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海を撃つ 安東量子(著/文) - みすず書房
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海を撃つ (ウミヲウツ) 福島・広島・ベラルーシにて (フクシマヒロシマベラルーシニテ)

社会一般
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発行:みすず書房
四六判
重さ 400g
296ページ
定価 2,700円+税
ISBN
978-4-622-08782-3   COPY
ISBN 13
9784622087823   COPY
ISBN 10h
4-622-08782-0   COPY
ISBN 10
4622087820   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2019年2月8日
書店発売日
登録日
2018年12月19日
最終更新日
2019年2月1日
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書評掲載情報

2019-03-09 朝日新聞  朝刊
評者: 小松理虔(地域活動家)
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紹介

1976年生まれの著者は、植木屋を営む夫と独立開業の地を求めて福島県いわき市の山間部に移り住む。震災と原発事故直後、分断と喪失の中で、現状把握と回復を模索する。
放射線の勉強会や放射線量の測定を続けるうちに、国際放射線防護委員会(ICRP)の声明に出会う。
著者はこう思う。「自分でも驚くくらいに感情を動かされた。そして、初めて気づいた。これが、私がいちばん欲しいと願っていた言葉なんだ、と。『我々の思いは、彼らと共にある』という簡潔な文言は、我々はあなたたちの存在を忘れていない、と明確に伝えているように思えた。」
以後、地元の有志と活動を始め、SNSやメディア、国内外の場で発信し、対話集会の運営に参画してきた。「原子力災害後の人と土地の回復とは何か」を摑むために。
事故に対する関心の退潮は著しい。復興・帰還は進んでいるが、「状況はコントロールされている」という宣言が覆い隠す、避難している人びと、被災地に住まう人びとの葛藤と苦境を、私たちは知らない。
地震と津波、それに続いた原発事故は巨大であり、全体を語りうる人はどこにもいない。代弁もできない。ここにあるのは、いわき市の山間に暮らすひとりの女性の幻視的なまなざしがとらえた、事故後7年半の福島に走る亀裂と断層の記録である。

目次

歌い忘れたレクイエム
一 あの日
二 広島、福島、チェルノブイリ
三 ジャック・ロシャール、あるいは、国際放射線防護委員会
四 アンヌマリーとアナスタシア
五 末続、測ること、暮らすこと
六 語られたこと、語られなかったこと
七 その町、その村、その人
八 ふたたび、末続
九 海を撃つ
参考文献
あとがきにかえて

著者プロフィール

安東量子  (アンドウリョウコ)  (著/文

1976年広島県生まれ。18歳まで広島に育つ。2002年から福島県東白川郡鮫川村、2004年からいわき市在住。震災後、ボランティア団体「福島のエートス」を設立(2011年12月)、主宰。自営業(植木屋)。著書に『海を撃つ――福島・広島・チェルノブイリにて』(みすず書房、2019)、共著に『福島はあなた自身――災害と復興を見つめて』(福島民報社、2018)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。