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子ども虐待 家族再統合に向けた心理的支援 千賀 則史(著) - 明石書店
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子ども虐待 家族再統合に向けた心理的支援 (コドモギャクタイカゾクサイトウゴウニムケタシンリテキシエン) 児童相談所の現場実践からのモデル構築 (ジドウソウダンジョノゲンバジッセンカラノモデルコウチク)

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発行:明石書店
A5判
228ページ
上製
価格 3,700円+税
ISBN
978-4-7503-4566-6   COPY
ISBN 13
9784750345666   COPY
ISBN 10h
4-7503-4566-0   COPY
ISBN 10
4750345660   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年9月
書店発売日
登録日
2017年9月20日
最終更新日
2017年9月20日
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紹介

子どもの安心・安全を確保しながら、家族再統合に向けた子ども・家族・援助者の関係性をいかに構築するのか。本書は、こうした現場の課題に対して、心理職の立場から何ができるのかを問い、新たな心理的支援の可能性をさぐる意欲作である。

目次

 まえがき

序章 子ども虐待対応における心理的支援の多様性と可能性
 Ⅰ 子どもの福祉領域における心理職の多様なあり方
  1.心理的支援の多様化
  2.「心理的支援」という言葉
  3.子どもの福祉領域における心理的支援の構造
  4.児童相談所におけるチームアプローチ
  5.子ども虐待対応における介入的関与
  6.施設における生活に根差した心理的支援
 Ⅱ 心理的支援の新たな可能性
  1.ネットワークの中での心理的支援
  2.統合的アプローチ
  3.ホロニカル・セラピー
  4.オープンダイアローグ
  5.新たな心理的支援モデル構築の必要性

第1章 家族再統合に向けた心理的支援の現状と課題
 Ⅰ 子ども虐待と児童相談所
  1.子ども虐待とは
  2.児童相談所における子ども虐待対応
  3.わが国の子ども虐待対応の変遷
 Ⅱ 家族再統合に向けた心理的支援
  1.家族再統合の必要性
  2.家族再統合とは
  3.児童相談所における家族再統合支援
  4.安全パートナリングと『三つの家』
  5.家族再統合支援における心理職の役割

第2章 現場からの研究をどう行うか
 Ⅰ 児童相談所における実践研究の課題
  1.児童相談所の現場からの研究の必要性と困難性
  2.失敗事例からではなく成功事例から学ぶ意義
  3.児童相談所の職員が主体となって行う研究
  4.児童相談所の現場からのエビデンスの創出
  5.児童相談所の現場研究における科学性の担保
 Ⅱ 児童相談所の現場からの研究の方法論
  1.事例研究
  2.グラウンデッド・セオリー・アプローチによる事例の質的分析
  3.複線径路等至性アプローチなどの新しい研究方法の可能性

第3章 介入的な文脈における相談関係作り
 Ⅰ 研究の背景
  1.子ども虐待対応における保護者支援の困難性
  2.臨床心理学とソーシャルワークの学際的な研究の必要性
 Ⅱ 方法
  1.修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ
  2.分析対象
  3.データ収集法
  4.分析手続き
  5.倫理的な配慮
 Ⅲ 結果と考察
  1.各カテゴリーと概念の説明
  2.モデルの作成
  3.ストーリーライン
  4.事例による検討
 Ⅳ 総合考察
  1.児童相談所と保護者の関係性形成のプロセス
  2.臨床心理学的なスーパービジョンの必要性

第4章 身体的虐待を行った保護者への教育プログラムの実践
 Ⅰ 研究の背景
  1.「しぶしぶの相談関係」からの家族再統合プログラム
  2.教育プログラムと保護者指導の枠組み作り
 Ⅱ 事例の概要
  1.一時保護の経緯
  2.事例の見立て
  3.倫理的な配慮
 Ⅲ 援助の経過
  1.保護者指導の枠組み作り
  2.『教育プログラム』による保護者へのアプローチ
 Ⅳ 考察
  1.本事例における保護者指導のプロセス
  2.見立てに応じた家族再統合プログラムの選択

第5章 虐待を認めないケースに対する児童相談所の援助プロセス
 Ⅰ 研究の背景
  1.児童相談所が直面する「プログラム以前の問題」
  2.虐待を認めないケースへのアプローチ
 Ⅱ 方法
  1.複線径路等至性アプローチ
  2.対象及び分析手続き
  3.倫理的な配慮
 Ⅲ 結果と考察
  1.モデルの作成
  2.ストーリーライン
  3.事例による検討
 Ⅳ 総合考察
  1.虐待を認めないケースに対する援助の考え方
  2.複線径路等至性アプローチを用いた研究の今後の可能性

第6章 性的虐待疑いで一時保護された子どもへの心理的支援
 Ⅰ 研究の背景
  1.性的虐待の否認事例に対する家族再統合支援の模索
  2.虐待の否認事例に対する安全パートナリングの可能性
 Ⅱ 事例の概要
  1.一時保護の経緯
  2.児童相談所の相談援助の特徴
  3.児童相談所内での多職種によるケースの見立て
  4.児童相談所としての援助方針
  5.本事例における筆者の立場
  6.倫理的な配慮
 Ⅲ 援助の経過
  1.一時保護所での子ども面談
  2.家庭復帰後の安全計画実行の確認
 Ⅳ 考察
  1.「人と環境の適合」を重視した家族再統合支援のあり方
  2.本事例における『安全計画作り』のプロセス

第7章 家族応援会議を活用した地域でのネットワーク支援
 Ⅰ 研究の背景
  1.地域へのアプローチの必要性
  2.家族応援会議を活用した支援
 Ⅱ 事例の概要
  1.措置入所までの経緯
  2.相談援助の構造
  3.倫理的な配慮
 Ⅲ 援助の経過
  1.問題を整理するための地図作り
  2.『安全計画作り』による子ども虐待の解決に向けた旅
 Ⅳ 考察
  1.本事例における地域でのネットワーク支援のプロセス
  2.家族応援会議におけるファシリテーターの役割

第8章 家族再統合に向けた協働的支援モデルの構築
 Ⅰ 研究の背景
  1.地域支援のあり方の理論化の必要性
  2.コラボレーションとしての心理的支援
 Ⅱ 方法
  1.修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ
  2.研究協力者
  3.データ収集法
  4.分析手続き
  5.倫理的な配慮
 Ⅲ 結果と考察
  1.各カテゴリーと概念の説明
  2.モデルの作成
  3.ストーリーライン
  4.事例による検討
 Ⅳ 総合考察
  1.子ども虐待対応における心理職の役割
  2.「あたたかい見立て」による地域支援のあり方

終章 家族再統合に向けた心理的支援のあり方
 Ⅰ 家族再統合に向けた関係性を重視した支援モデル
 Ⅱ 今後の家族再統合支援の実践と研究に向けて


 あとがき

 引用文献

 初出一覧

前書きなど

あとがき

 本書は,名古屋大学大学院教育発達科学研究科に提出した博士論文「児童相談所の家族再統合に向けた心理援助に関する研究―子ども虐待の現場からのモデル構築―」をベースに,その後に執筆した論文を加えて,加筆・修正したものである。本研究は,児相などの子どもの福祉領域の現場で働く中で,子どもを取り巻く社会が抱える矛盾や理不尽さ,さらには援助者としての無力さに直面するたびに湧き出てくる「一体どうしたらいいのだろう?」という切実な疑問に自ら答えるために研究を重ねてきた一つの成果である。本研究の知見は,臨床実践や文献研究,諸先生方のワークショップ等を通して学ぶ中で,私自身が感じたことをまとめようとする過程で生まれたものである。したがって,私のオリジナルな理論というわけではなく,さまざまな人の影響を受けている。また,心理臨床の世界においては,自分のあり方を省察することを抜きにした実践や研究の営為はありえないと思われる。そのため,誠に僭越ではあるが,ここで私のこれまでの経緯について触れておきたい。

 (…後略…)

著者プロフィール

千賀 則史  (センガ ノリフミ)  (

名古屋大学ハラスメント相談センター講師。心理学博士。臨床心理士。
1981年,愛知県豊橋市生まれ。早稲田大学人間科学部卒業。放送大学大学院文化科学研究科(臨床心理学プログラム)修士課程修了。名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士後期課程修了。愛知県西三河児童・障害者相談センター,愛知県中央児童・障害者相談センター,愛知県立愛知学園などを経て現職。
専門は臨床心理学。研究テーマは,虐待・非行・ハラスメントへの心理的支援。
〈主な著書〉
『「三つの家」を活用した子ども虐待のアセスメントとプランニング』(共著,明石書店,2015年)など

上記内容は本書刊行時のものです。