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入管の解体と移民庁の創設 駒井 洋(監修) - 明石書店
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入管の解体と移民庁の創設 (ニュウカンノカイタイトイミンチョウノソウセツ) 出入国在留管理から多文化共生への転換 (シュツニュウコクザイリュウカンリカラタブンカキョウセイヘノテンカン)

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発行:明石書店
A5判
304ページ
並製
価格 3,200円+税
ISBN
978-4-7503-5601-3   COPY
ISBN 13
9784750356013   COPY
ISBN 10h
4-7503-5601-8   COPY
ISBN 10
4750356018   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0336  
0:一般 3:全集・双書 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年5月31日
書店発売日
登録日
2023年5月12日
最終更新日
2023年6月23日
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紹介

収容者の相次ぐ死亡事件や長期収容など、外国人を治安の対象として管理することを目的に作られた入管のひずみが各地で起きている。事実上の移民が多数来日しているなかで、限界を迎えている入管体制をどう変えていくか。歴史にさかのぼって転換の道筋を考える。

目次

「移民・ディアスポラ研究」10の刊行にあたって

序章 出入国在留管理庁の解体と移民庁の創設[加藤丈太郎]
 はじめに
 1 出入国「在留」管理庁の創設
 2 なぜ出入国在留管理庁の「解体」なのか
 3 なぜ移民庁の「創設」なのか
 4 本書の構成

第1部 人権無視の外国人管理

第1章 ウィシュマさん死亡事件[指宿昭一]
第2章 強化される在留管理[篠原拓生]
第3章 「無法」地帯と暴力――入管収容における暴行、懲罰の実態[平野雄吾]
第4章 入管収容における性差別主義と多様な性の迫害[滝朝子]
第5章 日系ブラジル人Tの収容と強制送還[田巻松雄]

第2部 元入管職員の『中の視点』から

第6章 日本における出入国在留管理組織人事の現状と課題[大西広之]
第7章 入管内でのいじめ[渡邉祐樹]
第8章 入管の恣意的な判断[木下洋一]
第9章 交流共生庁の創設[水上洋一郎]

第3部 入管の歴史

第10章 冷戦と戦後入管体制の形成[テッサ・モーリス=スズキ(伊藤茂訳)]
第11章 戦前から戦後へ――特高警察的体質の保持[駒井洋]
第12章 冷戦と経済成長下の日本の「外国人問題」[外村大]
第13章 1990年から21世紀における出入国在留管理[ファーラー・グラシア(加藤丈太郎訳)]

第4部 移民庁の創設に向けて

第14章 日本における「民族的」アイデンティティ――「民族」概念の創出と伝播[小熊英二]
第15章 レイシズムを根底にもつ入管の課題――名古屋入管収容者死亡事件を手掛かりに[小林真生]
第16章 諸外国の移民庁の成り立ち――入管・統合政策担当機関と収容・永住・帰化のあり方[近藤敦]

終章 出入国在留管理から「双方向」の多文化共生へ[加藤丈太郎]


 書評[駒井洋]

 編集後記

 資料
  在留資格一覧表および在留期間一覧表
  出入国在留管理庁および「出入国管理及び難民認定法」にかかわる年表

前書きなど

「移民・ディアスポラ研究」10の刊行にあたって

 (…前略…)

 シリーズ第10号のメインタイトルは、「入管の解体と移民庁の創設―出入国在留管理から多文化共生への転換」とすることとした。2023年6月の国会に改悪された入管法が上程されることは必至である。これが成立すれば、日本で生活している移民たちが蒙る災厄は筆舌に尽くしがたいものになるだろう。そのためわれわれは緊急の課題として本書を刊行することとしたのである。
 本書の編者は、著名な救援団体であるAsian People's Friendship Society(A.P.F.S.)の中心的スタッフを長年つとめられた加藤丈太郎氏にお願いすることとした。氏の在任中には入管との交渉はいうまでもなく入管への抗議活動も手がけられており、氏は入管の体質を熟知されている。そののち氏は大学院に入学し、博士の学位を取得され、博士論文は氏の著書として出版された。この問題に関する日本の第一人者を編者に得られたことを監修者として喜びたい。
 本書は序章と終章のほか、4部から構成されている。第1部は「人権無視の外国人管理」と題され、入管庁におけるいちじるしい人権侵害の実態を弁護士や行政書士をはじめとする5人の著者が告発する。第2部は「元入管職員の『中の視点』から」と題され、入管の元職員3人のなまなましい忘れることができない不愉快な体験と、元東京入国管理局長の政策提言とからなる。
「入管の歴史」と題される第3部は、戦争直後から占領期について検討する2章、独立後から1980年代までを通観する章、1990年代から21世紀までを概観する章からなる。とくに占領期に確立した入管法制がアメリカの移民帰化法をそっくり踏襲したことを明らかにする章は衝撃的である。
「移民庁の創設に向けて」と題される第4部は、著名な歴史社会学者による日本における「民族」概念がかかえこんでいる問題点の指摘、レイシストとしての入管官僚の時期的な変容を検討する章、著名な法学者による諸外国における移民庁の成り立ちを紹介する章からなる。
 本書が入管庁の解体と移民庁の創設へのきっかけとなることを切望する。

著者プロフィール

駒井 洋  (コマイ ヒロシ)  (監修

筑波大学名誉教授。移民政策学会元会長。東京大学大大学院社会研究科博士課程修了。博士(社会学)。主な著書『国際社会学研究』(日本評論社、1989年)、『移民社会学研究――実態分析と政策提言1987-2016』(明石書店、2016年)。監修書に『移民・ディアスポラ研究1~9』(明石書店、2011~2020年)など。

加藤 丈太郎  (カトウ ジョウタロウ)  (編著

武庫川女子大学文学部英語グローバル学科専任講師。博士(学術)。
2017年3月までNPOにおいて非正規移民に在留資格を求める活動に従事。2017年4月に研究の道に転じ、現在はベトナムから日本への国際労働移動を主なテーマとして研究を行っている。専門は移民研究、国際労働移動、国際社会学、多文化共生論。
主な著書に『日本の「非正規移民」――「不法性」はいかにつくられ、維持されるか』(単著、2022、明石書店)、『多文化共創社会への33の提言――気づき愛、GlobalAwareness』(共編著、2021、都政新報社)、『多文化共生 人が変わる、社会を変える』(共著、2018、凡人社)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。