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日本語を学ぶ子どもたちを育む「鈴鹿モデル」 川上 郁雄(編著) - 明石書店
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日本語を学ぶ子どもたちを育む「鈴鹿モデル」 (ニホンゴヲマナブコドモタチヲハグクムスズカモデル) 多文化共生をめざす鈴鹿市+早稲田大学協働プロジェクト (タブンカキョウセイヲメザススズカシワセダダイガクキョウドウプロジェクト)

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発行:明石書店
A5判
320ページ
並製
価格 2,500円+税
ISBN
978-4-7503-5183-4   COPY
ISBN 13
9784750351834   COPY
ISBN 10h
4-7503-5183-0   COPY
ISBN 10
4750351830   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0037  
0:一般 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年3月31日
書店発売日
登録日
2021年3月17日
最終更新日
2021年4月27日
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紹介

戦後から一貫して同和教育、人権教育を推進し、そして90年代から増加する外国籍住民への多文化共生教育を計画していた鈴鹿市と「JSLバンドスケール」を開発した早稲田大学との日本語教育の協働プロジェクト12年の軌跡。「人権教育」「日本語教育」「多文化共生教育」を基本に、子どもたちの「日本語力」と「学力」を育む実践をどのように展開したのかを明らかにする。

目次

 発刊に寄せて[中道公子]
 はじめに

第1部 「鈴鹿モデル」とは、何か
 1 鈴鹿市は、どのような教育を目指しているのか
  1-1 鈴鹿市の概況
  1-2 鈴鹿の教育の底流――人権教育の歩み
  1-3 「鈴鹿市人権教育基本方針」
  1-4 鈴鹿市における外国籍人口の動向
  1-5 外国人集住都市としての発展
  1-6 教育委員会の方針(1999~2008年)――多文化共生教育
  1-7 まとめ
 2 「鈴鹿モデル」の構築(2008~2013年)
  2-1 早稲田大学との協定
  2-2 教育長のリーダーシップ
  2-3 「鈴鹿モデル」の発展
  2-4 「日本語教育コーディネーター」の役割
  2-5 実践と連携
  2-6 「協定」第2期(2011~2013年度)
  2-7 「鈴鹿市教育振興基本計画」
  2-8 まとめ
 3 「鈴鹿モデル」の発展(2014~2019年)
  3-1 「協定」第3期(2014~2016年度)
  3-2 「協定」第3期の実践
  3-3 「協定」第4期(2017~2019年度)
  3-4 財政から見た「鈴鹿モデル」――予算はいくら必要なのか
  3-5 「特別の教育課程」への対応
  3-6 高校進学の状況
  3-7 まとめ

第2部 「鈴鹿モデル」は、どのように構築されたのか――「JSLバンドスケール」「日本語教育コーディネーター」「プロジェクト会議」に関する10人の証言

 1 学力をつけることは、人権教育で一番大事なこと――教育委員会の立場から①[西繁]
 2 日本語教育を、人権教育の一環として位置づけることが大切――教育委員会の立場から②[篠原政也]
 3 「共に生き、共に学ぶ」こと――同和教育を出発点にした教員の立場から[臼杵伸子・江藤健一・平田真一]
 4 楽しい実践、子どもが元気になっていく実践は、先生たちも嬉しい――日本語教育コーディネーターの立場から①[中川智子]
 5 連携、それはみんなの意識が変わることから生まれる――日本語教育コーディネーターの立場から②植村恭子・杉谷直美
 6 連携して、子どもたちの進路保障を――日本語教育コーディネーターの立場から③[市川泰]
 7 JSLバンドスケールを活用した実践と支援体制は欠かせない――日本語教育コーディネーターの立場から④[吉川恵]

第3部 鈴鹿の実践

 実践① 進んで学習に取り組む児童の育成――国際教室の取り組み[大西依子]
 実践② 「自分」への気づきの中で成長する子ども――イスラムの文化・習慣の中で生きる6年児童への支援[園田みゆき]
 実践③ 思考力・表現力を育てる――在籍学級への学びをつなげるために[吉川恵]
 実践④ 未来に向かって――仲間とともに考える[中川智子]
 実践⑤ 多文化共生教育の取り組み[大山久美]
 実践⑥ 学校全体で取り組む多文化共生教育[植村恭子]
 実践⑦ ネットワーク会議、夏季研修講座、そして多文化共生教育実践EXPO
 実践⑧ 「日本語教育ガイドライン」

第4部 ことばの力と学力

 1 「JSLバンドスケール」の考え方と実践
 2 「JSLバンドスケール」の見立てと「学力調査」の結果
 3 JSL児童生徒と「学力調査」
 4 これから鈴鹿でどのような実践を行い、どのような力を育成するのか

 参考文献・関連資料
 あとがき

前書きなど

発刊に寄せて[中道公子]


 (…前略…)

 思い起こせば15年前(2005年当時)、私が初めて教頭として赴任した市内の小学校では、外国人児童の転入が急増していました。受け入れ体制は十分とは言えず、前任者が作ったマニュアルのようなメモを傍らに、通訳さんを交え、毎回大わらわで転入手続きを行いました。当時の市内の日本語教育は各校の「国際担当者」の努力と工夫に委ねられ、学校間格差が顕著でした。外国人児童生徒と学校生活を共にする私たちにとって、外国人児童生徒に対する教育支援の充実が切実な願いとなっていました。その後、早稲田大学大学院日本語教育研究科との「教育的支援に関する協定」が結ばれたことで、「JSLバンドスケール」が導入され、多くの方々のご努力に支えられ、鈴鹿市の日本語教育は飛躍的に進化しました。
 本書は、この「協定」後に展開された本市の日本語教育の歩みがつぶさに記録された貴重な書です。今後いかに時代が変わろうとも、「鈴鹿モデル」と呼ばれる支援システムの歴史や精神は脈々と継承されていきます。そして、この「鈴鹿モデル」が日本各地の外国人児童生徒への教育支援の有効なモデルとなると確信します。

 (…後略…)

著者プロフィール

川上 郁雄  (カワカミ イクオ)  (編著

早稲田大学大学院日本語教育研究科教授。
オーストラリア・クイーンズランド州教育省・日本語教育アドバイザー(国際交流基金派遣日本語教育専門家)、宮城教育大学教授等を経て、2002年より現職。博士(文学、大阪大学)。
専門は、日本語教育、文化人類学。
[主な著書・編著]
『「移動する子どもたち」と日本語教育――日本語を母語としない子どもへのことばの教育を考える』(編著、明石書店、2006年)。『「移動する子どもたち」の考える力とリテラシー――主体性の年少者日本語教育学』(編著、明石書店、2009年)。『海の向こうの「移動する子どもたち」と日本語教育――動態性の年少者日本語教育学(編著、明石書店、2009年)。『私も「移動する子ども」だった――異なる言語の間で育った子どもたちのライフストーリー』(編著、くろしお出版、2010年)。『「移動する子どもたち」のことばの教育学』(くろしお出版、2011年)。『移民の子どもたちの言語教育――オーストラリアの英語学校で学ぶ子どもたち』(オセアニア出版社、2012年)。『「移動する子ども」という記憶と力――ことばとアイデンティティ』(編著、くろしお出版、2013年)。『日本語を学ぶ/複言語で育つ――子どものことばを考えるワークブック』(共著、くろしお出版、2014年)。『公共日本語教育学――社会をつくる日本語教育』(編著、くろしお出版、2017年)。『移動とことば』(共編著、くろしお出版、2018年)。『JSLバンドスケール【小学校編】――子どもの日本語の発達段階を把握し、ことばの実践を考えるために』(明石書店、2020年)。『JSLバンドスケール【中学・高校編】――子どもの日本語の発達段階を把握し、ことばの実践を考えるために』(明石書店、2020年)。

上記内容は本書刊行時のものです。