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教室の困っている発達障害をもつ子どもの理解と認知的アプローチ 宮口 幸治(著) - 明石書店
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教室の困っている発達障害をもつ子どもの理解と認知的アプローチ (キョウシツノコマッテイルハッタツショウガイヲモツコドモノリカイトニンチアプローチ) 非行少年の支援から学ぶ学校支援 (ヒコウショウネンノシエンカラマナブガッコウシエン)

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発行:明石書店
B5判
120ページ
並製
価格 1,800円+税
ISBN
978-4-7503-4458-4   COPY
ISBN 13
9784750344584   COPY
ISBN 10h
4-7503-4458-3   COPY
ISBN 10
4750344583   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0037  
0:一般 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年2月
書店発売日
登録日
2017年2月7日
最終更新日
2017年2月7日
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紹介

長く医療少年院で矯正教育に関わってきた著者は、そこで出会う少年少女と学校現場で様々な困難を抱える子どもたちに共通の特徴、課題を発見する。医療少年院で実践し効果が得られた視点を通して教室で困っている子どもたちへの支援のヒントを解説。

目次

 はじめに


Part1 障害をもった非行少年の特徴と学校で困っている子どもの背景

1.何が問題になっていたのか
 医療少年院に赴任して
 医療少年院の非行少年たちは病院とは全く違うことが問題となっていた
 みる力やきく力の弱さは被害感にもつながる
 ケーキが切れない非行少年たち
 特別な支援が必要な非行少年の実態
 子どもが少年院に行くのは“教育の敗北”
 彼らは手遅れなのか?
 学校で困っている子どものさまざまな行動
 困っている子どもの特徴《5点セット+1》

2.認知機能の弱さ
 認知機能とは?
 もし認知機能が弱ければ?
 きく力、みる力が弱ければ?
 想像力が弱ければ努力できない
 非行の反省もできない

3.感情統制の弱さ
 キレやすい子ども
 ある性非行少年の背景
 “怒り”の背景
 “怒り”は冷静な思考を止める
 感情は多くの行動の動機づけ

4.融通の利かなさ
 思考の硬さと不適切な行動
 被害感が強まって不適切な行動にも

5.不適切な自己評価
 自分のいいところは“優しいところ”
 なぜ自己評価が不適切になるのか?
 適切な自己評価が自分を変える

6.対人スキルの乏しさ
 対人スキルの乏しさとその背景
 嫌われないように非行をする
 サービス業にもつきにくい
 性の問題行動につながることも
 イジメ被害が性非行を生む

7.身体的不器用さ
 不器用な非行少年たちは致命的
 身体的不器用さとは?
 不器用さは周りに知られてしまう
 身体的不器用さの特徴と背景

8.性の問題行動
 発達障害、知的障害をもった性加害少年は最難関
 そもそも性の問題行動とは何か?
 性加害の問題点
 性に必要なコミュニケーション力とは?
 ブレーキをかける力とは?
 本人の自覚がない性被害も
 性のマナーは価値観によるところもある
 性教育から性の問題行動の教育へ

9.生育環境の問題と支援者の誤解
 不適切養育と非行
 保護者の理解の乏しさ
 加害者の保護者
 支援者の誤解


Part2 具体的支援と学校教育との連携

1.非行少年たちが変わるとき
 非行少年たちはこんなときに変わった
 共通するのは自己評価の高まりと気づき
 やる気のない少年たちが変わった
 子どもから嫌われないこと
 3方向からの子どもの具体的支援

2.社会面への支援
 3つのトレーニング
  ①感情トレーニング
  ②対人マナートレーニング
  ③問題解決トレーニング

3.学習面への支援
 認知機能向上への支援
 COGET(認知機能強化トレーニング)の活用
  ①写す[点つなぎ:みる力(視覚認知)の基礎力をつけます]
  ②覚える[最初とポン:きく力(聴覚のワーキングメモリ)をトレーニングします]
  ③数える[記号さがし:注意・集中力、ブレーキをかける力、処理速度の向上を目指します]
  ④見つける[形さがし:黒板を写せるなど、形の恒常性の力をつけます]
  ⑤想像する[心で回転:相手の立場を想像するなど、心的回転力の力をつけます]
 COGET(認知機能強化トレーニング)の活用例
  ①「写す」の例
  ②「見つける」の例
  ③「覚える」の例
  ④「数える」の例
 COGETによる機能的アプローチの効果

4.身体面への支援
 認知作業トレーニングCOGOT
 自分の身体
  ①身体を知る[ボディイメージ・バランス感覚の向上]
  ②力加減を知る[筋力調整]
  ③動きを変える[身体的注意力の向上]
 物と自分の身体
  ④物をコントロールする[協調運動(粗大運動)の向上]
  ⑤指先を使う[協調運動(微細運動)の向上]
 人の身体と自分の身体
  ⑥動きを真似る[動作の記憶]
  ⑦動きを言葉で伝える[動作の言語化]

5.家庭への支援
 保護者が嫌う言葉

6.支援者支援
 職場の理解
 教師の権威の低下
 教師の評価

前書きなど

はじめに

 (…前略…)

本書の構成と使い方

 Part1では、発達障害をもった非行少年は何が問題になっていたのかをお伝えし、非行少年や教育現場で不適応症状を呈する子どもに共通する背景と理解の仕方について、《5点セット+1》(①認知機能の弱さ、②感情統制の弱さ、③融通の利かなさ、④不適切な自己評価、⑤対人スキルの乏しさ+身体的不器用さ)に沿って事例を交えながら、さらに性の問題行動や生育環境の問題、支援者の誤解について説明しています。
 Part2では、《5点セット+1》に対応する具体的な支援方法(社会面、学習面、身体面からの支援)の概要と家庭への支援、支援者支援について学校教育現場・施設などで使用できるものを紹介しています。(……)

 (…中略…)

 支援者の皆様にとりまして、本書が困っている子どもたちの理解と具体的支援のヒントとなり、加害者や被害者となる子どもたちを一人でも減らせることにお役に立てるよう願っております。(……)

著者プロフィール

宮口 幸治  (ミヤグチ コウジ)  (

立命館大学産業社会学部・大学院応用人間科学研究科教授。京都大学工学部卒業、建設コンサルタント会社勤務の後、神戸大学医学部医学科卒業。神戸大学医学部附属病院精神神経科、大阪府立精神医療センターなどを経て、2009年より法務省矯正局宮川医療少年院法務技官・児童精神科医として発達障害や知的障害をもった非行少年への教育プログラムの開発やグループ運営を行ってきた。その他、幼稚園・小・中学校などの学校コンサルテーションにも従事。2015年、女子少年院である交野女子学院医務課長、2016年より現職。現在、少年院矯正教育から学校教育等へ効果的な教育法・指導法など研修会等を通して紹介している。医学博士、臨床心理士、日本児童青年精神医学会認定医、日本精神神経学会専門医。
主な著書に、『教室の「困っている子ども」を支える7つの手がかり──この子はどこでつまずいているのか?』(共著、明石書店、2014年)、『不器用な子どもたちへの認知作業トレーニング』(共編著、三輪書店、2014年)、『コグトレ──みる・きく・想像するための認知機能強化トレーニング』(単著、三輪書店、2015年)、『性の問題行動をもつ子どものためのワークブック──発達障害・知的障害のある児童・青年の理解と支援』(共著、明石書店、2015年)、『1日5分! 教室で使えるコグトレ──困っている子どもを支援する認知トレーニング122』(単著、東洋館出版社、2016年)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。