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希望の対話的リカバリー
心に生きづらさをもつ人たちの蘇生法
原書: Heartbeats of Hope: The Empowerment Way to Recover Your Life
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年9月15日
- 書店発売日
- 2019年9月15日
- 登録日
- 2019年9月2日
- 最終更新日
- 2019年9月27日
紹介
国際的な精神障害当事者運動のリーダーであり、精神科医として長年実践を重ねてきた著者による集大成の書を全訳。当事者の「私たち抜きで私たちのことを決めるな」の声に立脚し、リカバリー(回復)が対話を通して実現することを様々な具体例を示しつつ詳述。
目次
私たち抜きで私たちのことを決めるな:日本のみなさんへ
各章の要約
語についての説明
はじめに
第1部 私の生をリカバーする
第1章 他者のために存在する
第2章 自分自身の声を見つけ出す
第3章 他者と調和して自らの生を生きる
第2部 エンパワメントを通した生のリカバリー
第4章 私の生のリカバリーを通して私が学んだこと
第5章 生をリカバーするためのエンパワメントの過程
第3部 情動的対話を通した生のリカバリー
第6章 生の対話的リカバリーとは何か?
第7章 自らの声を見つけ出す
第8章 エンパワーする対話をエモーショナルCPRを通して学ぶ
第9章 リカバリーの対話を通した文化変容
第10章 オープン・ダイアローグを通して生のリカバリーをうながす
第11章 コミュニティ・ライフのリカバリーに関する私の考え
謝辞
付録
文献
訳者あとがき
訳注
前書きなど
はじめに
なぜ私はこの本を書いたのか? 最初は、精神保健システムが統合失調症としてラベルづけするものから私がリカバーした1)ということを示したかった。この本を書くことで、統合失調症や他の深刻な診断名のラベルを貼られた人たちに希望を与えたかった。しかし、書き進むうちに、そして、生きているうちにわかってきたのは、「メンタルヘルスの病気」とされるものからのリカバリーにおいて私や他の人たちが学んだ教えが、すべての人にとって、より十全でより意味ある生を営む助けになるということだった。ラベルや症状を通して生を描くのではなく、生の普遍的な面を強調したい。深刻な情動的(emotional)状態からのリカバリーの本質をとらえるのに大切なことは、そういった状態が、精神疾患ではなく、成長や発達のための重要な機会であるということを理解することである。
私は、言葉を超えた、存在の次元があることを見つけ出した。それは生の炎だ。私たちの存在の火花が消えかかっているとき、それが再び燃え上がるには他者が不可欠である。若かった頃、私は言葉と思考が生の最も重要な側面だと考えていた。「我思う、ゆえに我あり」が私の哲学だった。人びとは、私が深い思考に到達するための単なる手段でしかなかった。しかし、幸運なことに、私は崩壊し、自分を包み込んでいた繭をブレイクスルーすることができた。今、私にわかるのは、自分が生き方についてあべこべの考えをもっていたということである。私はこう言うべきだったのだ。「我あり、ゆえに我思う」 そして、「我つながる、ゆえに我あり」。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。