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日本経済《悪い均衡》の正体 伊藤 修(著) - 明石書店
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日本経済《悪い均衡》の正体 (ニホンケイザイワルイキンコウノショウタイ) 社会閉塞の罠を読み解く (シャカイヘイソクノワナヲヨミトク)

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発行:明石書店
四六判
240ページ
並製
価格 2,200円+税
ISBN
978-4-7503-4459-1   COPY
ISBN 13
9784750344591   COPY
ISBN 10h
4-7503-4459-1   COPY
ISBN 10
4750344591   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0033  
0:一般 0:単行本 33:経済・財政・統計
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2016年12月
書店発売日
登録日
2016年12月15日
最終更新日
2016年12月15日
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紹介

日本経済の長期にわたる停滞・社会閉塞の要因を、経済学のみならず政治や社会意識などとの関連も含めて、複合的・総合的に考察。効率化を目指すがゆえの雇用環境の悪化・購買力の縮小など、悪循環の構造を《悪い均衡》というキーワードで解明していく。

目次

 はしがき

第1章 総論
 1 悪い均衡
   本書の主題/日本経済のパフォーマンス/悪い構造/企業分野の《悪い均衡》/悪循環の発生/対外的な稚拙/公的分野の《悪い均衡》
 2 思考パターン
   昭和戦前期との類似点/「当面可能な最善」思考/経済学の市場主義的偏向
 3 近年の経済の推移
   スタグフレーションからバブルへ/バブル後の危機と停滞

第2章 経済学の悪影響
 1 近年の経済学
   市場を信じる流れ/広義の「市場の失敗」の解明の進歩/実用場面における単純化/反ケインズ反革命/予想(expectation)について/予想についての一つのデータ観察
 2 主流の破綻と必要な見直し
   合成の誤謬の重要性/必要な見直し

第3章 金融の攪乱
 1 バブル
   バブル生成の経過/バブルの認知/This time is different(今度だけは違う)という心理/国際協調・円高回避ファクター/Leaning against the wind戦略
 2 バブル後の危機
   金融危機の発現/政府対応の遅れ/金融危機対策の制度整備/不良債権問題の一段落/金融危機の教訓
 3 二一世紀入り後
   世界金融危機と再規制の動き/非伝統的な金融緩和/金融緩和をめぐる理論

第4章 企業の内向
 1 資金余剰現象
   資金余剰/バブルの基盤およびファンド資本主義/競争の時間的視野の短期化
 2 非効率となる効率化
   横並び競争/人件費削減からの悪循環
 3 組織体質
   内輪の論理/ガバナンス改革/成果主義/前線敢闘依存経営
 4 「非正規」・「ブラック」・職場の危機
   復活した身分制/メンバーシップ型雇用/統計的差別論の克服と就活改革/大局観に立ったチャレンジ/新規参入の活発化

第5章 政治・行政・メディアの劣化
 1 魔女狩り症候群
   既得権狩り/規制緩和・民営化/負担忌避から共倒れへ
 2 長期構想の欠如
   少子高齢化と社会保障/社会保障改革の方向/財政の現状/直接税改革
 3 政治・行政改革の結果
   「改革」の連続と政治の劣化/官庁の機能低下/大学の現状の事例/行政のあり方への提言 
 4 メディアの劣化した販売競争
   マスメディアの劣化/ネット書き込みの世界

第6章 現在と将来
 1 ナショナリズム
   北東アジアに外交はない/日本の立ち位置
 2 「アベノミクス」
   「アベノミクス」の性格と内容/デフレ脱却政策三年間の経過/金融超緩和政策
 3 悪い均衡からの脱出
   企業の再生/ミニマム保障社会/国民意識・政治・メディアの再生

 主な参考文献

前書きなど

はしがき

 本書は、長期にわたりつつある日本経済の停滞ないし社会閉塞の構造を、可能な限りリアルに、したがってまた総合的に、解き明かそうと試みたものである。
 この場合、「リアル」は同時に「総合的」でもあると考えている。なぜなら、この停滞・閉塞はどこか一分野・一原因から発しているのではなく、複数の分野に悪い状態があり、しかもそれらが相互に絡み合った全体によって、現状がつくられていると思えるからである。そこで、事実に密着しようとすれば、自分の専門分野に限るのでは足りず、経済学の枠をはみ出してでも、政治や社会意識など、必要な要因・領域にまで対象を広げざるをえない。こういう意味である。もちろん、超人ならざる一個人がそれを行うことはきわめて難しいであろう。ましてや筆者の限られた能力をもってしては。しかし、学問の枠組みの都合の側よりも、解明さるべき事実の方が、圧倒的に重要である。そうであれば、困難でもチャレンジしてみなければならない。

 (…後略…)

著者プロフィール

伊藤 修  (イトウ オサム)  (

 1956年、長野県長野市生まれ。1979年、東京大学経済学部卒業。1984年、同大学院経済学研究科修了。博士(経済学)。大蔵省財政金融研究所研究員、神奈川大学専任講師・助教授・教授を経て、1999年、埼玉大学教授。現在、同大学大学院人文社会科学研究科長。
 主な著作に、『日本型金融の歴史的構造』(東京大学出版会、1995年、エコノミスト賞受賞)/『バブルと金融政策』(共著、日本経済新聞社、2001年)/Japanese Economy and Society under Pax-Americana(共著、University of Tokyo Press、2002年)/Economic History of Japan 1914-1955(共著、Oxford University Press、2003年)/『日本の経済─歴史・現状・論点―』(中公新書、2007年)/Fiscal and Monetary Policies in Japan.in Stable Growth Period.1972 to 1990(共著、Ministry of Finance、2010年)/『バブルと金融危機の論点』(編著、日本経済評論社、2010年)/『セゾンの挫折と再生』(共著、山愛書院、2010年)/『山一証券100年史』(共著、極東書店、2011年)/『現代の資本主義と金融』(共著、えるむ書房、2014年)/など。

上記内容は本書刊行時のものです。