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取引情報
季語で読む徒然草
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2016年9月
- 書店発売日
- 2016年9月6日
- 登録日
- 2016年3月23日
- 最終更新日
- 2016年8月30日
書評掲載情報
2017-01-29 |
毎日新聞
朝刊 評者: 小島ゆかり(歌人) |
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重版情報
2刷 | 出来予定日: 2017-04-20 |
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紹介
『徒然草』のなかで示唆に富む文章とそこに登場する季節の言葉を挙げて、兼好法師の無常観がどのように形づくられたかを考察。現代と照らし合わせ普遍的な価値観を見出し、あるべき姿を提起しました。
目次
目 次
門松―改まる人心の妙-
双六―「負けじと打つ」
さぎちょう―松明けの火祭
稽古始―未熟なうちから
雪の朝―心通う人は
霜―若き日の兼好
嚔―兼好の女性観
追儺―節分の豆撒き
雪解―いかに生きるか
朧月―恋の思い出
梅―寒気の中で
剪定―専門家の洞察力
涅槃会―美女にも心奪われず
桃李―現世のはかなさ
菫―儚い恋の思い出
桜―八重よりも一重
花―花は散っても
花見酒―酒ぎらい
花見―得意満面の兼好
落花―散った後までも
蛤―「浜栗」が語源
蛙―鳴き声を愛で
聖霊会―天王寺の舞楽
干潟―死期は不意に
山吹―花のむこうに女性の面影
御忌―法然上人の教え
卯月の曙―恋の思い出か
若楓―まさる人恋しさ
競べ馬―上賀茂神社由来の季語
こどもの日―子を持って知る情愛
祭のころ―のちの無常観
薬玉―邪気を払う
愛鳥週間―自由を奪う罪深さ
薬の日―心強い友
水鶏―心淋しさを覚える情趣
鰹―東人と都人
洗鯉―包丁名人の見せどころ
時鳥―初音を巡る談義
素足―女の魅力には
暑し―目と耳で涼を感じる
蛇―祟を怖れぬ合理的判断
馬冷やす―うるわしき勘違い
羅―滅びと未完成の美
涼し―一瞬の涼気の実感
蟻―人間の愚かさ
扇―三蔵法師と猫またの逸話
麻衣―出家遁世の意義
秋草―野や庭の趣の深さ
七夕―情趣溢れる季節
月―夜毎に変わる姿
良夜―無常を観る
配所の月―罪なくて見む
露―夜の山里
夜長―古人と心通わせて
いもがしら―好物ばかり食べる傑物
馬肥ゆる―大胆と細心と
紅葉―仁和寺の法師たち
九月二十日の頃―有明の月
雁―罪深い僧
ますほの芒―一瞬の懈怠が一生の懈怠に
稲刈り―腹いせの理屈
豆穀―煮られるも焼かれるも
神無月―理想郷を夢見て
鷹―生き物への慈悲心
木の葉―落葉の墓地
障子貼る―倹約の美談
屏風―断・捨・離の提案者
狐―食いつくもの化けるもの
大根―最も親しい食材
火事―無常の来ること
年の暮―なき人の来る夜
春秋―生を愛すべし
前書きなど
十代で俳句を作り始めた私は、四季の移りゆきと、それを表す言葉に人一倍関心がある。さらに人生の季節を生きてきて、兼好法師のいう無常観が、決して観念的な机上の空論ではなく、日本の季節と風土に密着した人生経験から生じたものであることに気づいた。彼の話にこれほどまでに季語が豊かであるのは、地に足をつけて四季の巡りを五感で感じ取って日々を生きた証といえよう。(おわりにより)
版元から一言
俳人ならではの季語という視点から『徒然草』を読み解いた、これまでに類を見ない解釈本となりました。
上記内容は本書刊行時のものです。