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生き抜け、その日のために 高山 文彦(著) - 解放出版社
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生き抜け、その日のために (イキヌケ ソノヒノタメニ) 長崎の被差別部落とキリシタン (ナガサキノヒサベツブラクトキリシタン)

文芸
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発行:解放出版社
四六判
縦194mm 横137mm 厚さ25mm
重さ 454g
341ページ
上製
定価 2,200円+税
ISBN
978-4-7592-5037-4   COPY
ISBN 13
9784759250374   COPY
ISBN 10h
4-7592-5037-9   COPY
ISBN 10
4759250379   COPY
出版者記号
7592   COPY
Cコード
C0093  
0:一般 0:単行本 93:日本文学、小説・物語
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2016年4月
書店発売日
登録日
2016年3月28日
最終更新日
2017年9月15日
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書評掲載情報

2016-10-10 信徒の友  2016年11月号
評者: 「新刊案内」にて紹介
2016-06-10 週刊読書人
評者: 井上理津子=ノンフィクションライター
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紹介

 1945年8月9日、長崎に原爆が投下される。爆心地は、被差別部落であった。この地に生まれた磯本恒信は、母からの「出自を名乗るな」という戒めを破り、長崎における部落解放運動の発展に邁進していく。
 他方、スペインから日本に渡った結城了悟(ディエゴ・パチェコ)神父は日本二十六聖人記念館を開館、初代館長を務めると同時に、長崎に残る膨大な史料を発掘、整理。大きな功績を残し、被差別部落民とキリシタンのあいだで歴史的和解をめざした。
 のちに部落解放同盟長崎県連副委員長となる中尾貫は、初代委員長である磯本恒信を支え、同和教育運動に力を注いでいく。
 この三人が、1979年に起きた世界宗教者会議での差別発言事件をきっかけに出会い、被差別部落民とキリシタンとの歴史的和解へ向けて動き始める。
 平和を希求し差別と闘い続けた三人と、その想いに呼応する多くの人びととの熱く静かな、祈りにも似た壮大な物語

目次

第一部

第一章 原爆が投下された
第二章 水平社のまぼろし
第三章 生きていく青春
第四章 破戒
第五章 キリシタン弾圧と解放運動の出発

第二部

第六章 救世主あらわる
第七章 運命の浦上天主堂
第八章 真実を見よ
第三部
第九章 めぐり会った両者
第十章 幸いなる再会
終章 神父、最後の日々

あとがき

前書きなど

【あとがきより】
 長崎を舞台とするこの長大な物語には、三人の主人公がいる。
磯本恒信は長崎に部落解放運動をつくり、その死の間際近くまで指導者として生きた。ある事件をきっかけに、それまで胸に秘めていた、被差別部落出身という出自を公に宣言し、長崎にはないとされていた被差別部落の存在を公に認めさせ、差別撤廃の運動に前のめりになっていくのだ。
(中略)
 二十六聖人記念館の初代館長・結城了悟ことディエゴ・パチェコ神父は、日本に帰化したとはいえ、長崎からも日本からも自由な人であったから、キリシタン弾圧の加害者・被害者双方を越えた立場で、冷静に、正確に歴史の真実を見ることができた。被差別部落民(加害者)とキリシタン(被害者)のあいだで歴史的和解を実現しようとする試みは、最後の最後で実を結ばなかったのかもしれないが、処刑への関与を拒否したことによってみずからも処刑されたに違いない被差別民三人をカトリックの福者にしようとして動いたエピソードは、歴史の地層にすっかり埋もれていたのだ。その秘められた事績を書くことができただけでも私はうれしい。
 このふたりの主人公はすでにこの世にないが、もうひとりの主人公・中尾貫は、いまも長崎で生きている。部落解放同盟長崎県連副委員長として磯本恒信をささえ、磯本が体調を壊してからは委員長となって、結城了悟とともにキリシタン側との歴史的和解実現を模索した。
(中略)
 長崎の教会群を世界遺産にしようとの動きがある。私は弾圧の歴史でさえ美しく物語化して呑み込もうとする奔流のような流れにたいして、どうか弾圧の手先となった被差別民のなかにもそれを町ぐるみで拒否し、刑死していった人びとがいたということを忘れずに語り継いでほしいと願う。

著者プロフィール

高山 文彦  (タカヤマ フミヒコ)  (

1958年、宮崎県高千穂町生まれ。法政大学文学部中退。2000年、『火花―北条民雄の生涯』(飛鳥新社、2000年)で、第22回講談社ノンフィクション賞、第31回大宅壮一ノンフィクション賞を同時受賞。著書に『水平記―松本治一郎と部落解放運動の100年』(新潮社、2005年)、『父を葬(おく)る』(幻戯書房、2009年)、『どん底―部落差別自作自演事件』(小学館、2012年)、『宿命の子―笹川一族の神話』(小学館、2014年)、『ふたり―皇后美智子と石牟礼道子』(講談社、2015年)など。

追記

『週刊ポスト』2016.5.20号 「著者に訊け」掲載
高知新聞 2016年5月29日 書評掲載
沖縄タイムス 2016年6月6日 書評掲載
徳島新聞 2016年6月5日 書評掲載
神戸新聞 2016年6月5日 書評掲載
カトリック新聞 2016年6月5日 図書紹介掲載
神奈川新聞 2016年6月5日 書評掲載
茨城新聞 2016年6月5日 書評掲載
下野新聞 2016年6月5日 書評掲載
河北新報 2016年6月5日 書評掲載
山陽新聞 2016年6月5日 書評掲載
新潟日報 2016年6月5日 書評掲載
信濃毎日新聞 2016年6月5日 書評掲載
山陰中央新報 2016年6月5日 書評掲載
熊本日日新聞 2016年6月5日 書評掲載
南日本新聞 2016年6月5日 書評掲載
四国新聞 2016年6月5日 書評掲載
愛媛新聞 2016年6月5日 書評掲載
埼玉新聞 2016年6月5日 書評掲載
週刊読書人 「読物文化」 2016年6月10日号掲載
琉球新報 2016年6月12日 書評掲載
佐賀新聞 2016年6月12日 書評掲載
北海道新聞 2016年6月26日 書評掲載

上記内容は本書刊行時のものです。