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貧困問題最前線
いま、私たちに何ができるか
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年11月30日
- 書店発売日
- 2018年11月30日
- 登録日
- 2018年11月21日
- 最終更新日
- 2018年12月4日
紹介
「一億総貧困時代」ともいわれる今、大阪弁護士会の企画により、高齢者を含む貧困問題全般、奨学金問題、住宅問題、子どもの貧困といったテーマごとに貧困の現状を学び、さらに自治体による困窮者支援、国の財政のあり方といった解決の方策を探るための一冊。
目次
はじめに
第1章 こんな社会に誰がした?――一億総「最底辺」社会[藤田孝典]
年間相談件数は500件
子どもの貧困
最低賃金の引き上げが急務
若者の貧困
高齢者の貧困
ぼろぼろの社会をどう立て直すか
第2章 もう奨学金なんて借りたくない!――「奨学金」という名のローン地獄[岩重佳治]
大学生は一日780円で生活している
学費が高すぎる
取り立ての実態
返済制度の落とし穴
制度を変えるしかない
救済のための手段
耐える「強さ」を、変える力に
コラム 大学生の奨学金・アルバイトについての実態報告
第3章 住むことだって、大変だ――住まいの貧困(ハウジングプア)を考える[稲葉剛]
住居を失うことがきっかけでおきた事件
「住居を失う」ことで失うもの
住居喪失の深刻化
「追い出し屋」の横行
ワーキングプアであるがゆえにハウジングプアになる
「若者の住宅問題」調査
高齢者の住まいの貧困
住まいのない人が生活保護を申請すると
高齢者・障害者への入居差別
居住福祉政策の一元化と民間の取り組み
住宅政策をどうすべきか
第4章 「子どもの貧困」を考える――貧困の連鎖の現状と課題[中塚久美子]
取材のきっかけ
数字から見る相対的貧困
教育格差とは
虐待と貧困
貧困は連鎖するか
税制からみる
子どもたちの状況
様々な支援
外国での支援事例
最後に
第5章 生活に困った市民に行政はなにができるのか――基礎自治体だからこそ取り組めること[生水裕美]
「相談」はおもしろい
ドウタクくんの生活支援
ドウタクくんの生活再建プラン
家計簿をつけることから
野洲市の子ども支援
コラム 生活困窮者自立支援に関する大阪弁護士会の取り組み
第6章 格差と貧困に財政はなにができるのか――諸外国の取り組みに学ぶ[諸富徹]
現在の日本の財政は
なぜ、税収が不十分なのか
グローバル化と税制
グローバル・タックスとはなにか
「社会的投資国家」とは?
あとがき
前書きなど
はじめに
(…前略…)
そこで、私たちは、2017年8月から改めて「貧困問題連続市民講座リターンズ」を開催することとしました。今回は、全6回でしたが、まずは、高齢者を含む貧困問題全般、奨学金問題、住宅問題、子どもの貧困といったテーマごとに貧困の現状を学び、それをふまえて、自治体による困窮者支援、国の財政のあり方といった解決の方策についても学びました。本書は、その講演録を読みやすくまとめたものです。御多忙中にもかかわらず、講演と書籍化のための校正作業にご協力いただいた、各分野の第一線の講師の方々に、改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
格差と貧困の解決は、国のあり方そのものにかかわる大きな問題です。一朝一夕に解決するものではないかもしれませんが、私たちは、引き続き、行政機関や市民の方々との連携を深めながら、ねばり強く取り組みを進めて参ります。本書が多くの市民の方々に読まれ、貧困問題を解決するための一助となれは、これ以上の喜びはありません。
上記内容は本書刊行時のものです。