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小学校における「特別の教科 道徳」の実践
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2016年4月
- 書店発売日
- 2016年5月2日
- 登録日
- 2016年2月3日
- 最終更新日
- 2023年2月13日
紹介
教科化された道徳で何が求められるのか。それは自らの良心に基づく道徳性の育成であり,基盤となる道徳的価値の理解であろう。ではそれはどのように理解され,育成されるのだろうか。発達段階を踏まえ,小学校での豊かな言語活動を通じた実践を中心に,子どもたち主体の授業づくりをどう展開していくかについてまとめる。
◆第2巻 執筆者一覧(●はシリーズ編者)
押谷 由夫 昭和女子大学現代教育研究所 01●
後藤 哲也 福岡県広川町立下広川小学校 02
齊藤 照夫 松山市立潮見小学校 03
淀澤 勝治 兵庫教育大学 04
麻田 邦彦 岡山市立建部小学校 05
石川 庸子 埼玉県さいたま市立田島小学校 06
柴田 弘之 熊本市立託麻南小学校 07
矢地 敦子 岡山市立横井小学校 08
尾崎 正美 岡山大学教育学部附属小学校 09
大嶋 澄子 兵庫県小野市立河合小学校 10
藤枝 茂雄 岡山大学大学院教育学研究科 11
林 美代 太成学院大学 12
榎本 龍也 和歌山県教育センター学びの丘 13
渡邉 満 岡山大学大学院教育学研究科 ●
渡邊 隆信 神戸大学大学院人間発達環境学研究科 ●
小川 哲哉 茨城大学大学院教育学研究科 ●
◆シリーズ「特別の教科 道徳」を考える 刊行開始!
編者:渡邉 満,押谷由夫,渡邊隆信,小川哲哉
1 「特別の教科 道徳」が担うグローバル化時代の道徳教育
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784762829222
2 小学校における「特別の教科 道徳」の実践
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784762829277
3 中学校における「特別の教科 道徳」の実践
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784762829284
目次
シリーズ刊行の辞
はしがき
第1章 これからの時代に求められる小学校の道徳教育
1.はじめに
2.新しい道徳教育と「特別の教科 道徳」は何を求めているのか
3.これから求められる道徳授業の指導の方法
4.小学生の発達段階に応じた指導のポイント
第2章 小学校の道徳科の内容と方法
1.はじめに
2.「特別な教科 道徳」の方向性
3.道徳科における指導内容について
4.道徳科における指導方法の工夫について
5.新しい道徳科に向けての多様な展開
6.結びにかえて
第3章 豊かな言語活動を活かす道徳の授業づくり
1.はじめに―言語活動の充実がもたらすもの―
2.豊かな言語活動を活かした道徳授業とは
3.楽しい道徳授業を目指した指導の実際
4.おわりに―道徳授業で学級が変わる,学校が変わる―
第4章 道徳性の発達段階と道徳科の授業づくり
1.はじめに
2.ピアジェの道徳性発達理論
3.コールバーグの道徳性発達理論
4.ハーバーマスの道徳性発達理論に依拠した道徳授業づくり
5.討議(ディスクルス)を中心とした道徳学習の実践
●章末資料
第5章 子どもの学力を高める道徳授業づくり
1.はじめに―教師こそパラダイムの転換を―
2.現状の道徳の指導方法の課題と改善点
3.改善点を念頭に置いた授業実践例
4.おわりに
第6章 討議を通して考える力を育てる小学校の道徳授業
1.はじめに
2.「主体-対象関係」から「相互主体的関係」への転換
3.いじめ問題に正対する道徳科の授業
4.「教室という社会」の「規範構造」を組み替える
5.討議(ディスクルス)を中心とした道徳授業モデル
6.討議(ディスクルス)型アプローチによる授業実践
7.討議(ディスクルス)型アプローチの授業を振り返って
8.おわりに
第7章 葛藤のある教材を活かす道徳授業
1.はじめに
2.様々な葛藤と葛藤場面での論証の図式
3.相互行為としての道徳授業の捉え方
4.葛藤のある教材を活かした道徳授業のルールと選択する教材の要件
5.葛藤のある教材を活かす道徳授業の実践
6.おわりに
●章末資料
第8章 小学校におけるいじめ問題の克服をめざす道徳の授業づくり
1.はじめに
2.いじめ問題における子どもたちが克服すべき諸課題
3.個と集団をつなぐ道徳の授業
4.道徳の授業実践―個の成長と集団の成長―
5.授業を通して
●章末資料
第9章 日常の活動に根ざす道徳の授業づくり
1.はじめに
2.日常の活動に根ざす道徳の授業づくり
3.授業実践
4.おわりに
第10章 子どもたち主体の討議による道徳の授業づくり
1.はじめに
2.道徳教育の基本的な視点
3.道徳の授業における方向
4.討議(ディスクルス)について
5.討議(ディスクルス)による授業実践
6.授業結果と分析
7.おわりに
第11章 地域と子どもたちをつなぐ道徳授業
―校区連携型コミュニティ・スクールにおける道徳の授業づくり―
1.コミュニティ・スクールと道徳教育―学校教育における2つの新しい展開―
2.子どもと地域をつなぐ道徳授業の実践
3.おわりに
●章末資料
第12章 幼児期と学童期をつなぐ道徳教育
1.はじめに
2.幼児期の教育の特徴
3.「協同する経験」と「生活世界」
4.幼児期における保育者の支援
第13章 小学校における道徳教育研修
1.はじめに
2.コミュニケーション的行為を意識する現職教育
3.手順,手続きに焦点を当てた校内研修
人名索引
事項索引
資 料
あとがき
前書きなど
今また,教育改革が行われ,道徳教育がその先頭に位置する。ここであり得るのは,改革を行うことに対する是か否かの選択ではない。考える必要があるのは,どのような改革の中身が必要かである。どのような道徳教育が求められるのか,どのような道徳の授業が必要なのかである。今すべきは,それを創造的に考えることではないか,というのが本書でのわれわれの思いである。
だから,本書を含むシリーズは,道徳教育の教科化に際して,時代の課題や子どもたちの課題に焦点をおいて,それらの課題に取り組むことができる道徳教育,特に道徳授業の一つの新しい形を提案しようと企画された。その内容はこの四半世紀満を持して用意してきたものである。そのために本書は3巻本という形を取っている。第1巻は新しい時代の道徳教育と道徳授業の新しい方向を探って,教員養成及び教師教育のテキストあるいは参考図書となることを期している。第2巻と第3巻は,第1巻の理論的な枠組みを踏まえて,各々小学校と中学校における「特別の教科 道徳」(道徳科)の目標と方法を確認しながら,今日的な課題に応える道徳授業の実践を抱負に盛り込んでいる。
その際,各巻のそれぞれの章では,新指導要領における内容項目の再編を念頭に置き,1時間1内容項目という従来の形にこだわらず,複数の内容項目にまたがる授業構成を積極的に採用し,2時間扱いの授業形態を取りながらじっくり話し合い,討論を行うことを大切にしている。また同時に,価値内容の学習にとどまらず,自己中心的な考え方,規範意識の低下,コミュニケーション能力の低さ,人間関係調整能力の弱さ,自尊感情の低さなどの,今日の子どもたちの諸課題に対応するために,児童生徒が主体的に考える学習に取り組み,実践的な力を獲得できるようにしている。そして,各授業はたんなる思いつきの寄せ集めにならないよう,学習や教育についての最新の議論や理論を導入して,現代社会を生きるために必要な力と生き方を育てる「問題解決的な学習」と「道徳授業にふさわしい評価」を組み込んだ授業となるよう努めている。(「シリーズ刊行の辞」より一部引用)
上記内容は本書刊行時のものです。