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エルサレムのアイヒマン【新版】 ハンナ・アーレント(著/文) - みすず書房
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エルサレムのアイヒマン【新版】 (エルサレムノアイヒマン) 悪の陳腐さについての報告 (アクノチンプサニツイテノホウコク)

哲学・宗教
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発行:みすず書房
四六判
488ページ
定価 4,400円+税
ISBN
978-4-622-08628-4   COPY
ISBN 13
9784622086284   COPY
ISBN 10h
4-622-08628-X   COPY
ISBN 10
462208628X   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C1030  
1:教養 0:単行本 30:社会科学総記
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年7月20日
最終更新日
2017年8月4日
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書評掲載情報

2018-06-17 読売新聞  朝刊
評者: 本多正一(文筆家)
2018-05-12 朝日新聞  朝刊
評者: 野口雅弘(成蹊大学教授・政治思想史)
2018-05-05 日本経済新聞  朝刊
2018-05-05 朝日新聞  朝刊
2017-09-03 朝日新聞  朝刊
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紹介

〈彼は愚かではなかった。まったく思考していないこと――これは愚かさとは決して同じではない――、それが彼があの時代の最大の犯罪者の一人になる素因だったのだ。このことが「陳腐」であり、それのみか滑稽であるとしても、またいかに努力してみてもアイヒマンから悪魔的なまたは鬼神に憑かれたような底の知れなさを引き出すことは不可能だとしても、やはりこれは決してありふれたことではない。死に直面した人間が、しかも絞首台の下で、これまでいつも葬式のさいに聞いてきた言葉のほか何も考えられず、しかもその「高貴な言葉」に心を奪われて自分の死という現実をすっかり忘れてしまうなどというようなことは、何としてもそうざらにあることではない。このような現実離れや思考していないことは、人間のうちにおそらくは潜んでいる悪の本能のすべてを挙げてかかったよりも猛威を逞(たくま)しくすることがあるということ――これが事実エルサレムにおいて学び得た教訓であった。しかしこれは一つの教訓であって、この現象の解明でもそれに関する理論でもなかったのである〉

組織と個人、ホロコーストと法、正義、人類への罪… アイヒマン裁判から著者が見、考え、判断したことは。最新の研究成果にしたがい、より正確かつ読みやすくし、新たな解説も付した新版を刊行する。

目次

新版にあたって――凡例

読者に

第一章 法廷
第二章 被告
第三章 ユダヤ人問題専門家
第四章 第一の解決――追放
第五章 第二の解決――強制収容
第六章 最終的解決――殺戮
第七章 ヴァンゼー会議、あるいはポンテオ・ピラト
第八章 法を遵守する市民の義務
第九章 ライヒ――ドイツ、オーストリアおよび保護領――からの移送
第十章 西ヨーロッパ――フランス、ベルギー、オランダ、デンマーク、イタリア――からの移送
第十一章 バルカン――ユーゴスラビア、ブルガリア、ギリシャ、ルーマニア――からの移送
第十二章 中欧――ハンガリア、スロヴァキア――からの移送
第十三章 東方の殺戮センター
第十四章 証拠と証人
第十五章 判決、上告、処刑
エピローグ
追記

解説  大久保和郎
新版への解説  山田正行
関係年譜/文献/事項索引/人名索引

著者プロフィール

ハンナ・アーレント  (ハンナ アーレント)  (著/文

1906-1975。ドイツのハノーファー近郊リンデンでユダヤ系の家庭に生まれる。マールブルク大学でハイデガーとブルトマンに、ハイデルベルク大学でヤスパースに、フライブルク大学でフッサールに学ぶ。1928年、ヤスパースのもとで「アウグスティヌスの愛の概念」によって学位取得。ナチ政権成立後(1933)パリに亡命し、亡命ユダヤ人救出活動に従事する。1941年、アメリカに亡命。1951年、市民権取得、その後、バークレー、シカゴ、プリンストン、コロンビア各大学の教授・客員教授などを歴任、1967年、ニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチの哲学教授に任命される。

大久保和郎  (オオクボカズオ)  (翻訳

1923年東京に生まれる。慶應義塾大学文学部中退。独・仏文学を専攻。1975年歿。訳書 マリアンネ・ウェーバー『マックス・ウェーバー』(1965)ハンナ・アーレント『エルサレムのアイヒマン』(1969、新版2017)同『全体主義の起原』1・3(共訳、1972、74、新版2017)カール・シュミット『政治的ロマン主義』(1970、《始まりの本》2012、以上みすず書房)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。