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異文化間を移動する子どもたち 岡村 郁子(著) - 明石書店
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異文化間を移動する子どもたち (イブンカカンヲイドウスルコドモタチ) 帰国生の特性とキャリア意識 (キコクセイノトクセイトキャリアイシキ)

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発行:明石書店
A5判
272ページ
上製
価格 5,200円+税
ISBN
978-4-7503-4472-0   COPY
ISBN 13
9784750344720   COPY
ISBN 10h
4-7503-4472-9   COPY
ISBN 10
4750344729   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0037  
0:一般 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年2月
書店発売日
登録日
2017年2月20日
最終更新日
2017年2月20日
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紹介

異文化間を移動する子どもたち、とりわけ「帰国生」を取り巻く環境の変遷を概観するとともに、帰国中・高・大学生への調査結果を検証。異文化体験を通じて得た特性、異文化体験活用に対する意識とキャリアに対する考え方など帰国生の“今”を明らかにする。

目次

 序


第1部 帰国生をめぐる動向と現状

第1章 海外移動する日本人とその家族
 第1節 近年の日本人海外駐在員を取り巻く社会環境の変化
  1 海外長期滞在者数の動向
  2 海外長期滞在先の変化の要因とその影響
 第2節 日本人海外駐在派遣の歴史
  1 最初の海外駐在派遣から鎖国まで
  2 明治期から第二次世界大戦まで
  3 第二次世界大戦から高度経済成長期を経て現在まで

第2章 異文化間を移動する子どもたち〈1〉――海外で学ぶ日本人児童生徒の教育
 第1節 海外で学ぶ日本人児童生徒の現状
  1 在外日本人児童生徒の人数の推移
  2 海外で学ぶ日本人の子どもたちの就学形態の推移
 第2節 日本政府による在外教育施設の概要
  1 日本人学校
  2 補習授業校
  3 私立在外教育施設
 第3節 海外の現地校における教育の概要
  1 現地校の授業内容
  2 現地校の学校行事
  3 現地校のクラブ活動など
  4 父母のPTA活動への参加
 第4節 海外の日本人児童生徒を取り巻く環境の変化

第3章 異文化間を移動する子どもたち〈2〉――日本における帰国生教育
 第1節 日本における帰国生教育の歴史
  1 「帰国生」の呼称について
  2 日本における帰国生受入れの歴史
 第2節 日本における帰国生教育の現状
  1 帰国生の人数の推移
  2 帰国生受入れ校の現状
 第3節 帰国生教育をめぐる状況の変遷
  1 帰国生を取り巻く社会的環境の変化
  2 在日外国人児童生徒の増加
  3 グローバル社会における帰国生への期待

第4章 帰国生教育研究の動向
 第1節 帰国生教育研究の流れと分類
 第2節 海外・帰国生教育研究の三つのレベル
 第3節 「単一文化的視点」から「比較文化的視点」にわたる先行研究
  1 帰国生の「適応」に関する研究
  2 異文化経験とアイデンティティ形成および適応ストラテジーに関する研究
  3 帰国生の特性伸長に関する研究
 第4節 「異文化間的視点」に立つ先行研究
  1 「受入れ側の問題」としての帰国生教育
  2 国際理解教育に関する研究
  3 サードカルチャーキッズ(TCK)およびクロスカルチャーキッズ(CCK)
 第5節 帰国生教育研究の新しい動きとグローバル人材としての帰国生
  1 グローバル人材としての帰国生
  2 帰国生の進路形成と親の教育戦略に関する研究
  3 帰国生に対する企業からの視点
 第6節 本研究の課題と意義


第2部 帰国生が異文化経験を通じて得た特性とその活用

第5章 帰国中学生の「異文化経験を活かす」ことに対する意識
 第1節 目的と方法
  1 質問紙作成
  2 調査対象者および調査の時期と手続き
  3 調査対象者の全般的な傾向
  4 分析の手順
 第2節 結果
  1 帰国中学生の在籍クラスに対する意識
  2 帰国中学生のクラス意識に関連する要因
  3 帰国中学生の在外経験の活用に対する意識
 第3節 考察
  1 「クラス意識因子」の受入れ形態による差異
  2 帰国中学生の「在外経験の肯定的活用」に関連する要因

第6章 帰国高校生が異文化経験を通じて得た特性と関連要因
 第1節 目的と方法
  1 質問紙作成
  2 調査対象者および調査の時期と手続き
  3 調査協力者の全般的な傾向
  4 分析方法
 第2節 結果
  1 帰国高校生が異文化経験を通じて得た特性
  2 帰国高校生の特性に関連する要因
  3 学校および家庭によるサポートが帰国高校生の特性に与える影響
 第3節 考察

第7章 帰国高校生の特性の活用に対する意識と関連要因
 第1節 目的と方法
 第2節 結果
  1 帰国高校生の特性の活用についての意識
  2 帰国高校生の特性の活用に関連する属性要因
  3 帰国生であることに対する肯定度と「活用型因子」の関連
  4 帰国高校生の「特性因子」と「活用型因子」の関連
 第3節 考察

第8章 帰国高校生が考えるキャリアとしての特性の活用
 第1節 目的と方法
 第2節 結果
  1 帰国高校生のキャリアとしての特性の活用に対する意識
  2 「特性因子」がキャリアに及ぼす影響
  3 キャリアとしての特性の活用に対する意識の関連要因
 第3節 考察

第9章 帰国大学生が異文化経験を通じて得た特性とその活用
 第1節 目的と方法
 第2節 結果
  1 帰国大学生の考える「帰国生の特性」
  2 特性の活用に対する意識
  3 特性の活用についての意識の差異の形成要因
 第3節 考察

第10章 研究結果の総括と総合的考察
 第1節 研究結果の総括
  1 第1部の研究結果の総括
  2 第2部の研究結果の総括
 第2節 新たな知見と本研究の意義
 第3節 総合的考察
  1 帰国中学生と帰国高校生の「異文化経験を活かす」ことに対する意識の差異
  2 帰国生受入れ環境としての学校と家庭による影響
  3 帰国高校生のキャリアに対する意識
 第4節 本研究の意義と今後の課題

 引用・参考文献
 稿末資料
 あとがき
 著者紹介

前書きなど



 (…前略…)

 第1部「帰国生をめぐる動向と現状」では、帰国生を取り巻く環境について検討し、歴史的変遷をふまえて何がどう変化しているのかを明らかにした。まず第1章では、帰国生の異文化移動の背景を成す日本人海外駐在員を取り巻く環境の変化を、年代を追って概説した。第2章においては、文化移動をする子どもたちが海外でどのような教育を受けているのか、その地域や年代による変化とともに詳説した。第3章では、日本へ帰国した子どもたちが、どのように日本の学校に受け入れられているのか、歴史的な動向をふまえて述べる。第4章では、帰国生教育に関する先行研究について検討を行った。
 第2部「帰国生の異文化経験の活用に関する実証的分析」では、帰国生が異文化体験を通して得たと考えている特性について、さらに、それら帰国生の特性を活用することについて帰国生自身はどのように考えているのか、帰国生自身への調査結果によって検証した。第5章では、帰国中学生に対する質問紙調査により、帰国後に在籍しているクラスに対する意識を明らかにし、その意識の中の「在外経験の肯定的活用」に関連する要因について検討した。第6章からは対象を帰国高校生に移し、質問紙調査の分析により、彼らが異文化体験を通じて得たと考えている特性とは何かを明らかにし、その関連要因を探った。第7章においては、同じく量的調査によって、帰国高校生が異文化経験を通して得た特性を活用することに対する意識はどのようなものかを検証した。第8章では、帰国高校生が自らの将来のキャリアについてどのような意識をもっているのかを明らかにし、異文化体験の活用に対する意識とキャリアに対する考え方の関連を分析した。第9章においては、帰国大学生に対するインタビュー調査を取り上げ、彼らが帰国生としての経験を活かすことに対してどのような意識をもつのかを調べ、類型化を試みた。第10章では、第2部で得られた本研究の知見について、第1部で明らかになった帰国生の現状および第4章で示した先行研究や関連する理論に照らして、総合的な考察を付した。なお、一連の分析においては、コミュニティ心理学の見地から、帰国生受入れの体制による差異に着目するとともに、学校や家庭によるサポートによる影響についても検討を行っている。

 (…後略…)

著者プロフィール

岡村 郁子  (オカムラ イクコ)  (

長野県伊那市に生まれる。お茶の水女子大学文教育学部教育学科卒業、同大学院博士課程人文科学研究科および人間文化創成科学研究科修了。博士(人文科学)。コロンビア大学ティーチャーズカレッジにてTESOL Certificate 取得。
1991年より家族と共にアメリカ合衆国ニューヨーク州に住み、育児のかたわらニューヨーク補習授業校、Sarah Lawrence College(日本語教育)にて教鞭を執る。2004年に帰国後、東京大学医学教育国際協力研究センター、お茶の水女子大学グローバル教育センター等の勤務を経て、現在、首都大学東京国際センター准教授。異文化間教育学会常任理事。海外子女教育振興財団G-ONEプロジェクトメンバー。専門は異文化間教育・心理学、日本語教育学。

上記内容は本書刊行時のものです。