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現代中国を知るための52章【第6版】 藤野 彰(編著) - 明石書店
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現代中国を知るための52章【第6版】 (ゲンダイチュウゴクヲシルタメノゴジュウニショウダイロクハン)

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発行:明石書店
四六判
452ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-7503-4751-6   COPY
ISBN 13
9784750347516   COPY
ISBN 10h
4-7503-4751-5   COPY
ISBN 10
4750347515   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0336  
0:一般 3:全集・双書 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年11月30日
書店発売日
登録日
2018年11月16日
最終更新日
2018年12月4日
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紹介

1978年末より始まった中国の改革・開放は2018年で40年を迎えた。その歩みは、高度経済成長があり豊かな社会が実現したが、民主化を棚上げしつつ、習近平総書記は長期政権の土台を固めた。本書は習近平以後の中国の新情勢を丁寧に解説する。

目次

改革・開放40年と中国型発展モデルの功罪――まえがきにかえて


Ⅰ 習近平政権2期目の内政動向

第1章 建国以来70年の政治激動――曲折の歩みと累積する歴史の負債
第2章 世界最前列を目指す「中国の夢」――ナショナリズムに彩られた青写真
第3章 習近平「一強」体制の始動――第19回党大会と長期政権実現への布石
第4章 膨張する巨大政党のメカニズム――強化される組織基盤と進行する世代交代
第5章 一党独裁システムの内部矛盾――「人治」と「党の指導」がもたらす歪み
第6章 抑圧強まる人権・民主化――浸透する「普遍的価値観」への危機感
第7章 主要な政治思潮と劉暁波の民主思想――封殺される「自由派」の言論空間
第8章 「腐敗撲滅」作戦の内実――党による「党の管理」の矛盾と限界
第9章 波紋を広げる軍事強国路線――海洋進出、宇宙開発を急ぐ「党の軍隊」
第10章 漢族優位の多民族「共生」国家――少数民族の「同化」危機と政治経済格差
第11章 出口の見えないチベット問題――「ダライ・ラマ亡命」60年の閉塞感
第12章 火薬庫の新疆ウイグル情勢――先鋭化するイスラム系民族の抵抗
第13章 習近平の「宗教中国化」――宗教興隆の陰で強まる党の介入


Ⅱ 転換期経済の新発展戦略

第14章 「新常態」下の成長モデル――中高速成長への転換と経済構造改革
第15章 急成長するニューエコノミー――「信用の担保」と「社会問題の解決」
第16章 守りの国有企業改革――市場原理と一線を画し、党の管理・指導を強化
第17章 沸騰する不動産バブル――拡散する投資マネーとの攻防戦
第18章 株式バブルの発生と崩壊――シャドーバンキング規制が資金流入を加速
第19章 「上海自貿区」への期待と失望――「ヒト・モノ・カネ」自由化の模索
第20章 本格化するイノベーション――新たな価値をつくる「創造大国」への挑戦
第21章 社会主義と市場経済――「曖昧な制度」が生み出す不確実性
第22章 変容する対中直接投資――「世界の工場」から「世界の市場」へ
第23章 論議を呼ぶ「一帯一路」――巨大経済圏構想がもくろむ勢力圏拡大
第24章 深化する日中経済交流――隣りあう経済大国の相互補完の潜在力
第25章 中国GDP統計の信頼度――過大評価と過小評価のはざまで揺れる数値
第26章 激増するエネルギー需要と環境保全――高度成長が引き起こす世界的波紋


Ⅲ 多元化する社会の地殻変動

第27章 台頭する中間層の政治社会意識――交錯する改革志向と安定志向
第28章 社会を変える「80後」「90後」――起業意欲に富む一方で愛国心も旺盛
第29章 メディア改革と「報道の自由」――ネット時代の管理はどこまで可能か
第30章 拡大する情報空間の世論――SNS「民意」をめぐるせめぎあい
第31章 「公民社会」のカギを握るNGO――高まる存在感と政治による統制強化
第32章 ジェンダーとフェミニズム運動――女性の権利拡大は進んだか
第33章 都市と農村で広がる教育格差――発展のひずみに翻弄される子どもたち
第34章 愛国主義発揚の歴史教育――排除される不都合な歴史事実
第35章 海外移民と亡命者たち――改革・開放の風波のなかで越境する文学
第36章 信者が急増するキリスト教――政治への幻滅を背景に社会的弱者を吸引
第37章 根強い「食の安全」不信――後手に回る行政の管理・監督体制


Ⅳ 揺れ動く対外関係と台湾・香港

第38章 協調と摩擦の大国外交――国益グローバル化を背景に積極攻勢
第39章 岐路に立つ米中――「新しい大国関係」へのつばぜりあい
第40章 相互不信の日中40年――「成熟した関係」を阻む歴史問題
第41章 尖閣をめぐる日中の攻防――激突する領有権と緊迫事態の恒常化
第42章 日米をにらんだ対韓外交――対北と経済が拍車をかける相互依存
第43章 接近と反目の中朝関係――核ミサイル開発に翻弄される疑似同盟
第44章 ASEANへの「南進」政策――経済・援助をテコに存在感拡大
第45章 一触即発の南シナ海紛争――「内海化」へ向けた中国の実効支配
第46章 疑心暗鬼の中印2大国――南アジアの「覇権」をめぐり綱引き
第47章 中露の深まる連携――多極化、対米を念頭に戦略的共闘
第48章 重層化する対欧州関係――経済優先で後景に退く人権・民主化
第49章 中南米に延伸する「一帯一路」――「米国の裏庭」を脅かす経済外交
第50章 アフリカを覆う「中国の影」――加速する経済進出と高まる対中警戒感
第51章 狭まる台湾包囲網――経済緊密化の陰で増大する統一圧力
第52章 香港を侵食する「中国化」――形骸化が進む「一国二制度」の行方

前書きなど

改革・開放40年と中国型発展モデルの功罪──まえがきにかえて

 (…前略…)

 本書は2016年12月に刊行した『現代中国を知るための44章【第5版】』を基礎として、内容を全面的に改稿し、再構成した最新版の現代中国概説書である。従来通り、政治、経済、社会、外交の4分野の多様なテーマを取り上げ、【第5版】発行以降に起きた出来事や新しい情報、データを最大限盛り込むよう努めるとともに、写真や図表も刷新した。特に、2017年10月に第19回党大会が開かれ、2期目の習近平政権が発足した事態を受けて、新情勢の丁寧な解説に注意を払った。
 中国について考えることは、日本、アジア、ひいては世界の有り様を考えることにつながる。例えば、中国の「脅威」について考えるとき、中国モデルの功罪を論じるのは当然としても、真に問うべきなのは中国モデルの挑戦を受けている日本や欧米の民主主義モデルの本来的な価値そのものなのだ。結局のところ、中国問題とセットで目の前に突きつけられているのは「私たち自身の問題」なのである。
 メディアで中国が語られない日はほとんどないほどその存在が重みを増している今日、好き嫌いの感情や独りよがりなイメージを排して「中国の実像を知る」ことの重要性はこれまでになく高まっていると言うべきだろう。本書がその一助となることを切に願っている。

 (…後略…)

著者プロフィール

藤野 彰  (フジノ アキラ)  (編著

中国問題ジャーナリスト、北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院教授。1955年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。読売新聞上海特派員、北京特派員、シンガポール支局長、国際部次長、中国総局長、編集委員を歴任。専門は現代中国論。中国政治、中国共産党史を中心に研究。主な著書に『嘆きの中国報道』(亜紀書房)、『現代中国の苦悩』(日中出版)、『臨界点の中国』(集広舎)、『「嫌中」時代の中国論』(柏艪舎)、『客家と中国革命』(東方書店、共著)。訳書に『わが父・鄧小平 「文革」歳月』(中央公論新社、共訳)など。

追記

【執筆者一覧】

安生隆行(あんじょう・たかゆき)
外務省第三国際情報官室専門分析員。1979年生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。2004~11年、日本商工会議所に勤務(2008~10年は在広州日本国総領事館専門調査員)後、2018年3月まで在上海日本国総領事館専門調査員を務める。共著書に『日中関係は本当に最悪なのか――政治対立下の経済発信力』(日本僑報社)。ほかに雑誌への寄稿多数。

石井利尚(いしい・としなお)
読売新聞東京本社編集局世論調査部次長。1965年生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。北京特派員、経済部記者、台北特派員、国際部次長などを経て現職。共著書に『膨張中国』(中公新書)、『チャイナNOW――50歳の中国診断』(中央公論新社)。共訳書に『2030年 中国はこうなる』(科学出版社東京)。

及川淳子(おいかわ・じゅんこ)
中央大学文学部准教授。日本大学大学院総合社会情報研究科博士後期課程修了、博士(総合社会文化)。専門は現代中国の社会、特に言論空間に関する研究。主な著書に『現代中国の言論空間と政治文化――「李鋭ネットワーク」の形成と変容』(御茶の水書房)、『中国リベラリズムの政治空間』(勉誠出版、共著)など。

佐藤千歳(さとう・ちとせ)
北海商科大学商学部准教授。1974年生まれ。東京大学教養学部地域文化研究学科卒。北海道新聞国際部記者、北京支局長を経て、北海道大学文学研究科修士課程修了。2013年より現職。著書に『現代中国の宗教変動とアジアのキリスト教』(北海道大学出版会、共著)、『インターネットと中国共産党』(講談社)など。

西茹(シー・ルー)
北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院准教授。1986年、瀋陽師範学院中国語言文学系卒。寧省『新思惟輯刊』『寧青年』編集者を経て、北海道大学大学院国際広報メディア研究科博士課程修了、博士。2008年より現職。著書に『中国の経済体制改革とメディア』(集広舎)、『習近平政権の言論統制』(蒼蒼社、共著)など。

西村友作(にしむら・ゆうさく)
対外経済貿易大学国際経済研究院教授。1974年生まれ。2010年に中国の経済金融系重点大学である対外経済貿易大学で経済学博士を取得し、同大学で日本人初の専任講師として採用される。同副教授を経て、2018年より現職。日本銀行北京事務所客員研究員。専門は中国経済・金融。

藤野彰(ふじの・あきら) ※編著者プロフィールを参照

三竝康平(みつなみ・こうへい)
帝京大学経済学部助教。2015年、神戸大学大学院経済学研究科博士課程後期課程修了、博士(経済学)。主な研究業績に、中兼和津次・三竝康平「民営化、市場化と制度化の連鎖関係――民営化は市場の発展に必要か」加藤弘之・梶谷懐編『二重の罠を超えて進む中国型資本主義――曖昧な制度の実証分析』第7章(ミネルヴァ書房)など。

山田周平(やまだ・しゅうへい)
日本経済新聞社編集局企業報道部シニア・エディター。1968年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。北京大学外資企業EMBA班修了。台北支局長、産業部キャップ、アジア部次長、中国総局長などを経て現職。全国通訳案内士(中国語)資格を持つ。共著書に『習近平の支配』『中国バブル崩壊』(以上、日本経済新聞出版社)など。

吉田健一(よしだ・けんいち)
読売新聞東京本社編集局国際部次長。1969年生まれ。大阪外国語大学タイ・ベトナム語学科ベトナム語専攻卒。香港特派員、広州特派員、リオデジャネイロ特派員、ハノイ特派員などを経て現職。共著書に『膨張中国』(中公新書)、『日中対立を超える「発信力」――中国報道最前線総局長・特派員たちの声』(日本僑報社)など。

劉燕子(リュウ・イェンズ)
作家、現代中国文学者。大学で教鞭を執りつつ、バイリンガルで著述・翻訳。関西大学博士前期課程修了。日本語編著訳書に『中国低層訪談録』『殺劫――チベットの文化大革命』『劉暁波伝』(以上、集広舎)、『天安門事件から「〇八憲章」へ』(藤原書店)、論文に「社会暴力の動因と大虐殺の実相」(『思想』2016年1月号)など。中国語の著訳書に『這条河,流過誰的前生與後生?』『没有墓碑的草原』など多数。

魯諍(ろ・そう)
北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程在学中。同大学院修士課程修了後、2006年から2014年まで読売新聞瀋陽支局、同中国総局で助手を務める。共著書に『日中対立を超える「発信力」――中国報道最前線総局長・特派員たちの声』(日本僑報社)。共訳書に『中国における報道の自由』(桜美林大学北東アジア総合研究所)。

上記内容は本書刊行時のものです。