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出版者情報
社会はどこにあるか
根源性の社会学
- 書店発売日
- 2017年5月20日
- 登録日
- 2017年5月10日
- 最終更新日
- 2017年5月10日
紹介
社会学の研究対象は社会である。だが、社会とはそこに「ある」ものとしてとらえることができない。社会はいったいどこに立ち現れ、社会学はどのようにはじまるのか――。
本書は、根源的ともいえるこの難題と正面から向きあう、創意に満ちた知的探索である。
目次
Ⅰ 社会が姿をあらわすとき
第1章 社会を剥ぎ取られた地点──「無媒介性の夢」をめぐるノート
1 はじめに
2 「無媒介性」の夢
3 もうひとつの「無媒介性」
4 暴力・権力・媒介性
5 おわりに
第2章 没頭を喪失した社会──「社会学」の位置をめぐって
1 はじめに──「参加」と「距離化」
2 「没頭」の喪失──「感情」とくに「笑い」を例として
3 モダニティと「距離化」──理論社会学的考察
4 おわりに──「没頭」への契機?
第3章 社会という不条理/社会という無根拠
1 はじめに──社会の「蒸発」あるいは「液状化」によせて
2 社会という「不条理」──「社会」が立ち現れるとき
3 社会という「無根拠」──「精神の無力」の先取り
4 「不条理」と「無根拠」のあいだ──ある反転
5 おわりに──なにが消滅したのか/なにが過剰なのか
Ⅱ 社会学がはじまる場所
第4章 「社会の科学」と「社会の理想」──あるいは、ふたりのデュルケーム
1 はじめに──「社会の科学」と「社会の理想」
2 「社会学」と「社会主義」──ボルドーのデュルケーム
3 道徳・宗教・「社会の魂」──ソルボンヌのデュルケーム
4 おわりに──ふたりのデュルケームのあいだ
第5章 距離のユートピア──ジンメルにおける悲劇と遊戯
1 はじめに──ジンメルにおけるふたつの問題系
2 社会学的悲劇の構図──個人と社会
3 遊戯・距離・ユートピア──社交と貨幣
4 差異の個人主義のために──「自由」のふたつの理想
第6章 亡命者たちの社会学──ラザースフェルドのアメリカ/アドルノのアメリカ
1 はじめに──亡命者たちとアメリカ
2 ニューヨークのラザースフェルド──民主主義と資本主義のアメリカ
3 ニューヨークのアドルノ──ラジオとジャズのアメリカ
4 ロサンゼルスのアドルノ──塞がれた耳と縛られた身体
5 おわりに──アドルノのアメリカ
Ⅲ いくつもの声が響き合う
第7章 もしも世界がみんな構築主義者だったら──構築主義社会における構築主義社会学
1 構築主義社会と構築主義社会学
2 相対化とは別の場所へ──「構築主義批判・以後」報告をめぐって
3 構築主義が作る社会──共同性から公共性へ?
4 もうひとつの問いかけ
第8章 「スポーツする身体」と「教える/学ぶ身体」の交わるところ──スポーツと体罰をめぐるふたつの問題系
1 はじめに──ふたつの身体と暴力
2 「スポーツする身体」と暴力──エリアスの問題系
3 「教える/学ぶ身体」と暴力──ベイトソンの問題系
4 「スポーツを教える身体」と暴力──いくつかの問題提起
第9章 共同体の外に立つ──「日本の社会学理論」と「普遍」についての試論
1 日本の社会学を英語で伝える──三つのエピソードから
2 物差しをつくり直す──ジラールと作田のあいだ
3 共同体の外に立つ──普遍を書き換える普遍/普遍を突き破る普遍
あとがき
参考文献
索 引
上記内容は本書刊行時のものです。