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新しい国際協力論【第3版】 山田 満(編著) - 明石書店
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新しい国際協力論【第3版】 (アタラシイコクサイキョウリョクロンダイサンパン) グローバル・イシューに立ち向かう (グローバルイシューニタチムカウ)

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発行:明石書店
四六判
400ページ
並製
価格 2,600円+税
ISBN
978-4-7503-5578-8   COPY
ISBN 13
9784750355788   COPY
ISBN 10h
4-7503-5578-X   COPY
ISBN 10
475035578X   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年4月30日
書店発売日
登録日
2023年4月3日
最終更新日
2023年5月2日
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紹介

グローバル公共財、貧困問題、紛争解決と平和構築、国連が取り組む人権・環境・難民、企業の社会的責任、さらにSDGs、難民、自然災害など、グローバル化で変わる課題における国際協力の理論と実践を概説する。今回の第3版では、新たに企業との連携、新興感染症、国内の外国人支援等を加えると同時に各イシューを更新。

目次

はじめに――なぜ国際協力は必要なのか[山田満・堀江正伸]

Ⅰ フレームワーク編〈国際協力の枠組〉

第1章 開発支援――そのパラダイムの変遷に注目して[吉川健治・堀江正伸]
 はじめに
 第1節 経済開発
 第2節 社会開発
 第3節 人間開発――人間やコミュニティへの注目
 第4節 ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals:MDGs)
 第5節 持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)の時代へ
 おわりに

第2章 人間の安全保障――21世紀世界の連帯と協力に向けて[宮下大夢]
 はじめに
 第1節 人間の安全保障の誕生と発展
 第2節 人間の安全保障の理論と実践
 第3節 人新世の連帯と協力に向けて
 おわりに

第3章 人道支援――緊急対応から強靭な社会づくりまで[堀江正伸]
 はじめに
 第1節 人道支援を行う機関
 第2節 増え続けるニーズに対応するために
 第3節 人道支援のこれから
 おわりに――新しい人道支援に向けて

第4章 国際平和協力――平和な社会はいかにして築けるか[山田満]
 はじめに
 第1節 国際関係理論からみた国際平和協力
 第2節 国際平和協力をどのように進めるのか
 おわりに

第5章 国際機関――国家間協力の現状と課題[本多美樹]
 はじめに
 第1節 国際機関の設立と発展
 第2節 国際機関の役割と機能
 第3節 国際機関の限界と課題
 おわりに

第6章 地域機関――地域固有の問題に近隣諸国と向き合う[金森俊樹]
 はじめに
 第1節 地域機関の誕生の歴史
 第2節 各地域の地域機関と平和
 おわりに

第7章 二国間援助機関――国づくりは人づくりから[山本剛]
 はじめに
 第1節 二国間援助の形態
 第2節 金額でみる二国間援助
 第3節 二国間援助の実施主体と特徴
 第4節 日本の二国間援助の変遷と特徴
 おわりに

第8章 NGO・市民社会――草の根からの社会変革[桑名恵]
 はじめに
 第1節 NGO、市民社会とは?
 第2節 国際協力におけるNGO/CSOの役割
 第3節 NGO、市民社会による国際協力の課題
 おわりに

第9章 企業――消費者である私たちの責任[阿部和美]
 はじめに
 第1節 多国籍企業の影響力
 第2節 多国籍企業の自律を求める動き
 第3節 企業とのパートナーシップ
 おわりに

Ⅱ イシュー編〈国際協力が対象とする諸問題〉

第10章 貧困――国際協力の最重要課題[中野洋一]
 はじめに
 第1節 途上国の貧困状況
 第2節 拡大する世界的貧富の格差
 第3節 貧困問題解決のための財源
 おわりに

第11章 環境――国境のない世界的な課題と国際協力[升本潔]
 はじめに
 第1節 環境問題の概要――公害と地球環境問題
 第2節 気候変動問題を考える
 第3節 環境を守るための国際協力
 おわりに

第12章 健康――感染症に国境はない――新興感染症の脅威への対応[間辺利江]
 はじめに
 第1節 COVID-19の発生と世界的流行の拡散
 第2節 低・中所得国における新興感染症対策への課題
 第3節 GDPとCOVID-19
 おわりに

第13章 ジェンダー――ジェンダー視点の国際協力とは[福井美穂]
 はじめに
 第1節 ジェンダー概念の整理
 第2節 ジェンダー視点から見た国際協力課題の現状
 第3節 国際協力アプローチと女性の役割の変遷
 おわりに

第14章 教育――「インクルーシブかつ公正で質の高い教育」とは[利根川佳子]
 はじめに
 第1節 教育協力の国際的な動向
 第2節 「インクルーシブかつ公正で質の高い教育」とは
 おわりに

第15章 移民・難民――国境を越える人々のダイナミズムと保護[佐藤滋之]
 はじめに
 第1節 移民
 第2節 難民
 おわりに

第16章 少数民族――普遍的保護と取り残される人々への支援[峯田史郎]
 はじめに
 第1節 国民国家形成過程における少数民族
 第2節 国連を中心とした対話と協力の歴史
 第3節 東南アジア大陸部の少数民族への支援
 おわりに

第17章 日本の国際協力の歴史――国益確保と国際協力の二項対立を超えて[本多倫彬]
 はじめに
 第1節 国際協力の二つの顔を併せ持った戦後復興
 第2節 国際協力の制度整備と日本型援助の形成
 第3節 援助大国への道――国益確保の行き過ぎと転換
 第4節 冷戦の終結と民主化に向けた国際協力
 おわりに――現代の国際協力

第18章 国内で「国際」協力――日本に暮らす外国人(移民)に着目して[加藤丈太郎]
 はじめに――日本国内に新たに広がる国際協力
 第1節 「在留外国人」統計と外国人(移民)受け入れの歴史
 第2節 ベトナム人人口の急増から日本の外国人(移民)受け入れの姿勢をみる
 おわりに――移民政策不在の中で国際協力セクターと学生が果たす役割

 あとがき
 編著者略歴

前書きなど

あとがき

 本書の初版は2010年5月に発行され、国際協力を初めて学ぶ多くの方々に読んでいただいた。また、基礎的な国際協力のフレームワークと多くの読者が持つ問題意識を網羅することで、授業などでより使い易いものとしたいという思いで2018年12月に改訂版を発行した。幸い多くの大学で教科書や副読本として利用していただき、改訂版を発行した目的が果たされたのではないかと考えている。
 今回再び改訂しようという話が2018年版の執筆者より持ち上がったのは国際情勢が急激に変化しているからだった。2019年末より海外で新たな感染症が発症し、年明けには日本でも特定のライブハウスや宴会などでクラスター感染者が出たと報じられた。新型コロナウイルスの大流行は、その後の私たちの生活を大きく変容させた。
 また、2022年2月にロシアがウクライナへ侵攻すると、日本でも避難民などへの支援の様子を伝える映像が連日報道番組で流されるようになった。侵攻は世界経済の先行きを不透明とし燃料や穀物の価格を上昇させた。2021年時点でわずか2%程度の貿易相手であったはずのロシアとウクライナでの出来事はじわじわと私たちの日常生活にも影響を与えている。
 このように国際社会での出来事は、冷戦後の1990年代から急激に進展していくグローバル化で、他国での出来事は日本にも影響を及ぼしていくことになった。それゆえ、日常生活の中で国際協力などに特別の関心を持たなかった人々にも肌で感じられるようになったのだ。国内に目を転じてみても、労働者不足という国内事情を背景に外国人労働者や家族が増えるにつれ、私たちは彼らの職場での待遇や社会での共存を考える必要に迫られている。
 国際協力というとJICAや国連、NGOなどに勤務する人々が途上国へ赴き従事する、いわば専門的な仕事であると思われがちであった。しかし、現在では多くの企業、自治体、教育機関でSDGsが取り上げられている通り、日本国内で仕事をする人々、消費者、学生などが意識的あるいは無意識に国際協力に関わっていると言っても過言ではないであろう。
 以上のようなことを踏まえて、本書の再度の改訂にあたっても書名には「国際協力」を掲げている。しかしながら、内容的には広くグローバル・イシューが含まれている。そのため前版よりも、さらに多くの国際協力の専門家や実務経験者の参加をお願いした。また本書では国内問題も取り上げることとした。

 (…後略…)

著者プロフィール

山田 満  (ヤマダ ミツル)  (編著

北海道生まれ。早稲田大学社会科学総合学術院教授。米国オハイオ大学大学院修了(MA)。東京都立大学大学院社会科学研究科政治学専攻博士課程単位取得退学。2000年に神戸大学博士(政治学)を取得。東ティモール国立大学客員研究員、埼玉大学教養学部教授、東洋英和女学院大学大学院教授を経て、2009年4月より現職。同地域・地域間研究機構アジア・ヒューマン・コミュニティ(AHC)研究所長。台湾国立政治大学客員教授、現在日本東ティモール協会副会長など多くの国際ボランティア活動に従事。2020年5月よりベトナム国家大学ハノイ校日越大学日本学プログラム共同ディレクターを兼務。専門は、国際関係論、国際協力論、平和構築論、東南アジア政治論。
[主な著書]
『難民を知るための基礎知識――政治と人権の葛藤を超えて』(共編著、明石書店、2018年)
『「一帯一路」時代のASEAN――中国傾斜のなかで分裂・分断に向かうのか』(共編著、明石書店、2020年)
『平和構築のトリロジー――民主化・発展・平和を再考する』(明石書店、2021年)
『「非伝統的安全保障」によるアジアの平和構築――共通の危機・脅威に向けた国際協力は可能か』(共編著、明石書店、2021年)
『アジアダイナミズムとベトナムの経済発展』(共編著、文眞堂、2020年)
Sustainable Development Disciplines for Humanity: Breaking down the 5Ps-People, Planet, Prosperity, Peace, and Partnerships(共編著、Springer、2022年)

堀江 正伸  (ホリエ マサノブ)  (編著

東京都生まれ。青山学院大学地球社会共生学部教授。2016年早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。1992年に大学を卒業後、民間企業にてODA関連事業を担当。2005年より国連世界食糧計画プログラム・オフィサーとしてインドネシア、スーダン、フィリピン、イエメン、アフガニスタンでの勤務、2017年より武庫川女子大学英語文化学科教授を経て、2022年より現職。専門は、国際協力論、平和構築論。
[主な著書]
『難民を知るための基礎知識――政治と人権の葛藤を超えて』(共著、明石書店、2018年)
『人道支援は誰のためか――スーダン・ダルフールの国内避難民社会に見る人道支援政策と実践の交差』(晃洋書房、2018年)
『「非伝統的安全保障」によるアジアの平和構築――共通の危機・脅威に向けた国際協力は可能か』(共著、明石書店、2021年)
『職場・学校で活かす現場グラフィー――ダイバーシティ時代の可能性をひらくために』(共著、明石書店、2021年)

上記内容は本書刊行時のものです。