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思春期からの子ども虐待予防教育
保健・福祉・教育専門職が教える、親になる前に知っておいてほしいこと
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年12月15日
- 書店発売日
- 2018年12月15日
- 登録日
- 2018年11月22日
- 最終更新日
- 2018年12月4日
紹介
子ども虐待が起こる背景には、親や子どもの身体的・精神的要因から社会的・経済的なものまで、様々なリスク要因が潜んでいると言われている。思春期の男子生徒も含む若者に効果的な虐待の予防教育は? 望まない妊娠や若年での妊娠・結婚、貧困や孤立、赤ちゃんの「泣き」や揺さぶられ症候群、子どもの障害や睡眠、世代間伝達、体罰の肯定感等について授業実践を元に平易にまとめた一冊。
目次
はじめに
目次
序章 親になる前の教育
子ども虐待の発生予防学習の現状
男性への教育1(歴史的背景と脳機能)
男性への教育2(いまどきの父親)
いじめの防止と適切な養育
親の役割
ニーズに合わせる
この本の内容(了承のお願い)
第1章 望まない妊娠と若年妊娠の予防
背景にあるもの
中絶と避妊
意識の変化を起こす中絶・避妊の授業
親の大変さを知る・子育て体験について
親の大変さを知る・経済的な予備知識
親の大変さを知る・子どもの1日と成長
第2章 虐待の予防のための子育ての知識と体験
世代間伝達の防止につながる考え方
愛着の形成について
成長・発達に関する知識
共感性を養う
子どもの遊び・ゲームについて
子どもの遊び・発達との関係
第3章 貧困と孤立
貧困の背景
支援・制度の使い方
貧困の意味の変遷
貧困と虐待との関連
孤立との関連
孤立の意味
支援の届け方
第4章 母親の心身の状況
産後うつ
離婚の危機
第5章 赤ちゃんの“泣き”と揺さぶられ症候群
揺さぶられ症候群にいたる背景
赤ちゃんはなぜ泣くか
揺さぶられ症候群への対処
第6章 子どもの側の問題
発達障がい
睡眠の昼夜逆転
眠育
正しい睡眠の阻害要因
第7章 世代間伝達の予防
虐待被害者への支援
生育歴の振り返り
生育歴の振り返りの注意
第8章 体罰の肯定観の否定
体罰肯定観の否定の困難さ
体罰肯定観の否定のための対策・方法
体罰しないしつけの方法
虐待のなくならない要因・教員の責任
第9章 虐待要因の理解と予防策のまとめ
理解のための一歩
要因の解説と予防策のまとめ
終わりに
前書きなど
はじめに
週に1度は必ずと言っていいほど、「子どもをなぐって死亡させた」「食べ物が与えられず、やせ細って発見された」など子ども虐待に関する報道があります。この本を手に取っておられる方は、そんな報道を聞いて心が痛むというより、もっと切実で重い、くやしさや悲しさの入り混じった、いたたまれない思いをされているのではないでしょうか。しかしながら、そんな報道はあとを絶ちません。
(…中略…)
家庭科の教員として働く動機のひとつに、「虐待(当時はせっかんと呼んでいました)された生徒の気持ちをわかってやりたい。せっかんするような子育てではなく、適切な子育てを教えたい」という気持ちがありました。教員になって初めての保育の授業で「しつけで一番大事なことは、親のいらいらなど気分でしからないこと。したことの悪さの大きさに合わせて、しかり方の大きさも変えること。冷静で一貫したしかり方が大切」と教えることができた時、少しはせっかん(虐待)の予防に役立ったかもしれないと、高揚した気持ちになったことを今も思いだします。
そうやって、働き始めた1985年から今まで、子ども虐待を予防するための学習を、一つひとつ増やし、積み重ねてきた結果がこの本です。
自分一人で教えても年に280人がせいぜいですが、この本の内容を多くの方と共有し、虐待の発生を出産よりも前から予防できないかという願いから出版しました。
この学習法で、すべての子ども虐待を予防できるとは思っていません。しかし予防できることも中にはあるはずです。
親になる前に…、虐待してしまう前に…、この本を読んだ方がそれぞれの立場で…、皆でやれることだけは、やっておきませんか。
上記内容は本書刊行時のものです。