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コミュニケーション・デザインの学びをひらく お茶の水女子大学附属中学校(編) - 明石書店
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コミュニケーション・デザインの学びをひらく (コミュニケーションデザインノマナビヲヒラク) 教科横断で育てる協働的課題解決の力 (キョウカオウダンデソダテルキョウドウテキカダイカイケツノチカラ)

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発行:明石書店
B5判
208ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-7503-5096-7   COPY
ISBN 13
9784750350967   COPY
ISBN 10h
4-7503-5096-6   COPY
ISBN 10
4750350966   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0037  
0:一般 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年10月30日
書店発売日
登録日
2020年10月12日
最終更新日
2021年4月13日
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紹介

コミュニケーション・デザインとは、協働的コミュニケーションを効果的にデザイン(構成・創出)することで、コミュニケーション・デザイン科(CD科)とは、論理的・創造的な思考力を働かせ、協働的な問題解決のための構想や計画を練り、よりよい生活や社会の実現をめざす基盤となるコミュニケーション能力を育成しようとする教育課程のことです。
約4年にわたる中学校での実践にもとづき、CD科の概要から、授業実践事例、実践による学校と教師の変容、さらに卒業生が現在CD科での学びをどのように活かしているかまで、約30名もの様々な教科の教師がまとめた一冊です。

目次

 刊行にあたって――コミュニケーション・デザイン科(CD科)の教育実践に接して
 はじめに

第1章 教科等横断的な資質能力の育成をどう進めるか? コミュニケーション・デザイン科とは?
 1.コミュニケーション・デザイン科(CD科)で協働的な課題解決の力を育てる
 2.教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成から見るCD科の意義
 3.コミュニケーション・デザイン科学習指導要領

第2章 コミュニケーション・デザイン科の授業事例
 1.【ESD座標軸での分類】考えよう! 社会や地球の問題
 2.【考えたことを分類する】「いのち」について考えよう
 3.【批判的に考える】情報の矛盾に気づこう!
 4.【批判的思考】それって本当?!――情報を鵜呑みにしない
 5.【社会的ジレンマ】あなたの行動を決めるのは何?
 6.【見通しを持ったプロジェクト活動】生徒祭の成功に向けて! 何をやる? いつやる? 誰がやる?
 7.【ワザカードで振り返ろう】言葉の壁をビヨ~ンと越えてつながろう!――グローバル環境・ランゲージ大作戦
 8.【評価と選択】世界に打って出るプロジェクトを選ぼう
 9.【伝え方と伝わり方】ものは言いよう――アサーティブな会話とは?
 10.【仲間と協働して考え、創り出す】平和のためにできること
 11.【聴きたいことのポイントをおさえ、わかりやすく伝える】インタビューの技法――研究室訪問
 12.【学級での話し合いのしかた】学級目標・体育大会目標をつくろう
 13.【対立の解消】多様な考えから解決策を見いだそう!
 14.【行事のより良い形を考える】おもてなしのデザイン
 15.【取材を成功させるための交渉術】上手なアポイントメントのとり方
 16.【外部の人と交渉する】被災地の特産物の売り上げを支援しよう
 17.【様々な表現で伝える】言葉の壁を越えてつながろう――様々な表現方法の特徴を捉えよう
 18.【助け合う社会を支えるひとりになる】血液事業から考えるわたしたちの社会
 19.【人の多様性について考える】分かりやすいカルタで自分の想いを表現しよう
 20.【身の回りの広告】グラフの誇張やデータの偏りに気をつけよう!
 21.【動画で伝える】班のPR CMを作ろう
 22.【言葉と写真で伝える】ポスターは「What to say とHow to say」で

第3章 コミュニケーション・デザイン科をつくる
 1.内容をつくる
 2.コミュニケーション・デザイン科の授業をつくる
 3.CD科の学習評価方法について
 4.教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成と教科・授業づくりの視点から見たCD科
 5.教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成と学習評価

第4章 教師が学校が変わった
 1.生徒がそして教師が変わった!
 2.CD科が学校のカリキュラムづくりに示唆するもの

第5章 平成29年度版学習指導要領への対応
 1.CD科の授業を「平成29年度版学習指導要領」による教育課程のもとで実施する
  CD科モデルカリキュラム1年
  CD科モデルカリキュラム2年
  CD科モデルカリキュラム3年

 おわりに

 お茶の水女子大学附属中学校 沿革

前書きなど

刊行にあたって――コミュニケーション・デザイン科(CD科)の教育実践に接して[お茶の水女子大学附属中学校長:池田全之]

 お茶の水女子大学附属中学校のコミュニケーション・デザイン科の研究は、加賀美前附属中学校長のもとで始まった研究である。私が加賀美先生の後を承けて校長に就任したときには、新教科としての立ち上げが終わり、その研究の成果を各教科、領域に反映させる段階に研究が進展していた。このように深化した本校の教育実践に接するにつけ、CD科がもたらした豊かな成果に瞠目することがしばしばである。そこで、私の専門分野が教育哲学であることから、私がCD科の実践に接して感銘を受けたことを、思想史の脈絡で少し述べてみたいと思う。
 まず何よりも、附属中学校の教育実践に接して驚いたのは、子どもたちが協働的な学習において、ICTツールを駆使して意見を交わし合う姿に接してであった。異質な他者と意見を交換しながら自身の考えを深めていく教育実践は、附属小学校でも大切にされており、お茶の水女子大学附属学校の教育の共通した根幹をなしている考え方である。だが、小学校段階では、子どもたちがサークル状に座り対面で意見を交わしあうのに対して、附属中学校の教育実践においては、パソコンに自分の意見を入力し、さらにその意見にコメントを互いに付しあいながら、生徒たちは議論を深めていく。もちろん、このような教育実践が可能になるのも、子どもの発達段階が高まっていることによる。そして、近年のICT機器の進歩が可能にしていると言えるだろう。

 (…中略…)

 このように、CD科で学ぶ子どもたちの中では、来たるべき時代の萌しとして、時間・空間観念の拡張と他者との共感力の更新が見られると思われたのである。ただし、ICT機器を活用することによる共感力の拡張を促す本校の教育実践においては、もうひとつ注目しなければならないことがある。それは、ICT機器を教育現場で活用するとしても、決して情報機器を活用した子どもの自己学習が考えられているのではないということである。つまり子どもが学習過程で取り組むのが主にディスプレイ上の映像であるとしても、「映像のどこに目を向けたらいいのか」といった子どもの思考を促す語りかけや対話のあり方に工夫が凝らされている。CD科における教育実践に見られるICT機器の活用術や子どもの思考を促す対話のあり方など、本校が精力的に取り組んできた実践例が、本書を手にされる方の日々の教育実践を構想する際に裨益するものがあれば幸いである。

上記内容は本書刊行時のものです。