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学習社会への展望
地域社会における学習支援の再構築
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2016年9月
- 書店発売日
- 2016年9月3日
- 登録日
- 2016年8月30日
- 最終更新日
- 2016年8月30日
紹介
「学習社会」の実現という課題に、研究と実践の両面にわたる多様な側面からアプローチしてきた日本学習社会学会。「地域社会における学習支援の再構築」にスポットをあて、学習社会実現への新たな展開を探るとともに、創立10周年となる会の研究と実践の軌跡をたどる一冊。
目次
序言(岩﨑正吾)
第1部 学習社会への展望と研究の諸相
1.学習社会への展望と課題
第1章 学会設立の背景と期待――自分史を振り返りながら(川野辺敏)
1 私の戦争体験とその後の遍歴
2 教育調査・研究への仲間入り
3 生涯学習・共生・学習社会のはざまで
4 学会設立への着手と今後の期待
第2章 学校教育の観点から(小島弘道)
1 人間、社会における「学習社会」の視野
2 「学習社会」研究と学校教育
3 学習社会学会の課題――「知識基盤社会」から「学習基盤社会」に向けて
第3章 マイノリティ教育と学習社会研究の再構築――教育・研究方法の脱植民地化と先住民族の主体形成(前田耕司)
1 序
2 日本における先住民族アイヌ主体の支援プログラム構築の可能性と課題
3 モナシュ大学におけるアボリジニを主体とする教授陣による教員養成の再組織化
4 結
2.学習社会研究の諸相
第4章 「生き方」と学習の関係――学習社会論の観点から(新井郁男)
1 フォール報告への注目
2 フロムの捉えるTo Be
第5章 学習社会における言語と教育――学社連携による先住少数民族の言語・文化復興の取り組みと課題(岩﨑正吾)
1 はじめに
2 クラスノヤルスク地方におけるエヴェンク人の母語認知・使用状況
3 エヴェンク地区における学校教育の課題
4 トゥラー寄宿制初等中等普通教育学校における母語・母文化教育
5 エヴェンク地区の補充教育機関における母語・母文化教育
6 おわり
第6章 コミュニティ・スクールの多様化の実態分析――学校運営協議会設置規則の分析を通して(佐藤晴雄)
1 学校運営協議会の設置目的
2 学校運営協議会権限等の位置付け
3 「スクール・ガバナンス」度による学校運営協議会規則の分析
4 要約
第2部 地域社会における学習支援の再構築
第7章 地域問題・課題の解決と学習社会――環境学習の観点から(関啓子)
1 環境教育――子どもとおとなが生物多様性を学ぶ
2 森の危機――環境破壊計画と強制収用
3 「提案型」市民運動
4 市民力の醸成過程としての学び
5 運動が提起したことと残された課題
第8章 実践主義的アプローチによる学校と地域の連携・協働(篠原清昭)
1 実践主義的アプローチによる学校と地域の連携・協働の価値
2 実践主義的アプローチによる学校と地域の連携・協働の課題と方法6
第9章 学習社会構築に関わる施策と行政の現状と課題――インフラとしての学校施設整備の視点から(堀井啓幸)
1 学習社会構築に関する生涯学習施策の地平
2 学校開放・学校施設複合化にみる生涯学習の基盤整備の現状と課題
3 「せめぎあい」を前向きに活かすためのネットワーク型行政
第10章 学習社会における教師の専門性(佐藤千津)
はじめに
1 教師の「質」を規定するとは――問題の所在
2 教師の「専門性基準」とは
3 教師の専門性と「チームとしての学校」構想の意味
4 教師の「専門職化」と「専門性基準」
おわりに
〈投稿論文〉
第11章 昭和初期の校外教育実践における教育者と子どもの関係について――松美佐雄の「動的」概念を手がかりに(松山鮎子)
はじめに
1 松美佐雄の問題意識と活動の目的
2 学校教育の補完的役割としての教師の童話学習
3 お話の場における子どもと教育者の関係
おわりに
第12章 戦後教育改革期における「地域大学」構想の一事例――中野藤吾と立川学園の活動をめぐって(木田竜太郎)
はじめに
1 中野藤吾の経歴と占領下の立川
2 財団法人立川学園・立川専門学校の設立
3 中野藤吾の「地域大学」構想と立川短期大学
むすびにかえて
〈付録〉
○日本学習社会学会10年の歩み(佐藤晴雄)
○日本学習社会学会創立10周年記念出版投稿規程
索引
執筆者紹介
前書きなど
序言
日本学習社会学会は2004(平成16)年4月3日に創立されたが、10周年を迎えるにあたり、2013(平成25)年に記念出版が計画され、ここに刊行をみることになった。
本学会は、その設立趣意書に示されているように、「学習社会」の実現という課題に研究と実践の両面にわたる多様な側面からアプローチすることを本旨としている。この目的の下に、過去10年にわたって積み上げられてきた会員の研究成果は、研究の対象だけでなく、方法や視点をも含めて膨大かつ多層的である。そのすべてを一冊の書物に反映させることは、もとより不可能であるが、できる限り最新の成果を反映した本学会にふさわしい多角的・学術的な構成となるように企画し、学習社会への展望が開かれることを目指して特集テーマの選定にあたった。
その結果、多くの諸課題が山積する中で、学習社会実現の重要な条件(目的達成への道)の1つは、現在、喫緊の課題となっている地域社会における学習支援の再構築であるとする認識の一致をみて、この課題に照明をあてることになった。本書の書名が、「学習社会への展望─地域社会における学習支援の再構築─」とされた所以である。このテーマの下に、本書は以下に示す2部構成と投稿論文および学会の歩みなどから構成されている。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。