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ヴィゴツキー評伝
その生涯と創造の軌跡
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年8月
- 書店発売日
- 2018年8月31日
- 登録日
- 2018年8月16日
- 最終更新日
- 2018年9月11日
紹介
ソビエト・スターリン時代、抑圧されながらも世界で初めて「教育心理学」を打ち立て、その後の障害児教育の理論と実践を方向付けたヴィゴツキー。その思想と生涯をベラルーシ・ゴメリ、レニングラード、モスクワと活動地を辿り、家族や同僚のエピソードを交えながら壮大なスケールで描く。
目次
まえがき
ベラルーシ地図
第Ⅰ章 故郷ベラルーシの日々
1 草原を馬で駆けた少年
2 田舎町オルシャからゴメリへ
3 ヴィゴツキー家の人々
4 アシピス先生の教育
5 ギムナジウムでの学び
6 「ユダヤ人であること」
7 青年ヴィゴツキーの夢と世界観
第Ⅱ章 大学時代
1 二つの大学
2 二つの都市
第Ⅲ章 芸術心理学への歩み
1 読者批評ノートから卒論へ
2 再びゴメリへ、革命・内戦・そして病
3 キエフ、出会いと別れ
4 ヴィゴツキーの「ゴメリ症候群」的な仕事
5 演劇文化活動
6 出版文化活動
第Ⅳ章 教育心理学への道
1 ブロンスキー教授との出会い
2 ゴメリでの教職経験
3 ゴメリから全ロシア会議へ
4 再会の町モスクワ
5 『教育心理学』と『芸術心理学』の刊行
第Ⅴ章 欠陥学を心理学の光に
1 自ら望んだ障害児教育担当
2 ロンドン旅行の写真
3 欠陥学の実践と心理学思想そして闘病
第Ⅵ章 心理学の危機
1 『心理学的危機の歴史的意味』
2 「文化・歴史理論」
第Ⅶ章 回想のヴィゴツキー
1 ヴィゴツキーに会った日本人
2 娘から見た父ヴィゴツキー
3 家族、仲間たち、研究交流
第Ⅷ章 生命尽きてなお
1 最後の日々
2 心理学の世界遺産『思考と言語』
3 ヴィゴツキーとその時代
4 子どもの行動とことば(心理学の宇宙)
5 もう一つの都市ハリコフ
6 ヴィゴツキー・ルネッサンス
7 永遠のヴィゴツキー
あとがき
参考文献
索引
前書きなど
まえがき
誰にでも子ども時代があり、ある日突然大人になった人など一人もいません。それは偉人とか天才と呼ばれる人々も同じです。
すぐれた思想や理論は、それ自体に意味があるだけではありません。創設者の歩みや人生とともに伝えられてはじめて生きたものになるのでしょう。思想や理論が、ある日突然現れたかのように見えたとしても、そこに至るプロセスも、そこから始まるプロセスも重要ではないわけがありません。人間の思想はすべて歴史的に形成され、歴史的に発展していくものであるからです。
本書の主人公レフ・セミョーノヴィチ・ヴィゴツキー(一八九六‐一九三八)についても同じことが言えるでしょう。思想や理論の解説が必要であるのと同じように、彼がそのような思想や理論にどのようにして行きついたのか、その後どう生きたのかを伝えなければなりません。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。