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多文化教育の国際比較
世界10カ国の教育政策と移民政策
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2017年12月
- 書店発売日
- 2017年12月20日
- 登録日
- 2017年12月13日
- 最終更新日
- 2017年12月13日
紹介
世界10カ国における国家統合の理念、戦後の歴史的展開、多様性に関する教育政策・実践といった枠組みによる国際比較を行い、多文化教育に関する国際的な動向を捉えるとともに、移民時代の日本に求められる多文化共生のあり方・教育政策について考察する。
目次
はじめに 多文化共生のシナリオ――多文化教育の国際比較の視角
序章 人の移動と教育を考える視点
1.人の移動と多様性の課題の変遷
2.多文化と教育をめぐる問題の所在
3.本書の分析枠組み
4.まとめ
第1章 英国(イングランド)――シティズンシップの強化
1.英国の基本情報
2.国の物語と国家統合の理念
3.多様性と教育をめぐる歴史的な展開
4.多文化をめぐる教育の取り組みと課題
5.残された課題
第2章 ドイツ――移民国への転換
1.ドイツの基本情報
2.国の物語と国家統合の理念
3.多様性と教育をめぐる歴史的な展開
4.多文化をめぐる教育の取り組みと課題
5.残された課題
第3章 フランス──共和制の理念とライシテ
1.フランスの基本情報
2.国の物語と国家統合の理念
3.多様性と教育をめぐる歴史的な展開
4.多文化をめぐる教育の取り組みと課題
5.残された課題
第4章 アメリカ合衆国──自由と平等のポリティックス
1.アメリカの基本情報
2.国の物語と国家統合の理念
3.多様性と教育をめぐる歴史的な展開
4.多文化をめぐる教育の取り組み
5.残された課題
第5章 カナダ──多文化主義法をもつ国
1.カナダの基本情報
2.国の物語と国家統合の理念
3.多様性と教育をめぐる歴史的な展開
4.多文化をめぐる教育の取り組み
5.残された課題
第6章 オーストラリア――アジア太平洋国家をめざして
1.オーストラリアの基本情報
2.国の物語と国家統合の理念
3.多様性と教育をめぐる歴史的な展開
4.多文化をめぐる教育の取り組み
5.残された課題
第7章 ニュージーランド――二文化主義と多文化主義の葛藤
1.ニュージーランドの基本情報
2.国の物語と国家統合の理念
3.多様性と教育をめぐる歴史的な展開
4.多文化をめぐる教育の取り組み
5.残された課題
第8章 シンガポール――多人種主義とメリトクラシー
1.シンガポールの基本情報
2.国の物語と国家統合の理念
3.多様性と教育をめぐる歴史的な展開
4.多文化をめぐる教育の取り組み
5.残された課題
第9章 韓国――多文化政策への転換
1.韓国の基本情報
2.国の物語と国家統合の理念
3.多様性と教育をめぐる歴史的な展開
4.多文化をめぐる教育の取り組み
5.残された課題
第10章 日本――求められる多文化共生の基本指針
1.日本の基本情報
2.国の物語と国家統合の理念
3.多様性と教育をめぐる歴史的な展開
4.多文化をめぐる教育の現状
5.残された課題
第11章 多文化教育の国際比較
1.国の物語と国家統合の理念
2.多様性をめぐる歴史的な展開
3.多文化教育の三つの課題への取り組み
4.おわりに──国際比較から得られた知見
終章 多文化共生のシナリオ──競争から共創へ
1.多様な人々と生きていくしかない私たち
2.新自由主義の矛盾・限界と多文化主義
3.多文化共生の困難さ
4.多文化共生への基本的な視座
5.インクルーシブな社会の共創に向けて
6.おわりにかえて──差異とともに生きる日本をつくるために
索引
前書きなど
はじめに 多文化共生のシナリオ――多文化教育の国際比較の視角
(…前略…)
さて、本書でとくに主張したいのは、このような時代だからこそ、多文化主義という理念をもう一度見直す必要があるのではないかということである。多様性は負の側面ばかりが強調されるが、多くの国々では移民労働者の存在が経済発展や日常生活を支えている。また、多様性はイノベーションを生みだし、社会をダイナミックにするものでもある。越境が日常化する中で、多様性を社会の資源として捉え、違いにかかわらずすべての人々が大切にされ、居場所のもてる社会を実現していくことが求められているのである。
このように考えると、グローバルな人の移動が当たり前になる時代に、多文化主義の理想をめざして、差異と共にいかに生きていくのかの視点から教育のあり方が問い直されているといえるだろう。多文化共生を教育の主要な目標に位置づけ、人の移動を前提とした教育を構想することが求められているのである。その意味で、多文化教育は、21世紀の教育のあり方を提案するものでもあるといえる。
さて、本書は、序章・終章と11の章から構成されている。序章「人の移動と教育を考える視点」では、人の移動についての大きな流れを概観するとともに、分析の枠組みを提示する。1章から10章では、各国における多文化と教育をめぐる動きについて検討する。具体的には、1章「英国(イングランド)――シティズンシップの強化」、2章「ドイツ――移民国への転換」、3章「フランス――共和制の理念とライシテ」、4章「アメリカ合衆国――自由と平等のポリティックス」、5章「カナダ――多文化主義法をもつ国」、6章「オーストラリア――アジア太平洋国家をめざして」、7章「ニュージーランド――2文化主義と多文化主義の葛藤」、8章「シンガポール――多人種主義とメリトクラシー」、9章「韓国――多文化政策への転換」、10章「日本――求められる多文化共生への基本方針」である。以上の各国の整理をもとに11章では、10カ国における多文化教育の国際比較を行う。終章では、国際比較から得られた知見を手がかりに、競争から共創への視点から多文化共生のシナリオを考察する。
(…攻略…)
上記内容は本書刊行時のものです。