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a:9:{s:12:"shoshi_title";s:37:"フォンテーヌブローの饗宴 ";s:11:"shoshi_isbn";s:17:"978-4-7566-1756-9";s:16:"shoshi_publisher";N;s:11:"description";s:3642:"本書は、散逸しながらも現存する視覚資料や断片的な記録をたぐり寄せ、フォンテーヌブロー宮殿で展開した美術活動を再構築しようとするものである。留意したのは単なる断片的な証拠の集積にとどまるのではなく、イメージの形態/形式、そこに託された意味、受容や流通のあり方を、フランソワ一世の理念や野望を視野に入れながら、彼の生きた時代や文化、社会の網の目の中で多様にとらえ、当時の美術自体がはらんでいるさまざまな問題をも明らかにしていくことであった。〈フランソワ一世のギャラリー〉の室内装飾は国王儀礼の象徴機能と結びつき、フランソワ一世を称揚し、その理念と理想を高らかに謳いあげていた。〈フランソワ一世のギャラリー〉を写しとった版画やタピスリーは、媒体それぞれの機能と受容のあり方が当時の社会を映しだし、とりわけ版画は試行錯誤する〈フランソワ一世のギャラリー〉の制作の過程の一端を垣間見せる。イタリア絵画の傑作がくりひろげる饗宴が訪れた人々を驚嘆させたにちがいない国王のコレクションもまた、フランス美術の動向を決定していく大きな推進力となった。しかも、信じがたいことにそれらの名作は「浴室の間」で享受されていたと考えられている。〈「浴室の間」ギャラリー〉は、思いもよらぬ当時の宮廷生活の実相を浮きぼりにしている。フランソワ一世の理念を映しだしながら、フォンテーヌブロー宮殿でイタリアのマニエリスムの画家たちに主導され展開された美術活動が、やがてフランス人画家たちへと重心を移し、フォンテーヌブロー派と呼ばれる一群の画家たちを育むことになる。フォンテーヌブロー派に通底する独自な美意識に裏打ちされ、ひときわ生彩を放つのが魅惑的で独創的な女性の表象である。官能性を秘めた女性たちの表象がどのように生まれ、またどのように継承され展開していったのか、本書ではフォンテーヌブロー派の特徴をなす女性の表象の系譜に光をあてた。フォンテーヌブロー派の女性表象の口火を切るのは、フランスにおける最初の裸体女性像を描いたジャン・クーザンの《エヴァ・プリマ・パンドラ》であった。この横臥する女性裸体像は、フォンテーヌブロー宮殿にコレクションされたイタリア絵画の女性裸体像が演じた饗宴と、イタリアから移植されたマニエリスムの異教の女神たちの官能的な姿態なしには考えることはできない。それらが変容し、冷たい官能性を秘めた独自な美意識を体現し、フォンテーヌブロー派の女性の表象の端緒を開いた。第二次フォンテーヌ派を代表する忘れがたい作品《ガブリエル・デストレとその妹》は、宮廷で織りなされる女性たちの生に色濃く染められた「化粧する女性」や「湯あみする女性」の表象が融合し、最終的にたどりついた官能世界である。そして、フォンテーヌブロー派が連綿と生みだし続けた女性の表象は、フランス美術の女性表象の祖型となり、一八世紀および新古典主義の女性像に引き継がれていくことになる。";s:6:"author";s:35:"田中 久美子(著/文)…他1名";s:10:"publishers";s:15:"ありな書房";s:9:"publisher";N;s:9:"productor";s:15:"ありな書房";s:12:"release_date";i:1504710000;}

フォンテーヌブローの饗宴 タリア・マニエリスムからフランス美術の官能世界へ
FONTAINEBLEAU SYMPOSIUM : Ex Italicus Manierisumus ad Sensus Mundus di Francus Ars

芸術 ラノベ

田中 久美子(著), 石井 朗(企画構成)
発行:ありな書房

A5判   280頁  上製
価格 4,800円+税

ISBN 978-4-7566-1756-9   C0071
在庫あり(出版社情報)

奥付の初版発行年月 2017年9月
書店発売日 2017年9月7日
登録日 2017年9月6日

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紹介

本書は、散逸しながらも現存する視覚資料や断片的な記録をたぐり寄せ、フォンテーヌブロー宮殿で展開した美術活動を再構築しようとするものである。留意したのは単なる断片的な証拠の集積にとどまるのではなく、イメージの形態/形式、そこに託された意味、受容や流通のあり方を、フランソワ一世の理念や野望を視野に入れながら、彼の生きた時代や文化、社会の網の目の中で多様にとらえ、当時の美術自体がはらんでいるさまざまな問題をも明らかにしていくことであった。〈フランソワ一世のギャラリー〉の室内装飾は国王儀礼の象徴機能と結びつき、フランソワ一世を称揚し、その理念と理想を高らかに謳いあげていた。〈フランソワ一世のギャラリー〉を写しとった版画やタピスリーは、媒体それぞれの機能と受容のあり方が当時の社会を映しだし、とりわけ版画は試行錯誤する〈フランソワ一世のギャラリー〉の制作の過程の一端を垣間見せる。イタリア絵画の傑作がくりひろげる饗宴が訪れた人々を驚嘆させたにちがいない国王のコレクションもまた、フランス美術の動向を決定していく大きな推進力となった。しかも、信じがたいことにそれらの名作は「浴室の間」で享受されていたと考えられている。〈「浴室の間」ギャラリー〉は、思いもよらぬ当時の宮廷生活の実相を浮きぼりにしている。フランソワ一世の理念を映しだしながら、フォンテーヌブロー宮殿でイタリアのマニエリスムの画家たちに主導され展開された美術活動が、やがてフランス人画家たちへと重心を移し、フォンテーヌブロー派と呼ばれる一群の画家たちを育むことになる。フォンテーヌブロー派に通底する独自な美意識に裏打ちされ、ひときわ生彩を放つのが魅惑的で独創的な女性の表象である。官能性を秘めた女性たちの表象がどのように生まれ、またどのように継承され展開していったのか、本書ではフォンテーヌブロー派の特徴をなす女性の表象の系譜に光をあてた。フォンテーヌブロー派の女性表象の口火を切るのは、フランスにおける最初の裸体女性像を描いたジャン・クーザンの《エヴァ・プリマ・パンドラ》であった。この横臥する女性裸体像は、フォンテーヌブロー宮殿にコレクションされたイタリア絵画の女性裸体像が演じた饗宴と、イタリアから移植されたマニエリスムの異教の女神たちの官能的な姿態なしには考えることはできない。それらが変容し、冷たい官能性を秘めた独自な美意識を体現し、フォンテーヌブロー派の女性の表象の端緒を開いた。第二次フォンテーヌ派を代表する忘れがたい作品《ガブリエル・デストレとその妹》は、宮廷で織りなされる女性たちの生に色濃く染められた「化粧する女性」や「湯あみする女性」の表象が融合し、最終的にたどりついた官能世界である。そして、フォンテーヌブロー派が連綿と生みだし続けた女性の表象は、フランス美術の女性表象の祖型となり、一八世紀および新古典主義の女性像に引き継がれていくことになる。

目次

プロローグ フォンテーヌブロー宮殿の美的世界──フランソワ一世からナポレオンへ
第1章 〈フランソワ一世のギャラリー〉──フォンテーヌブロー派の揺籃
第2章 フランソワ一世の〈「浴室の間」ギャラリー〉──エロスとヴィータの絢爛豪華な世界
第3章 宮殿から解き放たれた〈フランソワ一世のギャラリー〉──版画とタピスリー
第4章 ジャン・クーザン《エヴァ・プリマ・パンドラ》──神話とアレゴリー
第5章 《ガブリエル・デストレとその妹》──フォンテーヌブロー派の女性表象
エピローグ フォンテーヌブロー派の成熟に向かって──あとがきにかえて

人名索引

版元から一言

頭脳的で観念的、しなやかに弧を描く曲線への愛着、異教の女神たちの官能的な姿態、イタリア人文主義に色濃く染められた難解な寓意表現、これらのフォンテーヌブロー派が切り拓いた〈フランソワ一世のギャラリー〉の美的世界から、〈浴室の間〉へ、そして版画とタピスリーへ、《エヴァ・プリマ・パンドラ》から《ガブリエル・デストレとその妹》へ、フランス近世美術の誕生と発展と精華を明らかにする!

著者プロフィール

田中 久美子(タナカ クミコ)

文星芸術大学教授/フランス近世美術史

石井 朗(イシイ アキラ)

表象芸術論

上記内容は本書刊行時のものです。