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いつまで続く「女人禁制」
排除と差別の日本社会をたどる
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年3月10日
- 書店発売日
- 2020年3月6日
- 登録日
- 2020年1月31日
- 最終更新日
- 2020年3月2日
書評掲載情報
2020-11-25 |
解放新聞
第2972号(2020年11月25日) 評者: 石元 清英 氏(一般社団法人 ひょうご部落解放・人権研究所 所長) |
2020-05-25 |
I女のしんぶん
2020年5月10・25日 第1229号 評者: 垣渕 幸子 氏 |
2020-05-21 | 佛教タイムス 2020年5月21日号 |
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紹介
相撲の土俵上や信仰の場など、「伝統」「文化」「宗教」を理由とした女性排除の空間が日本社会に数多く存在する。第1部では、このような「女性排除」の構造を浮き彫りにすると同時に、第2部で、「部落差別」「ハンセン病者排除」「LGBT排除」など、「女性排除」の構造と相似した「マイノリティ排除」の実態を明らかにする。大相撲春巡業「宝塚場所」の際に、土俵上からの挨拶を拒否された中川智子宝塚市長のインタビューも掲載。
目次
第1部 「宗教」「伝統」のなかの女人禁制
土俵の女人禁制 畑 三千代
「命」か「伝統」か
あいさつは土俵上でしたい
各地から講義の声が沸き起こる
「ちびっこ相撲」からの女児排除
「わんぱく相撲全国大会」における女人禁制の現状
土俵って?
映画『菊とギロチン』を見た
賞は土俵上で手渡したい
キーワードは「伝統」「文化」「宗教」
【インタビュー】
なぜ土俵の上で挨拶できないのか 中川智子【談】
――宝塚市長のケース
高野山の「女人禁制」について 佐々木基文
はじめに
空海以前の全国の霊山
空海・弘法大師の時代
江戸時代―残された文書・書物から
高野山における「女人禁制」の解除の歴史
なぜ高野山にだけ「女人禁制」解除反対の大きな動きが起こったのか
「大峰山」の女人禁制について 森永雅世
「大峰山」とは
「大峰山」の組織
「女人禁制」の開放
女性の登坂者は何人もいた
「女人禁制」区域の縮小
花束さえ拒否した「女人禁制」
登頂体験
女性解放運動と「女人禁制」
「大峰山」関係者の姿勢
「『大峰山女人禁制』の開放を求める会」の結成
伝統、慣習よりも人権が優先する
「性同一障害」の人たちからの問題提起
「女人禁制」は負の遺産に
第2部 マイノリティから見た女人禁制
相似した「女人禁制」と部落問題 松村徳子
はじめに―次の各設問は正しいですか? 誤りですか?
「近世政治起源説」と「貧困定位論」
「部落史の見直し」
「ケガレ」と「キヨメ」
「ケガレ」思想の拡大
『延喜式』に見られる死体排除と女性排除
「ケガレ」と「女人禁制」
触穢思想と女性差別、部落差別
畏敬から賎視、そして排除へ
近世における部落差別
近世における女性
まとめにかえて
「精進落とし」をルーツとした日本人男性の買春意識と行動 池田恵理子
はじめに
「買春に対する男性の意識調査」からわかったこと
「買春ツアー」のルーツ「精進落とし」
相通じる日本軍慰安所と「精進落とし」
おわりに
ハンセン病禁制社会から考える 宮前千雅子
はじめに
前近代日本のなかのハンセン病問題
近代日本におけるハンセン病問題
「無らい県運動」
隔離施策を下支えした市民意識
戦後社会におけるハンセン病問題
おわりに―「女人禁制」について
セクシュアリティからみた「女人禁制」 土肥いつき
はじめに
セクシュアリティを考えるためのいくつかの要素
「非典型的」とされるセクシュアリティを持つ人々
セクシュアリティを考えるためのケーススタディ
性別二元制と異性愛規範
「女人禁制」は誰を排除するのか
遊郭はなぜもてはやされるのか 井上理津子
苦界か文化サロンか
「ポジティブに捉える」
遊女たちの境遇も「文化」か
花柳病と「商売哲学」
遊女の「守り神」の今
「バラ色」でなかったと捉え直しを
終章 「女人禁制」はなぜ許されるのか 源 淳子
そもそも「女人禁制」とは
現代も残る「女人禁制」
なぜ「女人禁制」となったのか
穢れ観の広がりと意味
「女人禁制」の解除
『皇室典範』の問題―近代
『皇室典範』の問題―現代
「女人禁制」はなぜ許されているのか
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。