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図書館評価の有効性
評価影響の理論を用いた実証研究
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年3月28日
- 書店発売日
- 2021年4月6日
- 登録日
- 2021年3月19日
- 最終更新日
- 2021年4月27日
紹介
評価は組織をどう変えるのか――。公的機関で一般的となった業績評価は、組織や人々に何をもたらしているのか。公共図書館を対象とした質的・量的分析をもとに、「評価影響」の理論をもちいて評価の実態を明らかにし、評価の有効性を向上させる方策を提示する。
目次
まえがき
第1章 序論
1.1 研究の背景
1.2 研究の目的
1.3 研究の方法
1.4 先行研究
1.5 図書館評価の現状
1.6 用語の定義
1.7 本研究の構成
第2章 行政評価と図書館評価の比較
2.1 本章の目的と方法
2.2 行政評価の方法
2.3 海外における図書館評価の方法
2.4 日本における図書館評価の方法
2.5 評価用語の整理
2.6 本章のまとめ
第3章 図書館評価モデルの作成
3.1 本章の目的と方法
3.2 評価利用の理論
3.3 評価影響の理論
3.4 非利用と正当化利用の理論
3.5 業績情報の利用の理論
3.6 図書館評価の有効性や利用に関する研究
3.7 図書館評価モデルの作成
3.8 本章のまとめ
第4章 図書館評価の有効性に関する質的分析
4.1 本章の目的と方法
4.2 調査の概要とデータ
4.3 評価影響の発現状況
4.4 評価影響の発現経路
4.5 評価影響の発現に影響する要因
4.6 指定管理者制度のもとでの評価
4.7 図書館評価モデルの精緻化と考察
4.8 本章のまとめ
第5章 図書館評価の有効性に関する量的分析
5.1 本章の目的と方法
5.2 調査の概要とデータ
5.3 有効性の発現状況
5.4 有効性の発現経路
5.5 考察
5.6 本章のまとめ
第6章 図書館評価の有効性に影響する要因
6.1 本章の目的と方法
6.2 影響要因の候補
6.3 データ
6.4 組織レベルの分析結果
6.5 職員レベルの分析結果
6.6 考察
6.7 本章のまとめ
第7章 図書館評価の有効性向上のためのツール
7.1 本章の目的と方法
7.2 有効性向上ツールの作成
7.3 ツールの試行と修正
7.4 考察
7.5 本章のまとめ
第8章 結論
8.1 研究の総括
8.2 図書館評価の有効性
8.3 有効性を向上させる方策
8.4 今後の研究上の課題
8.5 結び
付録
付録1 インタビュー調査・事例概要
付録2 アンケート調査票
付録3 パス解析結果(改善ルート)
付録4 影響要因と質問の対応表
付録5 回帰分析結果(組織レベル)
付録6 回帰分析結果(職員レベル)
付録7 影響要因の分析結果一覧
参考文献
初出一覧
あとがき
索引
前書きなど
第1章 序論
(…前略…)
1.7 本研究の構成
本研究の構成を図1-2に示す。第2章では、研究全体の前提として、行政評価と図書館評価の方法論を比較し、共通点と相違点を明らかにする。本研究では、図書館以外の公共部門で構築されてきた評価理論を図書館評価に適用して分析を行う。その前提として、両者にどの程度の類似性があり、行政評価の理論を図書館評価に適用することが可能かどうかを確認する必要がある。行政評価には「業績測定」「プログラム評価」「政策分析」等、多様な方法が包含されているが、図書館評価はそのうちのどの方法を用いているのか、また行政評価の理論を図書館評価に適用する際に留意すべき点は何かを明らかにする。
第3章と第4章では、本研究の課題1に当たる分析を行う。まず第3章では、図書館評価が機能する過程を表す概念モデルを作成する。続く第4章では、評価を実施する公共図書館を対象とした事例研究により、概念モデルの妥当性検証と精緻化を行う。この概念モデルにより、図書館評価が有効に機能した場合に潜在的に生じうるアウトカムやインパクトを明らかにする。
第5章では、本研究の課題2に当たる分析を行う。第4章までで明らかにした図書館評価の有効性が、評価を実施する公共図書館で実際にどの程度、発現しているかを量的分析により明らかにする。データは全国の公共図書館を対象としたアンケート調査で収集する。
第6章では、課題3に当たる分析を行う。第5章の分析で得られたアンケート調査データを用いて、図書館評価の有効性発現に影響する要因を分析する。具体的には、図書館評価のアウトカムやインパクトを目的変数、アウトカムやインパクトの発現に影響すると予想される要因を説明変数として回帰分析を行い、アウトカムやインパクトの発現と正の相関がある要因を明らかにする。
第7章では、課題4に当たる分析を行う。第6章で得られた知見を基に、公共図書館が評価実務の改善に用いることができるツールを作成する。作成したツールは複数の公共図書館を対象としたアクションリサーチで試行し、その有用性を検証するとともに、必要な修正を加えてツールを完成させる。
上記内容は本書刊行時のものです。