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パパは女子高生だった
女の子だったパパが最高裁で逆転勝訴してつかんだ家族のカタチ
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年10月1日
- 書店発売日
- 2019年10月1日
- 登録日
- 2019年9月13日
- 最終更新日
- 2019年10月11日
紹介
性同一性障がいのため戸籍の性別を女性から男性に訂正し、結婚した著者。非配偶者間人工授精(AID)で妻が産んだ子の出生届を役所に出すと、父親の名前を消すよう促された。納得できずに裁判を起こし、最高裁で逆転勝訴を勝ち取ったパパと家族の記録。
目次
はじめに――どこにでもいる、家族。
第1章 パパは女子高生だった
○パパは「男の子になりたかった」
○パパは武装した! バレたくなかった!
○パパ、女子校に行く
○あっ、ここ女子校じゃん! 恋多き「男」、パラダイスを生きる!
○男子トイレに入ってやったぞ!
○僕はコレだ! やっと自分が「何か」がわかる
○パパ、言っちゃった。勇気を出した
○パパは生き方を考えた
○やっとコイツともおさらばだ!
○あっ! この人と結婚したい!
○何で「親不孝者」?
○結婚するには、まだ問題があったんだ
○初めての海外! 初めてのタイで手術!
○ついに結婚したぞぉ!
○パパのウキウキ新婚生活
○パパは子どもがほしい
○ボク、来たよ!
第2章 父親になった僕
○僕の心はジェットコースター
○悩みに悩んで、悩みぬく
○僕たちは、ひとりぼっちだった
○パパは我が子にメロメロだ
○もうコレしかない! 裁判を起こしてやる!!
○やった! 家族が増えた!
○何でこんなにあっさりしてるんだ!?
○めっちゃ悔しい! 三人目が授かれない
○どーだ! まいったか! 大逆転でつかんだ勝利!!
第3章 私はいつも、良のとなりで
○こんなハズじゃなかった!
○出会いは八年前。すべてはそこから始まった
○とりあえず、付き合ってみるか!
○あたし、母親になる自信なんてない!
○「母親業」に精を出そうと思ったのに!
○かわいくてしかたない子どもたち
○夫婦って、家族ってそんなモノ
第4章 これがボクたち家族のカタチ
○お風呂の時間
○パパは講演活動を始めたよ!
○講演活動のあれこれ
○ちょっとずつ前進だ!
○この人と結婚したんやから、しゃあないか!
○キャンピングカーが我が家にやってきた
○幼稚園デビューのお兄ちゃん
○事件だ事件だ!
○ピカピカの一年生! 粘土工作をしながらがんばるお兄ちゃん!
○ボクはこれが好きなんだ!
○ボクたち、どうやって生まれてきたん?
○次はボクの番だ! ボクは幼稚園のもも組さん
○ボクたち家族の毎年恒例行事
○ボクたちはボクたち。「ひとつの家族」
おわりに――この本を読んでくださったみなさまへ
解説――多様性が肯定される、誰にとっても生きやすい社会へ(弁護士 山下敏雅)
前書きなど
はじめに――どこにでもいる、家族。
用意された服を着るのは嫌いだった。
指示された席に座るのは辛かった。
だけど、僕は自分の気持ちを言えなかった。かわりに、嘘をついてやり過ごした。居場所がないような気がして、辛かった幼少期。
小学校でピカピカのランドセルを背負っても、中学校で部活に明け暮れても、辛く苦しい気持ちは付いて回った。高校ではそれが倍増した。でも、自分をコントロールする術を少し覚えた。気の持ちようで、高校生活はなかなか楽しめた。
あの日、「3年B組金八先生」を見た時の衝撃は忘れられない。自分自身が何者かがわかった瞬間だった。
人生で最高の出会いもあった。あの日、あの場所で妻に出会わなかったら、今の僕はなかったといっていい。
妻と出会って、僕の人生はバラ色になった。
結婚するまでは遠距離恋愛。週末を楽しみに、せっせと働いた。結婚したのは二十代後半。プロポーズを受け入れてくれた時は、天まで届くほどに舞い上がった。
子どもも授かった。僕たち夫婦は、自分たちにできるやり方で「家族」をつくった。
子育ては、とても楽しい。子どもと向き合う時間が、かけがえのない宝物になっていった。
僕の家族は、四人。僕、妻、二人の子どもたちの四人家族だ。どこにでもいる、家族。
ただひとつ。
たったひとつだけ、違ったことといえば、僕が女の子として生まれたということだった。
上記内容は本書刊行時のものです。