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出版者情報
憎しみに抗って
不純なものへの賛歌
発行:みすず書房
四六判
216ページ
定価
3,600円+税
- 書店発売日
- 2018年3月16日
- 登録日
- 2018年2月21日
- 最終更新日
- 2018年3月7日
書評掲載情報
2018-06-02 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 松永美穂(ドイツ文学者) |
2018-04-29 |
読売新聞
朝刊 評者: 藤原辰史(京都大学准教授、農業史研究者) |
2018-04-21 |
朝日新聞
評者: 齋藤純一(早稲田大学教授・政治学) |
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紹介
人種主義、ファナティズム、民主主義への敵意――ますます分極化する社会で、集団的な憎しみが高まっている。なぜ憎しみを公然と言うことが、普通のことになったのだろう。
多くの難民を受け入れてきたドイツでも、それは例外ではない。2016年には、難民の乗ったバスを群集が取り囲んで罵声を浴びせ、立ち往生させる事件が起こった。それまでのドイツではありえなかったこの事件は、社会に潜む亀裂をあらわにした。
自分たちの「基準」にあてはまらない、立場の弱い者への嫌悪、そうした者たちを攻撃してもかまわないという了解。この憎しみの奔流に飲み込まれないためには、どうしたらいいだろう。
憎しみは、何もないところからは生まれない。いま大切なのは、憎しみの歴史に新たなページを加えることではなく、基準から外れたとしても幸せに生きていく可能性をつくることではないだろうか。
著者カロリン・エムケはドイツのジャーナリスト。自分とは「違う」存在を作りだして攻撃するという、世界的に蔓延する感情にまっすぐに向き合った本書は、危機に揺れるドイツでベストセラーになった。いまの世界を読むための必読書。
目次
はじめに
1 可視‐不可視
恋
希望
懸念
憎しみと蔑視
1 特定の集団に対する非人間的行為(クラウスニッツ)
憎しみと蔑視
2 組織的人種差別(スタテンアイランド)
2 均一‐自然‐純粋
均一
根源的/自然
純粋
3 不純なものへの賛歌
原註
訳者あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。