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増補改訂版 看護と介護のための社会学
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2016年12月
- 書店発売日
- 2016年12月10日
- 登録日
- 2016年11月25日
- 最終更新日
- 2016年11月25日
紹介
看護師・介護福祉士を目指す人にとって、医療・ケアと社会制度・地域社会やグローバリゼーションとの関わりといった、社会学的理解は重要になっている。本書は、看護・介護分野の学校で講義を行う執筆陣が、社会学的な知識や考え方を説く基本テキストである。
目次
はじめに
第1章 社会学とはどういう学問か[須藤廣]
1.社会的存在としての人間
2.「未熟児」として生まれてくる人間
3.自分を知ることと他者からの定義
4.近代社会と社会学――近代的「社会」のつくり方を考えた社会学
5.近代社会批判としての社会学
6.社会学が高等学校までの教科目の中に見られない理由
7.結びにかえて
Column PTSDの症状が物語るもの
第2章 現代社会とジェンダー[阪井俊文]
1.ジェンダーとは何か
2.ジェンダーバイアスと固定的性別役割
3.就業とジェンダー
4.「母性」とは何か
5.親密な関係性とジェンダー
6.リプロダクティブ・ヘルス/ライツとジェンダー
7.性の多様性を認める社会に
Column 映画が教える現代社会の意味――「再生産労働」とは何かを考える
第3章 現代の家族――家族の多様化と結婚・離婚の現在[阪井俊文・濱野健]
1.はじめに――「家族」の曖昧さ
2.家族の歴史的変遷と多様化
3.縮小化する家族!?
4.多様化する家族とそのリスク
5.結婚の現在
6.未婚化――古い結婚観と新しい結婚観の間での葛藤
7.離婚、そしてその後の共同養育
8.結論――家族から見るこれからの社会
Column 国際結婚の増加と家族の多様化
第4章 ソーシャルワーカーと相談援助――社会福祉の専門職とは[舟木紳介]
1.ソーシャルワーカーのイメージ
2.ソーシャルワーカーとは?
3.ソーシャルワークの源流
4.日本のソーシャルワーカーの現状
5.ソーシャルワーカーにとっての相談援助――地域包括ケアを事例に
6.当事者のニーズを把握するのは誰か
7.人権を守るソーシャルワーカー
Column 映画を通して学ぶ「支援者」と「当事者」の援助関係
第5章 医療の社会学――「医療化」の概念等に沿った医療社会学概論[作田誠一郎]
1.医療化とは何か
2.社会現象としての「病」
3.医療の社会化と医療保障制度
4.健康意識の変化と健康ブーム
5.医師の専門職化と自律性
6.専門職としての医師と看護師の関係
7.医療スタッフに対する患者という役割
8.医療化が引き起こす「病」
9.医療化の明暗から脱医療化へ
10.医療化から考える医療と看護のあり方とは
Column 日常生活から見た社会の医療化
第6章 キュアからケアへ――現代の看護学における専門性の高まりについて[宮園真美]
1.社会の変化の中の看護教育の変遷
2.専門職としての看護
3.看護の専門性と社会学的視点
Column 患者さんの社会的背景と役割への理解の大切さ
Column 新米看護師の日々
第7章 看護師・介護職のストレスと支援の社会学――介護看護現場における感情労働とバーンアウトの問題と対策[原田奈津子]
1.看護師と介護職が抱えるストレスの背景と要因
2.看護師および介護職におけるバーンアウト
3.ストレスおよびバーンアウトへの支援
4.支援としての研修やスーパービジョン
5.まとめ
Column 小規模デイサービスにおける生活相談員の役割機能
Column 医療ソーシャルワーカーの仕事
第8章 グローバリゼーションの時代の看護と介護――経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者の受け入れを事例として[濱野健]
1.グローバリゼーションは私たちの社会をどう変えたのか
2.先進国社会と少子高齢化
3.先進国における高齢少子化と外国人による看護・介護
4.経済連携協定(EPA協定)に基づく外国人看護師候補者・介護福祉士候補者の受け入れ
5.日本における外国人労働者の現在
6.グローバルな職場における「文化対応力」の重要性
7.おわりに
Column 日本人看護師としてオーストラリアで働く
第9章 死の社会学[鈴木健之]
1.はじめに
2.死の氾濫
3.生と死の場としての「病院」
4.死にゆくものと死をみとるものの社会学
5.結論:死の社会学へ――個人的な覚書
Column パーソンズが語る「老い」
第10章 研究発表をしてみよう――説得力のある研究発表のため円滑な要点整理と報告の場でのテクニック[古賀琢磨]
1.報告の場と研究発表
2.カードに書き出す
3.情報を整理する
4.報告のための形式
5.報告者と質問
6.他の参加者と質問
7.おわりに
Column 多職種連携における日常的な葛藤
あとがき
執筆者紹介
前書きなど
はじめに
本書は看護や介護の専門学校等での講義を現在持っている教員が中心となって、看護専門学校・介護専門学校・大学看護学部・社会福祉学部等、看護師・介護福祉士を養成するコースの学生および、すでに看護師・介護福祉士として働いている方の再教育に向けて書いたものである。看護師・介護福祉士の養成コースにおいては、社会学の授業が置かれているコースが多いにもかかわらず、医療・介護現場に直結するような社会学の知識や考え方を紹介するようなテキストはあまりない。また、看護師・介護福祉士が自分たちの専門性をより高めるための研修用教材にも、社会学から看護・介護の領域について考察したものはほとんどない。本書において私たちは、看護師・介護福祉士養成校における今までの教育経験から、学生たちがこれからの職業生活の中で身につけるべき、社会学の基本的知識や考え方と、それを応用した看護・介護職現場の社会学的研究の知見を、看護師・介護福祉士のために厳選し、それぞれの立場から系統的に提示する。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。