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老年という海をゆく 大井 玄(著/文) - みすず書房
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老年という海をゆく (ロウネントイウウミヲユク) 看取り医の回想とこれから (ミトリイノカイソウトコレカラ)

社会一般
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発行:みすず書房
四六判
288ページ
定価 2,700円+税
ISBN
978-4-622-08668-0   COPY
ISBN 13
9784622086680   COPY
ISBN 10h
4-622-08668-9   COPY
ISBN 10
4622086689   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2018年3月12日
最終更新日
2018年3月31日
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紹介

「老年期を歩むのは、海図のない海を行くのに似ている。
半世紀以上も前、舳先をそろえるようにして出航したのに、やがて別々に進路を変えて進むことになった。なぎの海、波頭が白く砕ける荒海を進み、赤い夕日が沈んだり、きらめく日輪が上るのをくり返し見ているうちに、かつての僚船が難破したり、沈没したりしたとの報が、ポツリポツリと届く」。

著者は1935年生まれ。公衆衛生学者として水俣病やエイズの研究、アラル海やブータンでの健康調査などを経て、国立環境研究所では地球環境の研究に携わる科学者たちを指導し、また内科臨床医として終末期医療や認知症に取り組んできた。
看取り医としての長年の経験を振り返りながら、みずからの老いへの自覚も踏まえて、人間の生老病死に思索をめぐらす。アルツハイマー型認知症は病気ではなく、老耄の現れである。認知症患者はがん疼痛を訴えない。生存の満足度は加齢とともに上昇する。わたしたちは「死んだらそれきり」ではない。老耄はおだやかに死ぬために自然が用意してくれた恵みである。
超高齢社会を迎えるにあたって指針にしたい知見の数々。悲喜こもごも、慰めにみちた人生賛歌である。

目次

海図のない海
歩く愉しさ
無常と永遠
地域ケアの手
老耄ということ
認知症高齢者の判断能力
ハトとわたし
入院記――夕暮れの海の暗礁
気候変動――「ヒトの時代」に生きるとは
しょうべんたれ
国際協力のあり方――ダショー西岡の場合
水俣協立病院の看護師
つながりを求める心
意味の世界――認知症高齢者とドナルド・トランプ
「一人一宇宙」
臆病と用心――エイズの場合
懐かしい人
触らぬ医療、触れる医療
老年の愉しみ
老耄という恵み

あとがき

著者プロフィール

大井 玄  (オオイゲン)  (著/文

1935年生まれ。1963年、東京大学医学部医学科卒業。1965-71年、ペンシルバニア大学グラジュエート病院内科助講師、デューク大学医学部血液科フェロー。東京都立衛生研究所副参事研究員ののち、1977年、ハーバード大学公衆衛生大学院修了。1978-84年、東京大学医学部衛生学助教授。1984-89年、帝京大学公衆衛生学教授。1989-96年、東京大学医学部保健学科成人保健学教授、東京大学大学院医学系研究科国際保健学教授。1978-96年、虎ノ門病院内科(非常勤)。1996-2004年、国立環境研究所副所長、所長を経て、参与。 2001年より東京都立松沢病院医師(非常勤)。東京大学名誉教授。医学博士。専門は、社会医学、一般内科、在宅医療、心療内科、環境医学。最近はJICAのチリ国小児リハビリプロジェクトやNGOの依頼で、カンボジア保育園児の健康診断など、臨床医の立場を維持しながら国際保健、地域医療、終末期医療にかかわってきた。

上記内容は本書刊行時のものです。