具体的には,まず,患者の「こころ」の問題が,どのような病気やどのような治療によってもたらされるのかを,各領域で活躍する医師にご執筆いただき,「からだ」から「こころ」という視点を導入の柱とした。次に,「こころのケア」と一口に言っても,身体疾患患者へのケアは,精神医療で行われる心理療法やカウンセリング(一般的にイメージされる個別の心理相談など)などとは大きく異なるものである。したがって,チーム医療の一員として,あるいは身体医療との連携として行われる「こころのケア」とはどのようなものかという視点を第二の柱とした。そして,第三の柱として,上記の2つの柱を踏まえた実践としての「こころのケア」について,できるだけテーマを細分化して,かつ網羅的に紹介できるように構成した。いずれの章の著者も,各領域でのオピニオンリーダーと言って間違いない方たちであり,本書が今現在の日本における「からだの病気」の「こころのケア」のまさに最前線である。
 本書が,医療機関における「こころのケア」の実践の手がかりとして活用されるとともに,医師や看護師,コメディカルスタッフの参考書となること,さらには,身体疾患患者のメンタルケアの専門家を目指す公認心理師の必須教科書として活用されることを期待したい。

◆執筆者一覧
鈴木 伸一 早稲田大学人間科学学術院 01,24●
小川 朝生 国立がん研究センター東病院精神腫瘍科 02
木村 穣 関西医科大学健康科学センター 03,20
小澤 美和 聖路加国際病院小児総合医療センター 04,11
西村 勝治 東京女子医科大学神経精神科 05
筒井 順子 東京女子医科大学病院神経精神科 06
上田 淳子 国立がん研究センター東病院 07
佐伯 俊成 市立三次中央病院緩和ケア内科 08
堂谷 知香子 国立がん研究センター中央病院 09
古賀 晴美 千葉県がんセンター精神腫瘍科 10
久野 美智子 聖路加国際病院こども医療支援室 11-02のみ
五十嵐 友里 埼玉医科大学総合医療センターメンタルクリニック 12
石田 真弓 埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科 13
大西 秀樹 埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科 13
尾形 明子 広島大学大学院 教育学研究科 14
藤原 彩 広島大学病院小児科 15
武井 優子 宮崎大学医学部付属病院小児科 16
小林 清香 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 17
長谷川 恵美子 聖学院大学人間福祉学部 18
巣黒 慎太郎 住友病院臨床心理科 19
中村 菜々子 兵庫教育大学発達心理臨床研究センター 21
澤田 梢 広島県立障害者リハビリテーションセンター 22
金 外淑 兵庫県立大学看護学部心理学系 23

目次

第一部  患者の生活を取り巻く「からだ」と「こころ」の悩みを理解する
 
第1章 「からだの病気」の患者たちへの「こころのケア」が求められている

   1節 日本の医療の現状
   2節 身体疾患患者の精神的問題
   3節 「からだの病気」を抱えた患者の苦悩
   4節 「からだの病気」の「こころのケア」の構成要素
   5節 チーム医療における「こころのケア」の展開
   6節 本書の構成

第2章 がん患者の「からだ」と「こころ」

   1節 はじめに
   2節 がんとは何か
   3節 がんの治療と経過
   4節 がん医療における課題
   5節 がん罹患に伴う体験
   6節 がん患者の心理・行動学的問題を考える上で注意したいこと
   7節 包括的に問題を捉える
   8節 がん医療における専門分化と断片化
   9節 クリニカルパスとケースマネジメント
   10節 がん医療における精神心理的支援とそのコンサルテーションのスキルとは

第3章 生活習慣病患者の「からだ」と「こころ」

   1節 はじめに
   2節 「からだ」としての生活習慣病の理解
   3節 「こころ」としての生活習慣病の理解
   4節 「こころ」からみた具体的な生活習慣病指導
   5節 まとめ

第4章 小児疾患の子どもの「からだ」と「こころ」

   1節 はじめに
   2節 疾患の特徴
   3節 生来の個性の噴出
   4節 身体疾患と集団適応
   5節 成人医療への移行期の課題
   6節 家族支援
   7節 トラウマという視点
   8節 おわりに

第5章 臓器移植患者の「からだ」と「こころ」―生体臓器ドナーを中心に―

   1節 はじめに
   2節 生体臓器移植の特徴と現状
   3節 生体ドナー候補者の臓器提供の意思決定と心理社会的問題
   4節 移植後に生じる生体ドナーの心理社会的問題
   5節 「第三者」としての心理的支援のあり方


第二部  チーム医療に必要な「こころのケア」の実践スキル
 
第6章 医療スタッフへのコンサルテーション

   1節 コンサルテーションという行為
   2節 精神科リエゾンチームとしてコンサルテーションを行うということ
   3節 リエゾン・カンファレンス
   4節 まとめ

第7章 利用可能な社会的リソースの有効活用

   1節 「からだの病気」が患者・家族の生活に及ぼす影響
   2節 患者・家族の生活を支える社会的リソース
   3節 社会的リソースの有効的な利活用の実際

第8章 患者を取り巻く「家族」という視点からの支援

  1節 はじめに
  2節 正常な家族から機能的な家族へ
  3節 家族システムモデルとその評価尺度
  4節 家族同席面接の活用
  5節 おわりに


第三部  「からだの病気」を抱える患者への「こころのケア」の最前線
 
第9章 外来がん患者のケア

  1節 外来がん治療の現状と問題点
  2節 心理支援の実践例
  3節 今後の課題:がんサバイバーシップを支える

第10章 入院がん患者のケア

  1節 事例の流れと,関わりの心得
  2節 症例紹介

第11章 子育て世代のがん患者への支援

  1節 総論
  2節 症例紹介

第12章 終末期患者のケア―緩和ケアチームの日々の関わりから―

  1節 はじめに
  2節 終末期のがん患者に生じる精神的苦痛
  3節 実存的苦痛に対応する
  4節 患者と家族,医療者の人間関係の理解と調整
  5節 まとめ

第13章  がん患者遺族へのケア

  1節 はじめに
  2節 がん患者遺族に生じる問題(身体・精神・社会)
  3節 遺族の評価
  4節 遺族への介入
  5節 援助を求める遺族の背景
  6節 介入の実際(症例紹介)
  7節 遺族ケアの展望

第14章 小児がん患者へのケア

  1節 小児がんとは
  2節 小児がん患者の「こころ」とケア
  3節 小児がん患者へのケアの実践

第15章 入院中の乳幼児への母子サポート

  1節 発達支援
  2節 母親支援
  3節 きょうだい支援

第16章 小児疾患の子どもたちへの退院・学校復帰支援

  1節 病気とともに生きていく子どもたち
  2節 慢性疾患を抱える子どもたちが退院後の生活において直面する問題
  3節 慢性疾患を抱える子どもに対する退院後の支援の実際
  4節 慢性疾患を抱える子どもを支える環境づくりの実際
  5節 今後の課題

第17章 心臓疾患患者のケア

  1節 心臓疾患とメンタルヘルス
  2節 心臓疾患患者のメンタルヘルスを支援するシステムの可能性
  3節 当院での心臓疾患領域における取り組み
  4節 まとめ

第18章 心血管疾患患者の社会復帰と心臓リハビリテーション

  1節 心臓リハビリテーションとは
  2節 心血管疾患患者の「こころ」の状態と変化
  3節 おわりに

第19章 糖尿病患者へのケア

  1節 糖尿病患者の心理的課題
  2節 糖尿病チーム医療における心理的介入
  3節 個人対象の心理療法
  4節 集団療法
  5節 治療チームにおける連携

第20章 重篤な肥満患者へのケア

  1節 高度肥満患者の心理特性
  2節 認知行動療法の応用
  3節 肥満チーム医療での役割分担と認知行動療法
  4節 今後の問題点

第21章 腎疾患・透析患者へのケア

  1節 はじめに
  2節 患者・医療者それぞれの心理ケア・ニーズ
  3節 実践例
  4節 まとめ

第22章 脳損傷患者(高次脳機能障害患者)へのケア
―広島県立障害者リハビリテーションセンター―

  1節 はじめに
  2節 脳損傷の原因とその後遺症について
  3節 高次脳機能障害者に対する認知リハビリテーション
  4節 まとめ

第23章 慢性疼痛患者へのケア

  1節 はじめに
  2節 まず,線維筋痛症の病態と痛みが起こる特徴を理解する
  3節 痛み関連行動が強まる要因を探る
  4節 家族参加型認知行動療法的アプローチによる心理教育的働きかけの強化
  5節 最後に

第24章 「こころのケア」のこれから

  1節 日常的な医療サービスとしての「こころのケア」
  2節 どこに行っても「こころのケア」が身近なものになる
  3節 公認心理師の活用と専門心理師制度の創設に向けて
  4節 結語

引用文献
索 引  

著者プロフィール

鈴木 伸一  (スズキ シンイチ)  (編著

鈴木 伸一(スズキ シンイチ)
東京に生まれる
2000年 早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了
2000年 岡山県立大学保健福祉学部 専任講師
2003年 広島大学大学院心理臨床教育研究センター 准教授
現 在 早稲田大学人間科学学術院 教授 博士(人間科学)

専門領域:臨床心理学(認知行動療法),医療心理学,行動医学
 これまで,東京女子医科大学,綾瀬駅前診療所心療内科,広島大学病院,赤坂クリニックなどにおいて,チーム医療におけるメンタルケアを実践。最近は,がんや心疾患をはじめとする重症身体疾患患者のメンタルケアシステムの構築や,医療現場で働くリエゾン心理師の養成などに積極的に取り組んでいる。

〈主著・論文〉
『レベルアップしたい実践家のための事例で学ぶ認知行動療法テクニックガイド』(共著) 北大路書房 2013
『うつ病の行動活性化療法』(共監訳)日本評論社 2011年
『医療心理学の新展開』(編著)北大路書房 2008年
『実践家のための認知行動療法テクニックガイド』(編著)北大路書房 2005年
『慢性うつ病の精神療法』(共監訳)医学書院 2005年
『学校,職場,地域におけるストレスマネジメント実践マニュアル』(共編著)北大路書房 2003年

上記内容は本書刊行時のものです。