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社会調査からみる途上国開発 稲田 十一(著) - 明石書店
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社会調査からみる途上国開発 (シャカイチョウサカラミルトジョウコクカイハツ) アジア6カ国の社会変容の実像 (アジアロッカコクノシャカイヘンヨウノジツゾウ)

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発行:明石書店
A5判
228ページ
上製
価格 2,500円+税
ISBN
978-4-7503-4582-6   COPY
ISBN 13
9784750345826   COPY
ISBN 10h
4-7503-4582-2   COPY
ISBN 10
4750345822   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年10月
書店発売日
登録日
2017年10月16日
最終更新日
2017年10月16日
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紹介

成長著しいアジアの開発途上国・地域において、いかなる変革が進められてきたのか。詳細な現地調査をもとに、経済社会の変化や社会制度改革の実態を紹介。途上国への理解とともに、外部からの援助と制度改革支援の経済社会的なインパクトを分析・検証し直す。

目次

序章 社会調査を通じてみる途上国開発の現実
 1.途上国で進む社会変容
 2.アンケート調査の目的と意義
 3.途上国でのアンケート調査とその方法
 4.本書の目的と構成

第1章 カンボジアの近代化と社会関係資本
 はじめに
 第1節 カンボジアの近代化と社会変容
 第2節 カンボジアの都市と農村の比較分析
 第3節 アンケート調査にみる都市と農村の相違
 第4節 アンケート調査にみる社会関係資本の特徴
 第5節 まとめ――社会関係資本に関する調査の成果と課題
 コラム:プノンペンのホテルからみたカンボジア

第2章 東ティモールの国づくりと社会関係資本――カンボジアとの比較
 はじめに
 第1節 東ティモールの国づくりのプロセス
 第2節 東ティモールにおける社会関係資本調査
 第3節 東ティモールの人々の経済社会状況
 第4節 東ティモールの社会と近代化――カンボジアとの比較検討
 第5節 まとめ――東ティモールにおけるアンケート調査の意義と課題
 コラム:日本の援助と中国の援助の対比

第3章 ベトナムにおける社会的安全網の南北比較
 はじめに
 第1節 社会的安全網に関する調査の目的と分析の視点
 第2節 ベトナム南北二つのコミューンの概要
 第3節 北部(ハイヴァン・コミューン)における社会的安全網
 第4節 南部(タンチュウナャ・コミューン)における社会的安全網
 第5節 まとめと結論
 コラム:25年を経たハノイ市内の変化

第4章 南ミンダナオの社会状況と生計向上支援
 はじめに
 第1節 ミンダナオの社会状況と日本の支援
 第2節 南ミンダナオ沿岸地域環境保全事業とその成果
 第3節 受益者調査の方法と対象住民組織の概要
 第4節 受益者調査にみる生計向上支援の成果とインパクト
 第5節 まとめ――事業の中長期的なインパクト
 コラム:フィリピンにおける住民組織の活動

第5章 パキスタンの全国排水路整備と農民組織化
 はじめに
 第1節 パキスタン情勢と全国排水路整備計画
 第2節 農民組織改革の概要と本事業の効果・インパクト
 第3節 支援対象地域の二つの農民組織に対するアンケート調査
 第4節 二つの農民組織の比較調査からみえること
 コラム:英国植民地時代の遺産

第6章 スリランカの電話通信網整備と世帯・企業へのインパクト
 はじめに
 第1節 電話通信網の整備と経済発展
 第2節 スリランカにおける通信分野の競争環境の変容
 第3節 調査の方法と概要――アンケート調査とインタビュー調査
 第4節 世帯・個人へのインパクト
 第5節 企業・団体へのインパクト
 第6節 まとめ――通信アクセスのインパクト
 コラム:内戦と津波の影響

終章 開発学の中での本書の位置づけ
 1.途上国での社会調査と開発学
 2.住民生活の実態調査としての意義
 3.本書の意義と課題

 あとがき
 略語対照表

前書きなど

序章 社会調査を通じてみる途上国開発の現実

4.本書の目的と構成

(1)本書の内容と目的
 本書は、筆者がこれまでに開発途上国で実施したいくつかの現地調査の経験を、特に詳細なアンケート調査やインタビュー調査を実施した国々の事例をとりあげてまとめたものである。こうした途上国でのアンケートを主体とした社会調査の経験は、途上国の社会の現実の姿を知るうえで、また、社会変容を統計的な手法でとらえたり、インパクト評価の科学的手法に習熟するうえで、とても有益であった。
 本書の後半の第4章から第6章までの南ミンダナオ、パキスタン、スリランカの三つの調査事例は、もともとはODA事業評価の一環として実施したものであり、当時のJBICのODAプロジェクトの事業評価を通じて実施した受益者調査が主たる情報源となっている。受益者調査は、日本のODAが現地の社会に与えた影響やインパクトを、詳細な社会調査を通じて明らかにするものであるが、これらの章は日本のODA事業やその評価を知ってもらうことを目的としているわけではない。社会調査の経験を通じて知り得た、途上国で進んでいる経済社会の変化や社会制度の改革の実態を紹介し、途上国の社会の実態への理解を深めること、また外部からの援助や制度改革支援がもたらす途上国への経済社会的なインパクトとそれをどう把握するかの方法論について、実例をあげて紹介することを意図して、新たに分析・検証し直したものである。
 開発援助研究の深化のために、こうしたアンケート・インタビュー調査の成果は、途上国での社会調査の事例研究として、開発援助評価に関わる専門家のみならず、開発研究を志す大学生・大学院生や開発援助に関心をもつ一般社会人にも、広く公開されるべきものであろう。

 (…後略…)

著者プロフィール

稲田 十一  (イナダ ジュウイチ)  (

広島県生まれ、東京大学教養学部国際関係論専攻課程卒業。
東京大学大学院社会学研究科(国際学修士)、同総合文化研究科博士課程単位取得退学。野村総合研究所、日本国際問題研究所、山梨大学助教授、ハーバード大学国際問題センター、世界銀行政策調査局および業務政策局、を経て、
現在、専修大学経済学部教授。
〔主要著書・編著〕
『紛争後の復興開発を考える――アンゴラと内戦・資源・国家統合・中国・地雷』(単著)創成社、2014年。
『国際協力のレジーム分析――制度・規範の生成とその過程』(単著)有信堂、2013年。
『開発と平和――脆弱国家支援論』(編著)有斐閣、2009年。
『紛争と復興支援――平和構築に向けた国際社会の対応』(編著)有斐閣、2004年。

上記内容は本書刊行時のものです。