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聴覚障害児の学習と指導
発達と心理学的基礎
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年9月30日
- 書店発売日
- 2018年9月30日
- 登録日
- 2018年9月21日
- 最終更新日
- 2018年10月3日
紹介
聴覚障害児の言語、心理、発達等に関する基礎的な研究知見をはじめ現在の教育における論点を明示。言語、リテラシー、数の能力、認知、社会・情緒的側面からコミュニケーション方法と言語との関係、マルチメディア教育の今後や学校・学級の環境要因まで、広範な内容を科学的な視点から記述し、基礎と実践との融合を図った教育実践者のための一冊。
目次
序
原書の序と謝辞
本書での用語の使用について
第1章 学習と指導の本質的要素
発達と学習――生得的特性と発達環境
学習の環境的特徴
学習の起源
学校でのフォーマルな学習
個別的、協働的、協調的学習
学習と指導
エビデンスベース教育
研究と実践の統合
第2章 学習者としての聴覚障害児
音声、音、そして聴覚
聴力の損失
聴力の損失とろうであること
学校での聴覚障害児
過去を振り返りつつ将来を見据える
第3章 家庭で始まる学習
コミュニケーションと言語
社会的やりとりの基礎
窓と場としての遊び
家族の中の聴覚障害児
乳幼段階と幼稚部での指導と心理的配慮
第4章 言語発達
言語
手話言語
マルチモダリティとサインシステム
言語発達
バイリンガルと外国語教育
聴覚障害児の音声言語獲得
聴覚障害児の手話言語獲得
言語から学習へ
第5章 言語のアセスメントと指導
言語の学習
言語能力のアセスメント
教育での言語へのアクセシビリティの向上
高等教育での言語へのアクセシビリティの向上
バイリンガル教育による言語運用能力向上の推進
学級内でのやりとりを通した言語発達の促進
直接的な言語指導
言語のアセスメントと指導――現状は?
第6章 認知的発達と学習
知能と認知
視覚的注意と視覚認知
記憶と学習
実行機能とメタ認知
社会性の認知と心の理論
これまでの議論が意味すること
第7章 社会性・情緒の発達と学習
社会性、情緒、学力の間の関係
聴覚障害児の情動的発達
社会性の発達
メンタルヘルスとQOL
予防要因の促進――子供・家族・学校
ではそれについて私たちは何ができるのか?
第8章 教科の成績と指導――リテラシー
聴覚障害児の成績の理解
読み
聴覚障害児へのバイリンガル教育
書くこと
第9章 教科学習と指導――国語、算数・数学、理科の学習
国語の指導
算数・数学の指導
算数・数学指導の実際
理科の指導
第10章 コンピューター活用によるマルチメディア学習
デジタル革命
マルチメディア学習
マルチメディア学習に影響する学習者の特質
効果的なマルチメディア指導計画
教育的支援
聴覚障害児へのマルチメディア、コンピューター支援学習の効果
聴覚障害児へのマルチメディア指導の未来
第11章 学習と環境
就学の場の理解
就学の場と学業成績
学級運営
では、我々はそれに対して何ができるだろうか?
第12章 これからの方向性
聴覚障害児の指導に関わる4つの要因
研究と実践とのギャップを意識する
教員養成と研修――エビデンスベースの指導に向けて
日本の聴覚障害教育の課題
文献(英語)
文献(日本語)
索引
前書きなど
序
現在、わが国では、インクルーシブ教育の展開と共に、聴覚障害児の教育の場の拡大や、対象となる子供たちに関わる心理的な要因が多様化しているため、教育の専門性が、特別支援学校や通常の学級などの、幅広い教育の場で強く求められている。しかし、指導に携わる教師が、専門性を学び、身につけるための研修の機会や参考書は必ずしも十分ではなく、特に、心理学を基盤として聴覚障害児の学習や指導に関して書かれた本は少ない。聴覚障害児の指導では、学習者の特性とそれに応じた指導内容を十分に理解し、効果的な指導を展開するための実践知が求められる。そのためには、単に指導のノウハウを学ぶのではなく、具体的な指導技術とそれを効果的に実現するための理論的な背景を、実践を通して融合しながら学び、考え続ける必要がある。本書は、このような考えに基づいて、聴覚障害児の学習や指導に関わる心理学と発達に関する基礎知識を提供しようとするものである。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。