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古代に真実を求めて
発見された倭京――太宰府都城と官道
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年3月
- 書店発売日
- 2018年3月25日
- 登録日
- 2018年3月22日
- 最終更新日
- 2018年9月18日
紹介
筑紫野市から出土した新たな土塁の発見など最新の考古学的知見を取り入れ、多元史観によって九州王朝(倭国)の首都としての太宰府の真実を明らかにする。また大和朝廷=畿内を起点に研究されてきた古代官道を、太宰府を起点としてとらえた先駆的論稿も収録。
目次
巻頭言 真実は頑固である[古賀達也]
特集 発見された倭京――太宰府都城と官道
Ⅰ 九州王朝説による太宰府都城の研究
太宰府都城と羅城[古賀達也]
【コラム①】「竈門山旧記」の太宰府
倭国の城塞首都「太宰府」[正木裕]
【コラム②】三山鎮護の都、太宰府
「都督府」の多元的考察[古賀達也]
【コラム③】『養老律令』の中の九州王朝
大宰府の政治思想[大墨伸明]
太宰府条坊と水城の造営時期[古賀達也]
【コラム④】太宰府条坊の設計「尺」の考察
太宰府都城の年代観――近年の研究成果と九州王朝説[古賀達也]
太宰府大野城の瓦[服部静尚]
条坊都市の多元史観――太宰府と藤原宮の創建年[古賀達也]
【コラム⑤】大宰府政庁遺構の字地名「大裏」
「碾磑」が明らかにする観世音寺の創建[正木裕]
よみがえる「倭京」太宰府――南方諸島の朝貢記録の証言[正木裕]
Ⅱ 九州王朝の古代官道
五畿七道の謎[西村秀己]
「東山道十五國」の比定――西村論文「五畿七道の謎」の例証[山田春廣]
【コラム⑥】東山道都督は軍事機関
南海道の付け替え[西村秀己]
風早に南海道の発見と伊予の「前・中・後」[合田洋一]
古代官道――南海道研究の最先端(土佐国の場合)[別役政光]
【コラム⑦】『長宗我部地検帳』に見る「大道」
古代日本ハイウェーは九州王朝が建設した軍用道路か?[肥沼孝治]
【コラム⑧】九州王朝は駅鈴も作ったか?
一般論文
倭国(九州)年号建元を考える[西村秀己]
前期難波宮の造営準備について[正木裕]
古代の都城――「宮域」に官僚約八〇〇〇人――[服部静尚]
太宰府「戸籍」木簡の考察 付・飛鳥出土木簡の考察[古賀達也]
フォーラム 「倭国(九州)年号」と「評」から見た九州王朝の勢力範囲[服部静尚]
付録 古田史学の会・会則
「古田史学の会」全国世話人・地域の会 名簿
編集後記
前書きなど
巻頭言 真実は頑固である[古賀達也]
(…前略…)
しかし、それでもいう。真実は頑固である。破壊された筑紫土塁になり代わって、その存在と土塁が護ろうとした九州王朝(倭国)の都、太宰府都城の真実を解明し、後世に語り継ぐべく、一冊の書籍をわたしたちは世に残した。それが本書『発見された倭京 太宰府都城と官道』である。本書には「古田史学の会」の研究者により著された「太宰府新論」とも言うべき論稿を収録した。それは従来の大和朝廷支配下の一地方都市としての「大宰府」論ではない。日本列島の代表者として紀元前から七世紀末まで中国の歴代王朝と交流した九州王朝(倭国)の首都としての太宰府の真実を明らかにするべく著された研究論文群である。
さらに、その太宰府を起点として全国に張り巡らされた官道に関する先駆的かつ秀逸の論稿も収録し得た。これら多元的古代官道研究の進展により、九州王朝研究の裾野は広がりを持ち、その権力範囲や統治機構についても立体的に把握することが可能となるであろう。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。