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スラムの惑星 マイク・デイヴィス(著) - 明石書店
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スラムの惑星 (スラムノワクセイ) 都市貧困のグローバル化 (トシヒンコンノグローバルカ)
原書: Planet of Slums

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発行:明石書店
四六判
352ページ
上製
定価 2,800円+税
ISBN
978-4-7503-3190-4   COPY
ISBN 13
9784750331904   COPY
ISBN 10h
4-7503-3190-2   COPY
ISBN 10
4750331902   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
品切れ・重版未定
初版年月日
2010年5月
書店発売日
登録日
2010年8月20日
最終更新日
2014年11月19日
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書評掲載情報

2010-09-12 読売新聞
2010-07-04 日本経済新聞
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紹介

ネオリベラリズムが主導するグローバリゼーションの下、世界各国で「スラム化」が進行、10億を超えるスラム居住者が生まれている。都市問題の論客デイヴィスがその現状と構造を鋭く抉り、貧困の世界的な同時進行にどう立ち向かうべきかを考察する。

目次

第一章 都市の転換期
第二章 スラムの拡大
第三章 国家の背信
第四章 自立という幻想
第五章 熱帯のオースマン
第六章 スラムの生態学
第七章 第三世界を構造調整する=搾り取る
第八章 過剰人類?
エピローグ ベトナム通りを下って

 謝辞
 訳者解説
 監訳者あとがき

前書きなど

監訳者あとがき

 本書はMike Davis, Planet of Slums,Verso, 2006の翻訳である。
 本書の出版は衝撃をもたらした。出版年の終わりにはさっそく雑誌が特集をくみ、ネット上には熱狂的ともいえるほどに応答があふれ、そこで示された分析結果はスラヴォイ・ジジェクら、多くの理論家たちによる世界資本主義分析に即座に統合された。解説でもふれられているように、現代における「変革の主体」についての議論の活性化にも大きく寄与している。デヴィッド・カニンガムによれば、本書がデイヴィスの本でもきわだっている点があるとすれば、それは次々と新機軸を打ち出して人々を瞠目させてきたこの著者の作品のなかでも、「画期的著作」と化したその速度にある。
 ちなみに、『ニューレフト・レビュー』(以下、NLR)誌は二〇一〇年一月二月号で50周年記念特集を組んでいるが、スーザン・ワトキンスは総括論文で、ここ数年の展開をふりかえり、ジョヴァンニ・アリギの「アフリカの危機」とならんでデイヴィスのオリジナル論文を「南の観点から、新しい研究の広大な領域を切り開いている」と評している。

(…中略…)

 あるインタビューによれば、本書は、もともと、はるかに長大な書物として構想されていた。ところが執筆が後半に差し掛かったところで、二次文献や専門家の文献にのみ依拠していたのではこれ以上の展開は不可能であると判断し、デイヴィスは執筆をやめてしまった。したがって本書はもともと構想された一つの著作の前半部分ということになる。『スラムの惑星』第二巻は、フォレスト・ヒルトンとの共著になる予定である。ヒルトンは、コロンビアとボリヴィアに在住する若い研究者であり、本書中でも「貧民の政府」についての著作を共同執筆していると言及されている。その続編においては、解説にもその一端が紹介されている、『スラムの惑星』に投げかけられた典型的な批判の一つである、スラム内の多様な運動への視点の弱さ――とりわけ世俗的(非宗教的)運動への過小評価――や、コンラッドにきわどく近接するとも指摘されるスラムの「暗黒風」描写への論難に対する応答がなされるだろう。

(…後略…)

著者プロフィール

マイク・デイヴィス  (マイク デイヴィス)  (

1946年カリフォルニア州フォンタナ生まれ。精肉工場の工員やトラック運転手、SDSの活動家といった経歴の持ち主。リード大学で歴史学を学んだあとUCLAに進むが学位をとっていなかったために教職につかない時代を長く過ごした。南カリフォルニア大学建築学部とカリフォルニア大学アーヴァイン校歴史学部を経て現在はカリフォルニア大学リバーサイド校クリエイティブ・ライティング学部の教授。『ニューレフトレヴュー』誌の編集委員でもある。日本語に訳されている著作としては『要塞都市LA』(青土社、2001年、増補新版2008年)、『感染爆発』(紀伊国屋書店、2006年)、『自動車爆弾の歴史』(河出書房新社、2007年)がある。これ以外にもEcology of Fear: Los Angeles and the Imagination of Disaster, Henry Holtand Co. 2000. Magical Urbanism: Latinos Reinvent the US City, Verso, 2000. Late Victorian Holocausts: El Nio Famines and the Making of the Third World, Verso, 2001.といった著作がある。最近になってもニューオーリンズの災害やアメリカ民主党の勝利、金融危機といった時事的なトピックについてのエッセイを精力的に発表するなど、アカデミズムの枠にとらわれることのない斬新なスタイルを依然として堅持している。

酒井 隆史  (サカイ タカシ)  (監訳

大阪府立大学准教授。著書に『自由論』(青土社、2001年)、『暴力の哲学』(河出書房新社、2004年)、訳書にスラヴォイ・ジジェク『否定的なもののもとへの滞留』(ちくま学芸文庫、2006年)、マイケル・ハート、アントニオ・ネグリ『〈帝国〉』(以文社、2003年)、シャンタル・ムフ『政治的なものについて』(明石書店、2008年)(ともに共訳)などがある。

篠原 雅武  (シノハラ マサタケ)  (

日本学術振興会特別研究員(PD)。1975年生まれ。著書に『公共空間の政治理論』(人文書院、2007年)。訳書にS・ムフ『政治的なものについて』(酒井隆史監訳、明石書店、2008年)。

丸山 里美  (マルヤマ サトミ)  (

立命館大学産業社会学部准教授。論文に、「野宿者の抵抗と主体性――女性野宿者の日常的実践から」(『社会学評論』56-45、2006年)、「自由でもなく強制でもなく」(『現代思想』第34-9、2006年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。