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生まれてきてよかった 玉木 幸則(著) - 解放出版社
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生まれてきてよかった (ウマレテキテヨカッタ) てんでバリバラ半生記 (テンデバリバラハンセイキ)

社会一般
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発行:解放出版社
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ10mm
重さ 175g
126ページ
並製
定価 1,200円+税
ISBN
978-4-7592-6120-2   COPY
ISBN 13
9784759261202   COPY
ISBN 10h
4-7592-6120-6   COPY
ISBN 10
4759261206   COPY
出版者記号
7592   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2012年11月
書店発売日
登録日
2012年9月13日
最終更新日
2018年9月19日
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重版情報

2刷 出来予定日: 2018-09-20
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紹介

脳性まひの著者が、生いたち、自立生活運動、NHK「バリバラ」のレギュラー出演など、半生で経験したさまざまな出来事や出会いを、思いつくまま明るくポジティブに綴る。障害者が地域で普通に暮らすことの大切さが伝わる。

目次

この本を読んでもらうにあたって
・「ちゃんと生まれる」ってどういうこと?
仮死状態に説明なし/「ちゃんと生まれる」とは/医療従事者への教育が不十分
四歳で施設へ入所/小学校入学時の誓約書/配慮のない先生の発言
ノートを書いてくれた先生/担任には恵まれた/いじめる子あり、守ってくれる子あり
児童会長、生徒会長を務める/柔軟だった先生たち/いじめられた中学時代
首からぶらさげた重い通学カバン/二度目の手術は激痛/普通高校へ行きたかった
自転車/養護学校高等部の生活/ワープロ事件/歓迎遠足事件/養護学校とは?

・やりたいことは自分が決める
車掌の暴言/さまざまな立場・年齢で学ぶ二部生/ひとり暮らしの下宿生活
自動車免許を取る/全国社会福祉ゼミナール実行委員長/サークル活動・祖父江日曜学校
アルバイト/学生生活を満喫/お酒と筋緊張/ノートテイクの配慮
先輩との偶然の出合い/TRYの活動/就職/初めての作業所勤め
メインストリーム協会への参加/障害者福祉と労働問題/ある宗教団体から脱会の苦労

・結婚したとたん、阪神・淡路大震災
交換日記/好きやのに告白できずもんもんと/ダメでもともと/遠距離恋愛、金かかる
恋愛のコツ/九死に一生を得た大震災/見えないダメージ/フラフラマンの子育て

・どっぷりハマった自立生活運動
メインストリーム協会での初仕事/復興のためのカンパ活動/再建
自立生活プログラムを再開/自立生活プログラムの中身/あきらめないことが一番大事
自立生活は親の負担を軽くする/大震災は人生のターニングポイント
生活のしづらさに基づく制度づくりを/障害等級と電動車いす

・思いがけなくテレビにレギュラー出演
NHK「きらっといきる」のMCを依頼される/バリアフリーバラエティー
ぼくがテレビでしたいこと/障害者を取りあげる番組
どうしてぼくはテレビに出るのか/過激に楽しみまっせー「バリバラ」

前書きなど

 ぼくは脳性まひです。生まれて三週間くらいまでに脳になんらかのダメージが加わって障害になるのが脳性まひです。脳が損傷した部位によっては、知的障害があったり、足だけ不自由だったり、言語障害があったりなど、いろいろです。
 ぼくの場合、手足や言語に不自由があります。特徴としては、フラフラ歩く。手もフラフラして、字などうまく書けない。言葉は、普通にしゃべっているつもりですが、初対面の人には、聞き取りにくい場合もあるようです。最近では、徐々に障害が重くなっていってるようですが、自分ではこんなものかなと思っています。
 ぼくは暑がりです。靴下は冬でもはきません。靴下をはくと、熱が身体にこもってしまって、筋緊張を起こしてしまいます。筋緊張とは、体が思うように動かなかったり余分な力が入ってしまったりして、ひどい場合は、極度の疲労感や頭痛に襲われることです。はだしのほうが熱が身体にこもらずに力が抜けていき楽になります。だから、家でも外でもはだしです。靴下をはくのは冠婚葬祭のときだけです。会場まではだしで行って、会場近くで靴下と靴を履いて式に参加し、終わったらすぐに脱ぎます。冬などは、初対面の人はぼくの足下を見て、必ずといっていいほど「寒くないですか?」と尋ねられます。寒かったら、靴下はきますよね。最近は、説明するのもめんどくさくなってきたなあ。
 こういう歩き方、しゃべり方、そしてスタイルすべてが自分にとっての普通ですから、階段を上がるのに時間がかかったとしても、別にがんばっているつもりはありません。
 ただ、周りの人が見たときに、「歩き方が普通とちゃうでー」とか「がんばってはるなー」とか勝手に思われることがありますが、ぼくの感じ方、考え方とは違います。
 ぼくは自分のしゃべり方とか歩き方が好きで、これも含めてぼくだと思っているから別に何とも感じていませんが、そうでない人もいます。たとえば周りの人からがんばって歩こうとかがんばって健常者に近づこうとか言われて大きくなってきた人は、自分を嫌いだったりするわけです。そういう人もいることを知っておいてほしいです。ぼくも幼いころは、そう思っていましたから……。
 街で障害のある人に出会ったときは、障害のある人が何かを手伝ってほしいかどうか、本人に声をかけてほしい。障害のある人も、本当に手伝ってほしいと思ったときは、自分からも声をかけてほしい。そうした双方向のコミュニケーションがあって理解が深まると思います。
 ただ、誤解のないように行っておきたいのですが、ぼくは障害者の代表でもなんでもありません。これまで生きてきたぼくに「脳性まひ」という障害があっただけのことです。
 その上で、今回は、四四年間の自分の人生を振り返る機会をいただいたので、ぼくの生きてきた一部を知ってもらえたらなぁと思っています。むちゃくちゃプライベートな話であり、ぼくの生きてきた感覚を書いていきますから、興味がない人には全然面白くないかもしれませんが、たまにビビッとくるかもしれませんよ。
 なかには、「これって、暴露本?」と思われる部分もあるかもしれませんが、ここに書いたところで、昔のことですからやり直しなんかきくはずもありません。ただ、これからは、いろんな人たちがぼくのような思いをしないために参考としてもらえたらええなと思っています。
 ところで、副題「てんでバリバラ半生記」ってなんのこっちゃー? と思われる方もおられるかもしれませんね。「人生いろいろあった。思いつくままてんでばらばらに、ツライこともオモロイことも書き込んだ」「NHKの番組名「バリバラ」にこじつけた」、どうとっていただこうが、読者みなさまの想像にお任せします。
 では、軽い感じで、最後までお付き合いいただければと思います。まあ、自分の都合の悪いことは書きませんがね。

著者プロフィール

玉木 幸則  (タマキ ユキノリ)  (

特定非営利活動法人メインストリ-ム協会(兵庫県西宮市の自立生活センター)理事。
1968年、兵庫県姫路市に仮死状態で生まれる。4歳で肢体不自由児療育施設に入所、障害者としての洗礼を浴びる。
小中学校は、地元の普通学級で学ぶが、高等学校は泣く泣く養護学校へ。1991年、日本福祉大学社会福祉学部第Ⅱ部卒業後、知的障害者通所授産施設に勤務するが1年で退職。
1992年、自立生活センター・メインストリーム協会事務局次長に就任以後、障害者の自立生活運動にのめりこむ。
2009年4月からNHK教育「きらっといきる」、2012年4月からはその改編番組「バリバラ-障害者情報バラエティー」にレギュラー出演。
ほかに、特定非営利活動法人PASネット理事、特定非営利活動法人日本相談支援専門員協会副代表、西宮市地域自立支援協議会会長、厚生労働省相談支援従事者指導者研修に関わる検討委員会委員、兵庫県障害者自立支援連絡協議会相談支援部会長等を務める。

上記内容は本書刊行時のものです。