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高齢者の社会的孤立と地域福祉
計量的アプローチによる測定・評価・予防策
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年3月
- 書店発売日
- 2018年3月24日
- 登録日
- 2018年3月22日
- 最終更新日
- 2018年3月27日
紹介
超高齢社会・日本では、高齢者の孤独死などの社会的孤立が深刻化している。本書は、最新かつ多様な調査データに基づいた計量的アプローチにより、高齢者の社会的孤立に関する詳細な測定・評価を行い、今後の孤立予防・軽減策を展望するものである。
目次
序章――本書のねらい
第Ⅰ部 社会的孤立の定義・問題の所在
第1章 社会的孤立とは何か
社会的孤立が議論される背景
社会的孤立の定義と測定方法
高齢者の多くは孤立しているのか
高齢者の社会的孤立研究の課題
第2章 社会的孤立は「問題」といえるのか
離脱理論、社会情緒的選択理論と自発的な孤立
社会的孤立と関連する諸問題
社会的孤立問題の課題共有の必要性
第3章 どの程度の乏しさから社会的孤立と捉えるべきか
健康指標との関連に着目する意義
使用するデータ
交流頻度の多少による要介護認定等の発生率の相違
健康リスクが高まる人との交流頻度の乏しさ:多変量解析
交流頻度が週1回未満・月1回未満という基準
他者との交流が不明な人々
第Ⅱ部 社会的孤立・孤立死の要因
第4章 独居高齢者は社会的に孤立しているのか
高齢期の独居と社会的孤立
使用するデータ
独居状態に至る主要な経緯:独居世帯の多様性
どのような独居が孤立と関連しやすいのか
長期孤立と短期孤立の相違
多様な「独居」に着目する意義
第5章 誰が孤立しやすいのか――社会的孤立の個人要因
システマティック・レビューの動向と課題
人口学的要因との関連
家族形成との関連
社会経済的地位との関連
身体的・精神的健康との関連
無回答・調査拒否と社会的孤立との関係
第6章 孤立死に至る人々はどういう人なのか――セルフ・ネグレクトとの関連
社会的孤立の帰結としての孤立死・孤独死
孤立死とセルフ・ネグレクト(自己放任)
使用するデータ
セルフ・ネグレクト事例の多様性
深刻度との関連:孤立死に至りやすい人々とは
孤立死事案をめぐる今後の課題
第Ⅲ部 孤立予防・軽減にむけた実践と評価
第7章 見守られている人はどういう人か――独居高齢者への見守り活動のプロセス評価
住民主体の見守り活動のプログラム評価の課題
使用するデータ
見守り活動利用・非利用独居者の特性
住民による見守り活動の未充足ニーズ数
見守り活動のプロセス評価の意義
評価に耐えうるデータ整備の必要性
第8章 地域活動の推進は社会的孤立を軽減させるのか
高齢者の社会的孤立・孤独軽減にむけたプログラム
地域活動への参加による孤立軽減効果の可能性
見守り活動や生活支援による孤立軽減効果の可能性
高齢者の社会的孤立軽減にむけた介入研究の課題
第9章 高齢者が孤立しやすい地域はあるのか――社会的孤立の地域環境要因
ポピュレーション・アプローチの可能性
地域環境が個人の社会関係に及ぼす影響
高齢者が孤立しやすい地域はあるのか
地域単位のソーシャル・キャピタルと孤立化/非孤立化との関連
社会的孤立の軽減にむけた地域診断の可能性と課題
結論と展望
本研究で得られた主要な知見
学術的・政策的インプリケーション
本研究の限界と今後の課題
引用文献
あとがき
初出一覧
索引
前書きなど
序章――本書のねらい
(…前略…)
本書で扱う課題
本書では、第Ⅰ部に社会的孤立の定義・問題の所在、第Ⅱ部に社会的孤立・孤立死の要因、第Ⅲ部に孤立予防・軽減にむけた実践と評価を取り上げ、さいごに結論と展望を述べている。
第Ⅰ部では、社会的孤立の定義を整理したうえで、社会的孤立の問題の所在を確認した。(……)
つづく、第Ⅱ部では、高齢者の社会的孤立の関連要因を分析した。(……)
第Ⅲ部では、孤立予防・軽減にむけた地域福祉実践の評価を試み、ポピュレーション戦略にむけた高齢者の社会的孤立に関わる地域環境要因の可能性を検討した。(……)
なお、本書は、統計解析のテキストではないが、社会福祉領域における実証研究の一事例という意味で、データ解析に用いた手法や結果の読み方については可能な限りで解説を加え、各章には関連する用語・トピックに関するコラムを設けている。
上記内容は本書刊行時のものです。