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子ども虐待防止のための家族支援ガイド サインズ・オブ・セイフティ・アプローチ入門

井上 直美(編著 | 編著), 井上 薫(編著 | 編著)
発行:明石書店

A5判   228頁  並製
定価 2,500円+税

ISBN 978-4-7503-2897-3   C0036
在庫あり(出版社情報)

奥付の初版発行年月 2008年12月
書店発売日 2008年12月16日

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紹介

オーストラリアの児童保護の現場から生まれ、世界各国で活用されている児童虐待対応の手法SoSAを紹介する。当事者である家族と子どもが安全な生活を築くためのアプローチの概要と合わせ、「三つの家」等の効果的なツールを日本の現場で実践する方法を探る。

目次

 はじめに

第 I 部 家族と一緒に子どもの安全をつくる支援

1章 サインズ・オブ・セイフティ・アプローチとリゾリューションズ・アプローチ
   ——開発の経緯と特徴(井上薫)
2章 サインズ・オブ・セイフティによる家族との関係づくり(井上薫)
3章 「安全」をつくる(井上薫)
4章 サインズ・オブ・セイフティのツールを用いたケースマネジメントの流れ(井上直美、井上薫)
5章 サインズ・オブ・セイフティ・アプローチの手法(井上直美)

第II部 日本における実践の展開

6章 虐待対応とサインズ・オブ・セイフティ・アプローチ(菅野道英)
7章 虐待した親への支援
   ——親と支援プログラムへどのようにつなげるか(久保樹里)
8章 効果的に面接を進めていくために(菅野道英)
9章 子どもと協働して親の理解をつくるプロセス(宮井研治、相坂聖子、池本有利子)
10章 絵巻物「安全で安心な家への道のり」
   ——「三つの家」と「ことばと絵」を用いる安全プランづくり(井上直美、井上薫、板倉賛事)
11章 「うちの家族をつくる」話し合い
   ——家族応援会議(井上直美、井上薫、菱田理、平井徹)
12章 「三つの家」を用いてライフストーリーを共有した事例(井上薫、井上直美、成瀬英雄)

 索引

前書きなど

 はじめに(一部抜粋)

(…前略…)

サインズ・オブ・セイフティ・アプローチ
「三つの家」
リゾリューションズ・アプローチについて

 本書は、サインズ・オブ・セイフティ・アプローチ(以下本書ではSoSAと略します)を日本の現場で実践する手ほどきとなることをめざしています。本書には、ターネルがSoSAと組み合わせて使うことを薦めている「三つの家」と、リゾリューションズ・アプローチの一部の手法も含めています。
 SoSAは、オーストラリアのウェスタンオーストラリア州の児童保護の現場で開発された児童虐待対応の一つの方法です。その開発の経緯や特徴は本書の第 I 部で詳しく述べますが、子どもや家族自身が安全な生活をつくる主体であると捉え、安全な生活をつくるために、彼らの願い、ニード、よい面を尊重し、彼ら自らに力を発揮してもらうアプローチです。遠く離れた外国で開発されたとはいえ、虐待の当事者である家族と子どもが安全な生活をつくるのを手伝う建設的で具体的なアプローチであるため、SoSAは、法制度や国民性の違いを超えて、世界各国の児童虐待対応専門職に活用されています。私たちは、SoSAが、以前から高く掲げられてきた日本の児童虐待対応のための相談援助活動の理念を実践する一方法になりえると考えます。
 また、SoSAは、ニュージーランドのワーカーたちにも影響を与え、ニキ・ウェルドらの「三つの家」の開発につながっています。ウェルドらのやり方は、子どもや養育者の主体的参加を引き出し、子どもの安全と彼らの願いを実現するのを手助けするわかりやすくかつ強力な手法です。したがって、日本では、児童福祉分野だけでなく、保健・教育・司法分野などでも、導入する意義がとても大きいと考えます。
 一方、リゾリューションズ・アプローチは、加害者が虐待を否認する困難な事例に対応するために、イギリスのブリストルの家族療法家のスージー・エセックスらがつくり出した方法です。SoSAの開発者であるターネルは、虐待したことを認めるかどうかという言い争いを迂回して将来の安全な生活をつくるリゾリューションズ・アプローチにSoSAとの共通性を見出し、スージーとともに体系化しました。子どもと加害者ではない方の親の力を強化しながら家族と一緒に取り組むこの方法は、司法関与が部分的な段階にとどまっている日本の児童虐待対応で、とりわけ有効なように思われます。リゾリューションズ・アプローチの中で練り上げられてきた「ことばと絵」やセイフティ・プランのつくり方は、否認事例であるかどうかにかかわらず、日本の実践者にはとても参考になると思います。

(…中略…)

本書について
 本書の第 I 部1章から3章では、SoSAを中心にターネルらの著作やワークショップの内容に基づいてアプローチの概説をしています。4章では、日本でSoSAを活用する一つの例として私たちが創作したモデル事例を示し、SoSAのツールとアイデアを使うケースマネジメントの流れを提案しました。5章では、アセスメント&プランニング書式にはじまり、家族応援会議のレジュメ兼記録用紙に至るまで、私たちが実際に使って有用だった手法とツールを紹介しました。第II部では、読者の実践の参考になることを願い、個人情報の扱いに配慮した上で現場の実践を示しました。
 前述の経緯からわかるように、本書の特徴は、私たちが研究協力者の仲間と一緒にSoSAやリゾリューションズ・アプローチを学び、実際に実践できたことをまとめたことにあります。ですから、本書では、児童虐待対応やソーシャルワークの方法論としての理論的検討には触れていませんし、しっかり実践するにはかなりの練習がいると考えられるリゾリューションズ・アプローチ全体の実践には至っていません。また、性的虐待事例への対応も含めていません。しかし一方で、日本の家族や子どもと実際に話し合う具体的なことばやツールを紹介し、現場の実践者の手ごたえを示すことができたように思います。私たちは、児童相談所の職員や市町村の児童家庭相談担当者、児童福祉施設の職員の皆さんがSoSAの実践をはじめる手ほどきとして、本書がいくらかでも役に立つことを願っています。そして現場の皆さんが、日本の家族や子どもと一緒に安全な生活づくりに取り組む苦労の中で、よい実践を交流しあいながら、さらに工夫を加えて発展させていってくださることを期待しています。
(…後略…)

著者プロフィール

井上 直美(イノウエ ナオミ)

デンバー大学英語センター学生。臨床心理士。
名古屋大学大学院文学研究科博士前期課程(心理学専攻)修了(文学修士、1983)。非常勤臨床心理職として、岐阜大学医学部付属病院神経精神科、羽島病院精神科、岐阜南病院、井深医院、たなか小児科、岐阜県立岐阜病院に勤務。岐阜県立岐阜病院臨床心理業務嘱託職員をへて、2003年より日本福祉大学心理臨床研究センター教員、2005年より2008年まで日本福祉大学心理臨床研究センター研究所教員。
主な著書等:『児童虐待へのブリーフセラピー』(共著 金剛出版 2003)、「サインズ・オブ・セイフティ・アプローチ入門」(共著 そだちと臨床vol.2 明石書店 2007)。訳書として、『安全のサインを求めて』(ターネル、エドワーズ著 共監訳 金剛出版 2004))、『児童虐待を認めない親への対応』(ターネル、エセックス著 共監訳 明石書店 2008)

井上 薫(イノウエ カオル)

同朋大学大学院人間福祉研究科・社会福祉学部准教授。臨床心理士。
名古屋大学大学院文学研究科博士前期課程(心理学専攻)修了(文学修士、1982)。愛知県児童相談所に勤務(1983〜1999)。1999年より同朋大学社会福祉学部専任教員。家族援助論、児童福祉臨床研究などを担当。児童家庭相談、特に児童虐待防止ケースマネジメントを研究。
主な著書等:『児童虐待へのブリーフセラピー』(共著 金剛出版 2003)、『新生児医療現場の生命倫理』(共著 メディカ出版 2004)、「サインズ・オブ・セイフティ・アプローチ入門」(共著 そだちと臨床vol.2 明石書店 2007)。訳書として、『安全のサインを求めて』(ターネル、エドワーズ著 共監訳 金剛出版 2004)、『児童虐待を認めない親への対応』(ターネル、エセックス著 共監訳 明石書店 2008)

上記内容は本書刊行時のものです。