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デートDV・ストーカー対策のネクストステージ
被害者支援/加害者対応のコツとポイント
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2015年2月
- 書店発売日
- 2015年2月10日
- 登録日
- 2015年1月30日
- 最終更新日
- 2015年2月5日
紹介
DV/デートDVの予防教育・被害者支援に携わってきた著者が、「一人が基本」というシングル単位の恋愛観を基本に、予防教育・被害者支援の考え方と具体的なノウハウを提示し、加害者プログラムの重要性と方向性を提起する。
目次
はじめに―デートDV・ストーカー対策のネクストステージ
第1章 蔓延する性暴力・DV
デートDVの定義と暴力概念/暴力への感度を高めよう/DVに「ひどい」「軽い」はあるのか/
メディアのなかの恋愛観とセクシュアリティ、DVについて/最近の男女間での暴力事件、デートDV事例/
子どもへの暴力・「面前DV」が増えている/「でっちあげDV」の取り上げ方
第2章 普通の恋愛が危ない!―カップル単位的恋愛観の問題性
デートDV理解のポイント―「なぜダメなのか」の伝え方/ルールを決める付き合いはなぜダメか/
ドゥルースの「力と支配の車輪の図」の見直し/加害者になるかどうかの分岐点/
親密な関係とは一心同体?/これだけ違う、お互いの言い分/
携帯・スマホによる過剰な“のめりこみ”の危険性
第3章 DVでない恋愛―シングル単位の恋愛論
カップル単位の恋愛観からシングル単位の恋愛観へ/
「尊重、共感、対等」という決まり文句ですませない/
恋愛という契約についての新しい考え―別れの教育/
「お互いが悪い」という考えについて
第4章 被害者へのかかわり方・相談の乗り方・リスク対策
被害者へのかかわり方の基本/「被害者の自己責任論」について/
恋人を手放さないための常套手段を知っておく/被害者への相談の乗り方/
DVとストーカーの区分・整理・法律改正が必要/
ひどいDVケースにおける別れ方・闘い方・逃げ方/
ストーカーに対する対応の仕方/リベンジポルノなどへの対応/
警察の使い方/被害者の自立支援について/早期のDV発見の重要性
第5章 加害者へのかかわり方と加害者プログラム
加害者へのかかわりについて/加害者プログラムの必要性をめぐる議論/
加害者プログラム①―さまざまなやり方の紹介/
加害者プログラム②―私の見解/ストーカーに対する教育的・治療的かかわり/
加害者プログラム③―私のスタンス/
感情の取り扱い―「感情にいい・悪いはない」といえるか?/
被害者と加害者、両方から話を聞くのは間違っているのか?/
加害者プログラムは、加害者とどうかかわるのか/加害生徒へのかかわり方
資料
DVに関するさまざまな情報・教材/DV・ストーカーに対する警察の対応の変化/
チェック表「警察に来られたあなたへ」/ストーカー規制法の概要/
事件化した有名なDV・ストーカー事例/日本における性暴力規制の流れの概観
版元から一言
シングル単位の恋愛観という著者の視点のユニークさと、これまでの活動をふまえた提起の具体性が特徴
著者は、DV/デートDVの予防教育・被害者支援活動に携わり、学校でのデートDV防止授業をはじめ、支援者や教員、保護者、行政職員などに対する研修を続けている。この著書は、このテーマにかかわるこれまでの2冊の著書をふまえ、現場から学んだことや講演などで深めてきた新しい追加情報と新しい提起を提示する。〈ネクストステージ〉というネーミングは、1回だけのデートDV防止教育はかなり広がってきたが、次の段階として、教育内容自体の充実・深化と、外部講師ではなく、その学校の教員による継続的な実施が必要だという問題意識による。そのため、被害者を支援するときや防止教育に使えるポイント、うまい伝え方、こつ、事例などを掲載している。
DV/デートDV防止における著者の基本的な観点は、「一人が基本」というシングル単位の恋愛観である。つまり、「一心同体がいい」などというカップル観はきわめて危険だということ。また、それを教えるのに、抽象的に「共感・尊重・対等」が大事というような決まり文句ですませず、「安全、自由、自信、成長」が阻害されていないか、具体的に見極めるようにさせることが必要と主張している。さらに、被害者への支援の具体的なノウハウ、これまで不十分であった加害者プログラムに関する具体的な提起などがなされている。
上記内容は本書刊行時のものです。