版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
「新」実存主義の思想 川本 兼(著) - 明石書店
.
【利用可】

書店員向け情報 HELP

書店注文情報

注文サイト:

在庫ステータス

在庫あり

取引情報

直接取引:なし

出版社への相談

店頭での販促・拡材・イベントのご相談がありましたらお気軽にご連絡ください。

「新」実存主義の思想 (シンジツゾンシュギノシソウ) 全体主義に打ち克つ新たな哲学 (ゼンタイシュギニウチカツアラタナテツガク)

このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:明石書店
四六判
256ページ
上製
価格 2,400円+税
ISBN
978-4-7503-4464-5   COPY
ISBN 13
9784750344645   COPY
ISBN 10h
4-7503-4464-8   COPY
ISBN 10
4750344648   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年1月
書店発売日
登録日
2017年1月19日
最終更新日
2017年1月19日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

前著『右傾化に打ち克つ新たな思想』に続く本書は、安保法制などにみられるように戦前の全体主義的思考方法の復活が危惧される日本の政治・社会状況において、「人間を起点とする社会哲学」をもった新たな実存主義の考え方を提唱するものである。

目次

 まえがき

第1章 実存主義の哲学的拡大――「人間を起点とする社会哲学」と実存主義
  実存主義の哲学的拡大
  実存主義的発想と「かけがえのない人間」
  人間の真実存在に対する強すぎるこだわりと実存主義のジレンマ
  人間の真実存在追究は個人哲学に属する
  「かけがえのない他者」と「かけがえのない他者」を思いやる自己
  「かけがえのない他者」を思いやる自己と「人間を起点とする社会哲学」
  実存主義的発想から生まれる社会像
  これからの実存主義の役割と実存主義者の社会参加

第2章 全体主義の思想と新しい実存主義――マルクス主義哲学はどうして全体主義社会をもたらしてしまったのか
 (1)全体主義の思想が持つ一般的論理構造
  社会主義国型全体主義をもたらしたのは誰か
  全体主義社会が成立するための要素
  ルソーの一般意志の考え方と全体主義の思想が持つ一般的論理構造
 (2)ヘーゲル哲学と国家至上型全体主義・民族至上型全体主義
  ヘーゲルの弁証法は国家に至上の価値を与える
  ヘーゲル哲学が国家至上型全体主義社会をもたらした
  ヘーゲル哲学は民族至上型全体主義社会をももたらした
 (3)マルクスと階級至上型全体主義
  唯物史観は労働者階級に至上の価値を与える
  マルクス主義哲学がレーニンやスターリンを招き寄せた
  ヒューマニズムを神髄とする疎外論マルクスがどうして人間の尊厳を否定したのか
  本質存在としての人間を起点とする思考方法は規格外の人間を作り出す
  マルクス主義哲学はヒューマニズムを保障する社会を作ることはできない
 (4)新しい実存主義(「新」実存主義)と全体主義
  今後の社会変革の担い手となる思想
  哲学から変えなくてはならない
  全体主義は独裁とも民主主義とも両立する

第3章 日本人はあの戦争で何を反省しなくてはならなかったのか――日本型全体主義の考察
  もう戦争という言葉に逃げてはいけない
  絶対君主至上型全体主義
  日本型全体主義の担い手は誰か
  天皇を利用する忠臣
  絶対君主至上型全体主義社会における人間の尊厳
  もう「国体」を起点として考えてはならない
  忠臣はどうして生き残ったのか
  主権者たる国民はもう忠臣たちの意図するところを見抜けなくてはならない
  天皇はもう利用されてはならない
  日本人は沖縄や在日の人たちを下の人間と見ていないか

第4章 講演録・人間を起点とする社会哲学――その成立の背景と特徴
 (1)私の思考方法
  今日の方針
  自分の頭で考える
  考えた後で知る
 (2)人間を起点とする社会の図と基本的人権の図はどうして生まれたか
  人間を起点とする社会の図と基本的人権の図が生まれた背景
  『わたくしたちの憲法』について
 (3)「社会哲学と個人哲学の分離(社会哲学の独立)」はどのような意味を持つか
  社会哲学と個人哲学を分離して考えるという発想が生まれた背景
  社会哲学は再びロゴスの追究を可能にする
  社会哲学と個人哲学を分離することが持つ意味
  相対主義と人間の尊厳を侵す思想との対決
  「人間を起点とする社会哲学」と相対主義
 (4)人権革命と民主主義の発展
 おわりに

 [付録]日本国憲法改正私案

 あとがき

前書きなど

まえがき

 本書のサブタイトルは、「全体主義に打ち克つ新たな哲学」です。ですから本書は私の前著『右傾化に打ち克つ新たな思想――人間の尊厳に立脚した民主主義の発展を』(明石書店、二〇一四年)の続編です。そのため、このサブタイトルの中の「打ち克つ」という言葉は、前著でも述べたように、ただ右傾化や全体主義化をもたらす政治勢力に勝利したいという意味ばかりではなく、全体主義的思考方法を行うことによって自らの誇りや心の安定を獲得したいという誘惑に日本人は「打ち克つ」必要があるということを意味します。
 続編である以上、できることなら読者の皆様には前著もお読みいただければと思うのですが、しかしそれでは、どうして私は前著に加えて続編までをも出版したいと考えたのか。その理由は、現在進行する右傾化を支持する日本国民の数が一向に減少しそうもないからです。もしかすると現在の日本人の思考方法は、戦前の日本人のような全体主義的思考方法に戻っているのかもしれない。あるいは現在の日本人の思考方法は、戦前の日本人のそれとほとんど変わっていないのかもしれない。
 もしそうであれば、日本人は再び日本型全体主義社会の加担者となり、そしてそれはわが国をして再び戦争に向かわせるかもしれません。なぜなら本論の中でも述べたように、戦争が全体主義社会をもたらしたのか、全体主義社会が戦争をもたらしたのかという問題を考えると、全体主義社会が戦争をもたらした可能性の方が高いからです。だからこそ、現在の日本人は全体主義的思考方法に「打ち克つ」必要がある!

 (…後略…)

著者プロフィール

川本 兼  (カワモト カネル)  (

1948年石川県金沢市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。
思想家。上智人間学会会員。日本平和学会会員。

[著書]
『平和史を築くための理論』(私家版、1978年)
『平和のための革命――21世紀の革命』(アイキ出版社、1987年)
 [以上2冊は美麻兼のペンネームで著述]
『国家は戦争をおこなっていいのだろうか』(1992年)
『平和権』(1995年)
『国民主権に耐えられるか――戦後日本を前進させるために』(1999年)
 [以上、すずさわ書店]
『どんな日本をつくるのか――戦争を知らない戦後生まれの大人から21世紀を生きる若者へのメッセージ』(2003年)
『どんな世界を構想するのか――日本から世界へつなげる平和のためのアクション』(2003年)
『自分で書こう! 日本国憲法改正案』(2004年)
『Q&A「新」平和憲法――平和を権利として憲法にうたおう』(2004年)
『平和のための経済学――経済を知って平和や福祉のことを考えよう』(2006年)
『平和のための政治学――近代民主主義を発展させよう』(2006年)
『「日本国民発」の平和学――戦争を否定する根拠は何か』(2007年)
『「新」平和主義の論理――戦後日本の再構築をめざして』(2008年)
『日本生まれの「正義論」――サンデル「正義論」に欠けているもの』(2011年)
『日本人は「脱原発」ができるのか――原発と資本主義と民主主義』(2012年)
『右傾化に打ち克つ新たな思想――人間の尊厳に立脚した民主主義の発展を』(2014年)
 [以上、明石書店]
なお、英文書籍として『CAN A STATE CONDUCT WARFARE ?』(私家版、1993年)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。