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激動するグローバル市民社会 重田 康博(著) - 明石書店
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激動するグローバル市民社会 (ゲキドウスルグローバルシミンシャカイ) 「慈善」から「公正」への発展と展開 (ジゼンカラコウセイヘノハッテントテンカイ)

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発行:明石書店
A5判
320ページ
並製
価格 2,400円+税
ISBN
978-4-7503-4476-8   COPY
ISBN 13
9784750344768   COPY
ISBN 10h
4-7503-4476-1   COPY
ISBN 10
4750344761   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年3月
書店発売日
登録日
2017年4月3日
最終更新日
2017年4月3日
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紹介

急速に進むグローバル化の中で注目されているグローバル市民社会の理論と実際を検証し、国際機関、国家、企業とともに、SDGs(持続的な開発目標)の重要なアクターである国際協力NGOおよび国際市民組織(CSO)の役割と存在意義を考察する。

目次

 はじめに

序章 今日のグローバル市民社会とNGOを考える──その意義と役割
 1 本書の問題意識の背景と目的
 2 市民社会、グローバル市民社会の定義
 3 国際協力NGOとは何か
 4 NGOの発展とは何か
 5 NGOの発展の現状
 6 問われるNGOの開発効果

第1章 欧米諸国の市民社会の誕生と発展──イギリスのチャリティの歴史と国際NGO
 1 市民社会の原型・定義
 2 イギリスのチャリティの発展
 3 イギリスの国際NGOの原点

第2章 欧米の市民社会の人道復興支援活動の誕生と発展──NGOは国家から自由な当事者でありえるのか
 1 戦争被災者・難民への救済活動──NGOの人道復興支援の原点
 2 まとめ

第3章 欧米の市民社会の開発協力の変化・多様化・専門化──慈善から公正へ
 1 第2次世界大戦前後における人道復興支援活動(貧困問題)
 2 1950年代から1980年代のNGO活動
 3 1990年代から現在──NGOによる国際ネットワーク活動の時代
 4 まとめ

第4章 南の市民社会の誕生から発展──アジアの市民社会の事例から
 1 アジアの市民社会はどのように発展してきたのか
 2 アジアの市民社会の担い手であるNGOの発展の特徴
 3 東アジアの市民社会の動向について──中国、韓国など東アジアのNGOの活動
 4 南のNGOの変化とアジア市民社会の形成

第5章 南の市民社会の巨大化と社会企業化──サルボダヤ運動の人間開発とBRACの社会企業化の事例研究
 1 【事例研究1】サルボダヤ運動の人間開発(スリランカ)
 2 【事例研究2】「BRAC」の巨大化・社会企業化(バングラデシュ)
 3 まとめ

第6章 日本の市民社会の誕生と発展──奈良時代から1980年代まで
 1 奈良時代や鎌倉時代の仏教ボランティア活動の先駆者たち──行基、空海、重源、叡尊
 2 江戸時代の仏教の統制
 3 国際赤十字運動からの影響──日本赤十字社の誕生
 4 戦前のNGOの動き──日中戦争中の被災者・避難民への救済活動
 5 戦前の日本のボランティア活動の限界
 6 戦後のNGO団体の設立
 7 まとめ

第7章 日本の市民社会の発展と変化──1990年代から2016年までのNGOの活動

第8章 グローバル時代における国家と市民社会間の公共圏を考える──カンボジア政府とNGOを事例に
 はじめに
 1 国家によるグローバル化と市民社会によるローカル化
 2 グローバル化の中での国家と市民社会間の公共圏の形成
 3 カンボジアにおける国家によるグローバル化と市民社会によるローカル化
 4 事例研究:JVCの「生態系に配慮した農業による(家族経営農家の)生計改善(CLEAN)プロジェクト」について
 おわりに
 参考資料 「CLEANのワークショップを視察して」

終章 グローバル市民社会の課題と意義──「共存・共生できる公共圏」を目指して
 1 NGOの発展の阻害要因──なぜNGOは発展できないのか
 2 国際関係の中のグローバル市民社会の関係性
 3 グローバル市民社会の意義


 参考文献

 あとがき

前書きなど

はじめに


(…前略…)

 本書は、急激にグローバル化する21世紀の国際社会の中で、近年その存在が注目され問われているグローバル市民社会とは何なのか、中でも重要な担い手である国際協力NGOはなぜ誕生し発展してきたのか、彼らは本当に必要とされているのか、過去・現在から未来までNGOが果たす役割と存在意義は何か、国家主導主義・権威主導主義に対する公共圏をどのように形成するのかという問題意識のもと、今日のグローバル市民社会の発展の理論と実際を検証し、国際機関、国家、企業と共に、SDGsの重要なアクターである国際協力NGOおよびCSOを含むグローバル市民社会の発展と意義、および公共圏の形成について考察することを目的とする。
 同時に、本書では、NGOやCSOを含むグローバル市民社会が、当初の戦争被災者や難民への人道支援活動としての「慈善」から時代の流れと共にその活動を質的に変化させ、単なる哀れみや同情だけでは貧困・援助・貿易・債務・格差などの構造的な問題は解決できないことを理解し、南北問題やグローバル問題の根本的な背景や原因を分析し、問題の解決に向けての活動を多様化、専門化し、「公正」を求める活動へと発展し、展開した過程も検証する。本書は、2005年に発行された『NGOの発展の軌跡──国際協力NGOの発展とその専門性』(明石書店)の改訂版として、内容を全面的に刷新したものである。

 本書の構成は、以下の通りである。
 まず序章で、激動するグローバル市民社会の重要な構成メンバーであるNGOの意義と役割を検討する。第1章ではイギリスのチャリティの歴史を辿り、国際NGOの原点を探る。第2章では欧米諸国の市民社会、NGOの人道復興支援活動の誕生と発展、第3章ではNGOの開発協力の変化・多様化・専門化の変遷を辿る。そして第4章では、南の市民社会の誕生と発展をアジアの市民社会の事例を通して概観し、第5章では南の市民社会の巨大化と社会企業化をサルボダヤ運動の人間開発とBRACの企業化の事例を通して検証する。第6章は日本の市民社会の誕生と発展(奈良時代から1980年代まで)、第7章は日本の市民社会の発展と変化(1990年代から2016年までのNGOの活動)、第8章ではカンボジア政府とNGOを事例にグローバル時代における国家と市民社会間の公共圏を考える。そして終章でグローバル市民社会の課題と意義をまとめる。

 (…後略…)

著者プロフィール

重田 康博  (シゲタ ヤスヒロ)  (

宇都宮大学国際学部教授・附属多文化公共圏センター(CMPS)センター長。1956年東京生まれ。ロンドン大学大学院東洋アフリカ研究所(SOAS)開発学科修了(開発学修士)。北九州市立大学大学院社会システム研究科博士後期課程修了(博士・学術)。国際協力推進協会(APIC)主任研究員、クリスチャン・エイド客員研究員(イギリス・ロンドン)、NGO活動推進センター(現、国際協力NGOセンター、JANIC)主幹を経て現職。専門は国際開発研究、国際NGO研究。オックスファム・ジャパン監事。開発教育協会評議員、JVCとちぎネットワーク代表。CMPS福島乳幼児妊産婦プロジェクト・アドバイザー。
著書に『NGOの発展の軌跡──国際協力NGOの発展とその専門性』(明石書店、2005)、『国際NGOが世界を変える──地球市民社会の黎明』(共著、東信堂、2006)、「第4章 ミレニアム開発目標」田中治彦編著『開発教育──持続可能な世界のために』(学文社、2008)他。

上記内容は本書刊行時のものです。