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中学校における「特別の教科 道徳」の実践
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2016年4月
- 書店発売日
- 2016年4月20日
- 登録日
- 2016年2月3日
- 最終更新日
- 2016年4月14日
紹介
教科化された道徳においては,発達段階に応じ,生徒自身が道徳的価値の理解と道徳性の育成を図れるような実践が望まれている。小学校からさらに進んだ理解を得るために,法や倫理教育,それを支える論理的思考,また他教科との連携や生徒自身のキャリア教育といった視点を含めた実践的展開と高校での道徳教育への接続を図る。
◆第3巻 執筆者一覧(●はシリーズ編者)
渡邉 満 岡山大学大学院教育学研究科 01,04●
杉中 康平 四天王寺大学教育学部 02
金田 妙子 兵庫県姫路市立安室中学校 03
佐々木 千佳 兵庫県尼崎市立園田中学校 04
鈴木 敬三 栃木県大田原市立黒羽中学校 05
福原 礼子 高梁市立成羽中学校 06
福田 史江 加東市立東条東小学校 07
田野 武彦 岐阜県揖斐郡大野町立揖東中学校 08
岡本 義裕 神戸市外国語大学 09
手塚 裕 尚美学園大学 10
中尾 豊喜 学校法人創志学園 環太平洋大学新学部設置準備室 11
木村 慶 和歌山県西牟婁郡白浜町立三舞中学校 12
島 康人 岡山県立笠岡工業高校 13
三村 美紀 岡山県立倉敷青陵高等学校 14
押谷 由夫 昭和女子大学現代教育研究所 ●
渡邊 隆信 神戸大学大学院人間発達環境学研究科 ●
小川 哲哉 茨城大学大学院教育学研究科 ●
◆シリーズ「特別の教科 道徳」を考える 刊行開始!
編者:渡邉 満,押谷由夫,渡邊隆信,小川哲哉
1 「特別の教科 道徳」が担うグローバル化時代の道徳教育
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784762829222
2 小学校における「特別の教科 道徳」の実践
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784762829277
3 中学校における「特別の教科 道徳」の実践
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784762829284
目次
第1章 これからの時代に求められる中学校の道徳教育
1.はじめに
2.現代社会と中学生の道徳的課題
3.道徳性の発達と社会生活
4.コールバーグの道徳授業論と諸批判によるパラダイム転換
5.ジャスト・コミュニティから「討議による道徳授業」へ
6.おわりに
第2章 中学校学習指導要領とこれからの道徳教育
1.はじめに―「教科化」の背景にあるもの―
2.「道徳の時間」の目標
3.「特別の教科 道徳(道徳科)」の目標
4.道徳教育の内容はどのように変わったか
5.「読む道徳」から「考え,議論する道徳」へ
第3章 中学校における発達段階を踏まえた道徳授業
1.はじめに
2.発達段階と「話し合い」
3.授業の実践について
4.話し合い(討議)活動を取り入れた道徳授業展開例
5.授業の振り返りからの考察
6.おわりに
第4章 中学校における「〈いのち〉の教育」
1.はじめに
2.「〈いのち〉の教育」に求められる視点
3.〈いのち〉をどのように考えるか
4.〈いのち〉の思考を深める話し合い活動
5.「〈いのち〉の大切さ」を考える道徳授業の実践例
第5章 いのちの大切さを学ぶ道徳授業
1.はじめに
2.話し合いの形態
3.話し合い活動を取り入れた授業のプロセス
4.「理解」の段階について
5.課題の設定について
6.評価について
7.授業の実践
8.おわりに
第6章 中学校における法教育と道徳授業
1.はじめに
2.法教育とは
3.法教育と連携した道徳教育の可能性
4.実践の結果と考察
5.おわりに
第7章 国語科と道徳科の連携による道徳教育
1.はじめに
2.国語科と道徳科の連携による授業構想
3.道徳授業の実際
4.国語科授業の実際
5.おわりに
第8章 討議による問題解決をすすめる中学校の道徳授業
1.はじめに
2.授業の具体的方略
3.実践
4.結果と考察
5.おわりに
第9章 中学校道徳教育における論理的思考・表現力育成プログラムの開発
1.はじめに
2.「論理的思考・表現力育成プログラム」の構想と展開
3.「論理的思考・表現力育成ワークショップ」の実施
4.論理的な探究への意識を高める道徳授業の展開
5.おわりに
第10章 開発的生徒指導を担う道徳教育
─実効性のある道徳教育の推進─
1.はじめに
2.開発的生徒指導を担う道徳教育の意義
3.開発的生徒指導を担う道徳教育の構想
4.開発的生徒指導を担う道徳教育の展開
5.おわりに
第11章 中学校のキャリア教育と道徳教育
1.はじめに
2.児童・生徒の発達段階を考慮した適切な指導の模索
3.教育実践例
4.道徳教育とキャリア教育の組み合わせ
5.おわりに
第12章 中学校における効果的な道徳教育研修
─学び合うコミュニティでよりよい学校創りを構想する研修枠組み─
1.はじめに
2.学校の規範構造への注目
3.イノベーションチームの組織化と年度間の見通し
4.道徳教育の重点目標への注目
5.革新・刷新を保持させる,問題・目標・行動計画(課題)設定の仕方
6.道徳教育研修の実際
7.効果的な研究を実現させる道徳教育への取組
8.おわりに
第13章 高等学校における倫理教育と道徳教育
1.はじめに
2.高等教育における道徳教育について
3.在り方生き方教育の中心となる公民科「倫理」
4.「倫理」学習方法論
5.おわりに
第14章 高等学校における国語教育と道徳教育
1.はじめに
2.学習指導要領にみる道徳教育と国語教育の関係
3.本校における道徳教育の取組
4.討議を取り入れた国語の授業
5.おわりに
前書きなど
今また,教育改革が行われ,道徳教育がその先頭に位置する。ここであり得るのは,改革を行うことに対する是か否かの選択ではない。考える必要があるのは,どのような改革の中身が必要かである。どのような道徳教育が求められるのか,どのような道徳の授業が必要なのかである。今すべきは,それを創造的に考えることではないか,というのが本書でのわれわれの思いである。
だから,本書を含むシリーズは,道徳教育の教科化に際して,時代の課題や子どもたちの課題に焦点をおいて,それらの課題に取り組むことができる道徳教育,特に道徳授業の一つの新しい形を提案しようと企画された。その内容はこの四半世紀満を持して用意してきたものである。そのために本書は3巻本という形を取っている。第1巻は新しい時代の道徳教育と道徳授業の新しい方向を探って,教員養成及び教師教育のテキストあるいは参考図書となることを期している。第2巻と第3巻は,第1巻の理論的な枠組みを踏まえて,各々小学校と中学校における「特別の教科 道徳」(道徳科)の目標と方法を確認しながら,今日的な課題に応える道徳授業の実践を抱負に盛り込んでいる。
その際,各巻のそれぞれの章では,新指導要領における内容項目の再編を念頭に置き,1時間1内容項目という従来の形にこだわらず,複数の内容項目にまたがる授業構成を積極的に採用し,2時間扱いの授業形態を取りながらじっくり話し合い,討論を行うことを大切にしている。また同時に,価値内容の学習にとどまらず,自己中心的な考え方,規範意識の低下,コミュニケーション能力の低さ,人間関係調整能力の弱さ,自尊感情の低さなどの,今日の子どもたちの諸課題に対応するために,児童生徒が主体的に考える学習に取り組み,実践的な力を獲得できるようにしている。そして,各授業はたんなる思いつきの寄せ集めにならないよう,学習や教育についての最新の議論や理論を導入して,現代社会を生きるために必要な力と生き方を育てる「問題解決的な学習」と「道徳授業にふさわしい評価」を組み込んだ授業となるよう努めている。(「シリーズ刊行の辞」より一部引用)
上記内容は本書刊行時のものです。